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ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、  作者: 涼風悠
ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、幼馴染で両想いですが、攻略キャラ達が全力で邪魔してくる。もう、俺(私)達のことは諦めてください。

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ギャルゲの主人公は、再び乙女ゲーの攻略者と対峙する。

 結局、美月が男子生徒に、囲まれている様子を遠めから眺めることしか出来ず、そのまま、モヤモヤとした気持ちを抱えて、放課後を迎える郁人であった。


 郁人は、宏美や梨緒に捕まる前に、用事があると真っ先に家に帰ろうとする。郁人は素早く、教室から出ようとすると、廊下に政宗が立っていた。郁人は、睨みつけてくる政宗をスルーしようとするが、政宗は郁人を呼び止める。


「朝宮……話がある…大事な話だ」

「悪いが、俺は、もう話すことはない…急いでるからな」

「美月のところに行く気なのか?」

「……ああ」


 政宗の鋭い眼光が郁人を睨みつける。郁人は、ため息がでる。やれやれな郁人なのである。そして、そこに宏美と梨緒が現れる。


「郁人君…ごめんね…私も、ちょっと、用事があって…急ぐから…また明日ね」


 梨緒はそう郁人に清楚笑顔で挨拶して、小走りで廊下を駆けていく、その様子に呆気にとられる郁人と宏美であったが、政宗は、意にも返してなかった。今も、郁人のことを睨み続けている政宗である。


「って、郁人様…また、厄介ごとですか~? いい加減にしてくださいよ~」

「なんで、俺のせいなんだよ…俺は、早く帰らないといけないんだ」


 そうヒソヒソ話をする郁人と宏美である。


「朝宮…お前と二人きりで話がしたい…美月の幼馴染として、お前には、はっきり言いたいことがある」

「……美月の…幼馴染? 俺は、お前の事なんて知らないが…」

「自分が、美月のことを何でも知ってるとでも思っているのか? 傲慢だな」


 政宗の安い挑発にムッとする郁人である。政宗も、怒りをむき出しにしている。そんな二人を見て、ゆるふわ宏美はオロオロするのである。


「仕方ない…わかった…で…どこで話すんだ?」

「近くに、公園がある…そこで、話をしよう」


 郁人は、政宗の提案を受け、不安そうな宏美にとりあえず、大丈夫だ…また明日と言って別れ、政宗と早歩きで、お互い無言のまま、公園と向かうのであった。


そして、誰もいない公園にたどり着く郁人と政宗は、お互い向き合って、睨み合い、今までの沈黙を打ち破るのだった。


「朝宮…単刀直入に言う…美月のことは諦めろ」

「…なんで、お前にそんなことを言われないといけない?」


 いきなり、郁人にそう言い放つ政宗の瞳は、怒りに燃え上がっていた。郁人も急にそんなことを言われて顔をしかめるのである。


「貴様に美月は相応しくないからだ……昔から…そう、昔から、貴様は美月に相応しくないと思っていた…そして、学校でのお前を見て、それは確信になった…朝宮…貴様に美月は相応しくない!!」


 政宗は、叫ぶ、郁人に己の気持ちをぶつけるのである。郁人は、政宗の発言に瞳を閉じる。


「……そんなことは、俺が一番理解している…でもな…悪いが、あんたに、諦めろと言われて、はい、諦めますって、ほど、俺の美月への想いは小さくはないんでな…悪いが、諦めたりはしない」


 郁人は、そういうと、閉じていた瞳を開き、鋭い眼光で、政宗を睨みつける。珍しく本気で怒っている郁人である。お互い睨み合っている。


「朝宮…貴様は…美月のただの幼馴染にすぎない…いいか…俺が、俺が本当の美月の幼馴染なんだ…美月だけが…俺を…俺を見てくれる…俺には、美月しかいないんだ!! 誰でもいい貴様と違って!!」

「……あんたが何を言いたいのかわからないが…俺にも美月しかいないんだ…あんたにはわからないだろうな…本当に小さい時から、好きだった…大好きだった…愛している」

「それは、俺もだ!! 貴様に、女子共にチヤホヤされてる貴様に負けるはずがないほどに、俺も美月のことを愛している!!」


「俺が、いつ、女子共にチヤホヤされてたって言うんだ…だいたい、俺は美月とずっと一緒にいた…あんたのことは知らないが…美月とはどういう関係だ?」

「俺は…美月の…幼馴染だ」

「……じゃあ、あんたも、ただの幼馴染にすぎないだろ? なんで、あんたにそんなことを言われないといけないんだ?」

「朝宮…貴様!! 自分が特別だとでも思っているのか!! 自分だけが、美月に好かれてるとでも思っているのか! 貴様の傍にだけ美月がいるとでも思っているのか! どう思っているんだ!! あさみやぁぁぁ!!」


 郁人と政宗は美月への思いのたけをぶつけ合う。そして、不意に郁人から、ため息がこぼれる。


「…確かに、美月が俺の傍にいることが当たり前だと…思っている…でも…美月が俺から離れていくかもしれない不安がお前にわかるのか? 美月がモテる事も、美月が凄いことも知っている…俺が相応しくないってことも…でもな…俺は、そんな美月のことを、誰よりも幸せになって欲しいと思っている…もしも、美月がお前を選んで…お前が美月のことを幸せにしてくれるなら…俺は、潔く身を引く…だが…」


 郁人は、決意を込めた眼差しで、政宗を睨みつける。


「急に出てきて、勝手に幼馴染を名乗って、美月をただ、自分のモノにしたいだけの奴に、美月を幸せにできるとは思えない! 悪いが話はここまでだ!!」

「なんだと…俺に美月が幸せにできないだと!! いい加減なこと言うな!! 美月は俺が守る!! 貴様の毒牙から俺が守る!!」


 政宗は、もはや話すことはないと公園を出て行こうとする郁人にそう怒鳴りつける。郁人は、一瞬政宗の方を向く、その表情は政宗を憐れんでいるようだった。そして、郁人は公園から出て行くのであった。


(美月は…美月は、俺の全てなんだ…絶対に…貴様なんかに…貴様なんかに…)


「負けてたまるかぁぁ!!」


 残された政宗の怒号が公園に響き渡るのであった。それは郁人にも聞こえていた。郁人もまた、心の奥底から、絶対にお前には負けないと誓うのだった。



ここまで読んでくれてありがとうございます。ぜひ、ブックマークと評価もよろしくお願いしますね。


郁人にシリアスできたんだ。郁人にだって、シリアスになる時があるみたいですね。まぁ、結局、郁人の脳内は美月の事しか頭にないのでしょうが…


次回は、美月のターンです。ここからは、しばらくギャグ少なめな感じに…なるかも? 


では、次回の更新もよろしくお願いしますね。

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