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ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、  作者: 涼風悠
ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、幼馴染で両想いですが、攻略キャラ達が全力で邪魔してくる。もう、俺(私)達のことは諦めてください。

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ギャルゲの主人公とゆるふわサブヒロインは、内緒話がしたい。

 結局、宏美が戻ってこなかったため、仕方なく、教室に戻ると、ヤンデレ自称幼馴染の梨緒が、郁人の席に座っていた。


「おはよう……郁人君」

「……ああ、おはよう」


 清楚笑顔で、朝の挨拶をする梨緒は、郁人の席に清楚着席している。もはや、その姿は清楚そのものである。郁人は、ジッと梨緒を見ている。郁人は、コイツなんで俺の席に座っているんだという疑問の顔で、梨緒のことを見ていたのだが、梨緒はなぜか、顔を赤くして照れている。


「……郁人君…そんなに見つめられると…その…は、はずかしいよぉ」

「……いや、おま……り、梨緒は何で、俺の席に座っているんだ?」


 思わず、お前と言いそうになった郁人に、ヤンデレのナイフのごとく、刺さる視線を向ける梨緒に、たじろいで、名前呼びで疑問を口にする郁人である。


「えっと、その~、せ、席が空いてたから…あ、温めておいたよ」


 梨緒は、清楚に素早く立ち上がり、椅子を郁人に差し出している。膝をつき清楚献上ポーズである。その姿に、郁人は完全に引いている。ドン引きである。


「おま……り、梨緒…大丈夫か?」

「……え? うん、大丈夫だけど?」


 梨緒の射るような視線が、郁人の心臓を貫くと、郁人は、梨緒の事を名前で呼ぶ、郁人は、お前は正気かと言いたかったが、オブラートに包んだ結果、その質問の意図は梨緒には伝わらないのであった。


「そういえば、宏美ちゃんはどうしたの? 一緒じゃないの?」

(いや、俺とゆるふわがいつも一緒に居るみたいに言うな)


 心の中で、梨緒にツッコム郁人である。しかし、口には出さない郁人は少し考える。そんな郁人を清楚待機で、小首をかしげている梨緒である。


「…あいつは、いい奴……ではなかったが…いい奴だったよ」

「え? あ…うん…ん?」


 郁人の、ゆるふわの死亡を匂わす発言は、清楚梨緒には通じなかった。完全に滑った空気が流れる。梨緒はただ混乱している。いたたまれなくなった郁人は、とりあえず、自分の席に座る。


「あ……郁人君が…座った」

「…は?」


 郁人が席に座っただけで、顔を赤くする梨緒に、不信感を覚える郁人である。ん?ん、ん?となる郁人である。


「ど、どうかしたのか?」

「え? どうもしてないよ」


 満面の清楚スマイルで、物凄く不安になっている郁人の質問に、そう答える梨緒である。超嬉しそうである。なぜかモジモジしている梨緒に更に不安になる郁人である。


「おま……り、梨緒…何かしてないよな?」

「……え~? 何もしてないよぉ」


 梨緒の、ヤンデレ包丁の突き刺す視線を感じる。やはり、死の危険を感じ、名前で呼ぶ郁人は、不安のあまり、ダイレクトアタックをしかけるが、梨緒は清楚笑顔で回避する。


「……」

「……」


 少しの沈黙が流れる中、チャイムの音が、教室に鳴り響く。梨緒は清楚笑顔で、手を振って、自分の席に向かう。かなり、上機嫌な梨緒に、ただただ不安を覚える郁人である。


 そんな、不安を覚えている中で、教室に、戻って来る宏美は、真っ先に自分の席について、郁人の方を見て、親指を立てて、グッしている。ニコニコ笑顔である。


(あの笑顔は…不安になるな)


 完全に、宏美を信用していない郁人であった。そして、担任が教室に入って来ると、ホームルームが始まる。簡単な連絡事項などを担任が説明している。本日は、新入生歓迎会があるとのことである。


 そして、何事もなくホームルームを終えて、一限の準備時間になると、梨緒と宏美が郁人の所に来る。まだ、学校始まって間もないのに、この光景が日課になりつつある。


「郁人様…無事帰還しましたよ~」

「あ…ああ……本当に無事に帰還したのか?」

「はい~、完璧ですよ~…任せてくださいよ~」


 ドヤ顔で、腰に手を当てて、無い胸を張っている宏美である。そんな宏美に、郁人はやはり、不安を覚えるのである。


「どうかしたのかなぁ?」


 そんな、郁人と宏美のやり取りを、清楚な疑いの眼差しで見つめて、疑問を口にしている梨緒に、二人は、冷や汗が出る。


「いえいえ~、何もないですよ~」

「あ…ああ、何にもないぞ」

「ふ~ん…そうなんだぁ」


 郁人と宏美は、必死に誤魔化しにかかる。二人は内心思っているのである。このヤンデレに美月の話題はまずいということを、理解しているのである。そんな二人に、疑惑の表情を浮かべている梨緒である。


「郁人様……先ほどのことで報告があるので~、先ほどの教室に行きませんか~?」

「いいけど、あいつはどうするんだ?」

「任せてください~…わたしぃに取って置きの作戦がありますよ~」


 郁人と宏美は、ひそひそ話を繰り広げる。その様子に、目からハイライトが消えて、二人を見ている梨緒である。郁人は、宏美の作戦に不安を覚えるが、全て任せることにした。


「梨緒さん…少し、郁人様とお話がありまして~」

「じゃあ、私も行くね」

「……」


 全く聞く耳を持たない梨緒に、さすがの宏美も、ニコニコ笑顔でたじろいでいる。しかし、満面なゆるふわ笑顔で立て直す。


「あ~、郁人様にしかお話しできないことでして~」

「……」


 宏美のその発言に、ヤンデレモードに突入した梨緒の、突き刺す視線が、宏美を襲う。さすがのニコニコ笑顔の宏美も、大量の冷や汗が出ているようである。命の危険を感じている宏美である。


「大丈夫ですよ~…梨緒さん…この後、梨緒さんと郁人様との二人きりのプライベートな時間をおつくりしますから~…ここは許可してください~」

(って、取って置きの作戦って、俺を売るのかよ!!)


 宏美は頭を下げる。郁人を売り払う宏美は必死である。梨緒は満面な清楚笑顔で、一言言い放つのである。


「いいよぉ」


 上機嫌な清楚モードに戻った梨緒に、安堵する宏美であるが、売られた郁人は、不機嫌である。そんな郁人に、親指を立てて、ドヤ顔している宏美である。やってやったぜと表情が訴えていた。






 なんとか、梨緒の許可をもらって、先ほどの教室に向かった郁人と宏美である。


「お前な…俺を売るなよな」

「いいじゃないですか~…幼馴染なんですからね~」

「……」


 確かに、宏美の中では郁人と梨緒は幼馴染ということになっていた。それを否定しない自分にも非があると思った郁人は、それ以上の追及を止めるのであった。


「で? 結局、あの後、どうなったんだ?」

「はい~、7組の方々に見つかってしまいましたが、運よく夜桜さんに接触できましたよ~」

「……」


 郁人は、その発言に、不安になるのである。このゆるふわ、マジで変なことしてないだろうなと思う郁人である。宏美は、完全にやってやったぜと、ぺったんこな胸を張っている。


「で、結局…美月の逆ハーの件で何かわかったのか?」

「はい~、わかりましたよ~」


 ニコニコ笑顔の宏美に、郁人は不安を覚える。郁人は緊張の面持ちで、宏美の発言を待っている。宏美は腕を組み、瞳を閉じる。


「逆ハーの件ですが~」

「……」

「どうやら、あれは事実のようですね~」


 ニコニコ笑顔でそう言い放つ宏美に、郁人はやはりかと、下を向き苦渋の表情を浮かべている。


「はい~、美月さんは、逆ハーを目指しているようですね~」

「やはり、そうか…では、俺も逆ハーのメンバーになるしかないという事か?」

「いえいえ~、それは駄目ですよ~…それにですね~…いいですか~…郁人様、衝撃の事実をお伝えしなければいけませんよ~」


 宏美は、真面目な表情を浮かべる。いつものニコニコ笑顔ではない宏美の様子に、郁人も、ただならぬ気配を感じる。


「どうやらですね~…夜桜さんは転生者だと思うんですよ~」

「は?」


 真剣にそんなことを言い出す宏美に、郁人は唖然とするのである。そんな郁人を無視してドヤ顔で話を続ける宏美である。


「たぶんですね~、ここは乙女ゲーの世界で、夜桜さんは、もともと悪役だったんですよ~」

「はぁ」

「そして、破滅を逃れるために、逆ハーを目指してるんですよ~」

「なるほど……あるあ…ねーよ」


 宏美の渾身の推理に、郁人は完全に否定する。意味がわからんと思っているのである。


「ですよね~」


 やはり、宏美もニコニコ笑顔で冗談だとネタ晴らししている。郁人は頭を抱えて呆れかえる。


「でも、夜桜さんは、逆ハー状態ですよ~…本人が望もうと望むまいと…そういうことですかね~」

「どういうことだ?」

「フフフ、とにかくですね~…郁人様は、今のまま、アイドルをやってくれればいいんですよ~」

「いや、だから、俺は、そんなものになった覚えはないんだが…」


 宏美は、ニコニコ笑顔でそう言い放つ、呆れかえる郁人は、ため息をついている。


「まぁ、郁人様が、学園のアイドルをしてくれれば、夜桜さんと裏でどうなろうと問題ないですからね~…でも、学校では、夜桜さんには接触禁止ですよ~」

「なんでそうなるんだよ?」

「言ったじゃないですか~…夜桜さんは逆ハー状態で、郁人様は男子に嫌われているのですよ~…そこのコミュに入れるとでも思っているんですか~?」

「それは…」


 宏美の発言は、確かに的を射ている。男子生徒に嫌われている郁人が、男子の輪に入れるはずがないのである。ぐぬぬとぐうの音も出ない郁人なのである。


「大丈夫ですよ~、郁人様が、学園のアイドルをしてくれるなら、この不肖、細田宏美も、夜桜さんとの関係発展のお手伝いしてあげますよ~…それに……今度こそは、絶対に失敗したりしませんからね~」


 ニコニコゆるふわ宏美の瞳は決意に満ちている。どこか遠くを見ている宏美の姿は、いつもと違っていた。後悔と懺悔の込められたこの発言は、郁人にとっては悪魔の契約である。郁人は、そんな宏美を真剣な眼差しで見つめ返す。


 そして、宏美の提案を、首を振って拒否する郁人なのであった。


「大丈夫だ…美月とのことは…俺が何とかする…大丈夫…なんとか逆ハーの一員になれるように努力してみせる」

「えっと、郁人様…それは、本当やめてください~…戦争が起きますよ~…あちらは、やる気満々ですよ~」


 郁人は、宏美の報告でさらに、美月の逆ハーメンバー入りの努力の決意を固めてしまうのである。先ほどの宏美から、ゆるふわに戻った宏美は、そんな郁人を必死で説得するのであった。


 そして、そんな中、空き教室の外で、ひっそりと聞き耳を立てていた人物がいたのであった。


「本当に…夜桜さん、夜桜さん……みんな夜桜さん……絶対に、夜桜さんには負けない。負けたりしない」


 梨緒は、そう決意を固めて、その場を後にするのだった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。ぜひとも、ブックマーク、評価よろしくお願いします。


さて、宏美に少しスポットライトをあててみましたが、どうだったでしょうか? 実は結構いい子なので気に入っていただけると嬉しいです。少し不安のヤンデレ梨緒ですが、大丈夫きっと流血事件は起きないですよ…たぶん…ですけどね。


次回は、美月視点です。衝撃の事実(誤解)をしてしまった美月と、政宗と浩二のやり取りの予定です。


では、次回の更新もよろしくお願いします。


最期に、ぜひブックマーク、評価よろしくお願いしますね。

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