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ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、  作者: 涼風悠
ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、いつも一緒に居たいのですが、環境がそれを許しません。なんとかなりませんか。

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ギャルゲの主人公と乙女ゲーのヒロインは、勉強が得意なのである。その9

 まさか、月曜日ではなく金曜日が絶望的な曜日になるとは思いもしなかった郁人とゆるふわ宏美なのである。結局、郁人もゆるふわ宏美も、梨緒達に美月も来るという事を伝えられないままに、午後の授業を迎えて、五限目の授業を終えての休み時間に、素早く郁人の席に向かうゆるふわ宏美なのである、


「どうするんですか~……美月さん…昨日珍しく……いえ~、初めて通話で機嫌悪かったですよ~」


 深刻そうな表情で、両手を組んで口元を隠してシリアス雰囲気の郁人に対して、困り果てているゆるふわ宏美はそう言うのである。


「そうか……昨日…その話をした後、ずっと、ベッドで不機嫌にしていたんだよな…話しかけても寝たふりしてたし…帰る時間になっても、寝たふりしてベッドから出てこなくてな…何とか必死に説得したが……美里さんに怒られてしまった」

「そ、そうなんですね~……では、郁人様…やはり考え直しませんか~?」


 郁人とゆるふわ宏美は、明日の勉強会の話題で盛り上がる梨緒達集団の一角を見て困り果てるのである。彼女達もまさか、美月が来るとは夢にも思っていないのである。


「いや……さすがに今から中止は無理だろ…それに美月…行く気みたいだしな」

「それですよ~……どうするんですか~……絶対修羅場になりますよ~」

「……ゆるふわ……任せた」

「な、なななな、わ、わたしぃに丸投げしないでくださいよ~!! 郁人様がどうにかしてくださいね~」


 郁人がしれっとゆるふわ宏美にそう言うと、わなわなと震えながら郁人に詰め寄るのである。


「とにかくだ……集合は確かゆるふわの家に11時だったな?」

「はい~……その予定ですよ~」

「なら、1時間前の10時に美月達とゆるふわの家に行って、自然に梨緒達を迎えれば、美月が居ても自然だろ? 完璧な作戦じゃないか?」

「郁人様……本気で言ってますか~? 本気で言ってるんでしたら~、良い病院を紹介しますよ~」


 郁人がドヤ顔でそう言い放つと、ゆるふわ宏美は、怒りのゆるふわ笑みを浮かべて猛烈な皮肉で返すのである。


「ダメか?」

「ダメですよ~!! ダメに決まってるじゃないですか~!!」

「そうか…じゃあ、ゆるふわ…あいつらに、美月が来ること…お前が伝えてくれよな…任せたぞ」

「なななな、なんでそうなるんですか~」

「だって…お前…この作戦が嫌なら…梨緒達に伝えるしかないだろ…明日美月も来るって」


 そう言って、郁人とゆるふわ宏美は、梨緒達の方を見るのである。本日はずっと、明日の話で盛り上がっている梨緒達の方を見て、ゆるふわ宏美は、恐怖で身震いするのである。


「無理ですよ~……今…わたしぃ…想像の中で死にましたよ~!!」


 明日美月さんも来るんですよ~と梨緒達に伝える想像をしてゆるふわ宏美は、自分がリンチされる姿が浮かび恐怖で身震いするのであった。


「じゃあ…明日10時にゆるふわの家に行くからな……その後は、出たとこ勝負だ」

「それ~…行き当たりばったりで作戦でもなんでもないですよ~」

「大丈夫だ……最悪の場合はゆるふわが美月を連れて、別の部屋に行けば…大丈夫だろ」

「……郁人様が居て~……美月さんがそれで納得すると思いませんが~」

「大丈夫だ……俺も美月とゆるふわについて行くから」

「それ~!! 大問題になりますから~!! 事件が起こる未来しか見えませんよ~!!」


 完全に無自覚な郁人に呆れ果てるゆるふわ宏美は絶叫するのであった。こうして、自然に美月がその場に居る作戦でゴリ推すことにした郁人とゆるふわ宏美なのであった。







 そして、本日の放課後も、美月は不機嫌に郁人の部屋に遊びに来て、ずっとベッドでふて寝をして、郁人は緊張の時間を過ごすことになるのであった。結局、今日も美月は、寝たふりをして、帰らない美月を必死に説得して、美月を家に帰すのが遅くなってしまった郁人なのであった。


 そして、緊張の土曜日を迎えるのである。郁人は早く起きて、日課のランニングに出かけて、朝のシャワーを浴びて、容姿を整えて準備を進めるのである。


「兄貴……姉貴たちが泊まりに来るからって…そんな気合入れなくてもいいだろ」


 緊張の面持ちで、洗面所で髪をセットしている郁人を見て、雅人はそうぼそり言うのであった。


「雅人……頑張ってくるからな」

「え? はぁ~…ど、どうしたんだ? 兄貴?」


 そう雅人に今から戦場に向かう戦士の表情で言い放ち、洗面所を出て、階段を上り自室に向かう兄の郁人の背中を、疑問気に見つめる雅人なのであった。


 そして、郁人は早めでも大丈夫だろうと9時に美月達と家の前で待ち合わせをしていて、郁人は10分前に家を出ようとすると、その時、両親達に今日は美月達が泊まりに来るのにどこに行くのかと聞かれて、郁人は戦士の表情で、地獄に行ってくると厨二よろしくなことを言い放ち家を出るのであった。


そして、郁人は緊張の面持ちで待つと、待ち合わせ時間の五分前に美月達が家から出てくるのである。


「お姉ちゃん…ほら、もうお兄ちゃん待ってるじゃん…そんなに気合入れなくてもいいでしょ……で、結局…今からどこに行くわけ?」

「いいから……美悠は黙ってついてきて」


 不機嫌な美悠に、不機嫌な美月がそう言い合っているのである。そんな二人を見て、郁人の緊張感は最高潮である。


「お、おはよう…二人とも……今日はすまないな…急に予定変更してしまって」


 郁人はそう言って謝ると美月は不機嫌なジト目で郁人を見て、プイっとそっぽを向くのである。


「え? え? どうしたの? ねぇ…お兄ちゃん…私、今からどこに行くか聞いてないんだけど…どこに行く訳?」

「え!? 美悠ちゃん……美月から聞いてないのか!?」


 美悠にそう言われて、驚きの表情を浮かべて郁人は美月を見るのである。美月は不機嫌なジト目で郁人を見て、また、プイっと視線を逸らすのである。


「お……お兄ちゃん…お姉ちゃんと喧嘩でもしたの!?」

「あ…い、いや…そういう訳じゃないんだがな……その、今から、友人の家に行く予定でな」

「……え!? お兄ちゃんの友人!?」

「違うからね…私の親友の家に行くんだよ!!」

「……お姉ちゃんの親友!? 嘘でしょ…お姉ちゃんとお兄ちゃんに友達がいる訳ないじゃん…本当はどこに行くの」


 辛辣な美悠にそう言われて、黙り込む郁人と美月なのである。まさか、美悠にそんな風に思われていたとは思わなかった二人は地味に落ち込むのである。


「と…とりあえず、俺のクラスの人達と勉強会をすることになってな」

「……え? なんでそんな話になってるの!? お姉ちゃん!?」

「…知らないよ…郁人に聞いてみたらどうかな?」


 そう急に言われて戸惑う美悠なのである。とりあえず、勉強道具は持って来いと美月に言われたから持ってきている美悠だが、そんなことになるとは思っておらず、姉の美月に疑問を口にするが、美月はジト目で郁人を見て、辛辣にそう言い放つのである。


「い、色々あってな……ごめんな…美悠ちゃん」

「べ、別にいいけど……お兄ちゃんのクラスの人達の所に行くの? 私邪魔じゃないかな?」

「い…いや、美悠ちゃんも誘って欲しいって言われてな……と、とにかく行こうか」


 必死に誤魔化して、郁人は歩き出すのである。そんな郁人をジト目で見つめる美月は、トコトコ小走りで走って、不機嫌に郁人に手を出すのである。


「ん!!」

「ど、どうした美月!?」

「んん!!」

「あ…ああ……わかった」


 美月が不機嫌に手をつなげとアピールしてきたことに気がついた郁人は、美月と手をつなぐのである。しかし、手をつないでも、美月は不機嫌なままなのである。困り果てる郁人の隣に美悠も来るのである。


 まさに両手に花状態の郁人なのである。緊張から胃がキリキリする郁人なのだが、そんな時、郁人のスマホに通話がかかってくるのである。ポケットから取り出してスマホの画面を見るとゆるふわ宏美からの通話だったので仕方なく通話にでる郁人なのである。


「い、郁人様!! 大変です~!! 梨緒さん達がもうわたしぃの家に来てしまいまして~!!」

「な、なんだと!? まて、まだ、待ち合わせには早すぎるだろ!?」


 ゆるふわ宏美が焦った声で、通話で郁人に伝えると郁人も焦りだすのである。


「た、楽しみすぎて早く来てしまったらしくてですね~…ど、どうするんですか~!?」

「仕方ない……ゆるふわ…今から、美月も来るって梨緒達に伝えてくれ」

「無理ですよ~!! そ、それより、郁人様…今日は来ない方がいいんじゃないですか~?」

「……ゆるふわ…それで、俺達は無事に月曜日を迎えることができるのか?」

「………………ど、どうするんですか~!?」

「とりあえず、今そっちに向かってるから…何とかしといてくれ…任せたぞ…ゆるふわ」

「ちょ…待ってくだ……」


 何かを言おうとしたゆるふわ宏美を無視して郁人は通話を切るのである。そんな郁人を疑問顔で見ている美悠と、ジト目で不機嫌に見つめる美月なのである。


「………い、行こうか」


 そう言ってスマホをポケットにしまって、苦笑いを二人に浮かべて、地獄のゆるふわ宏美の家に向かって歩き出す郁人なのであった。美月はそんな郁人をジト目で見つめながら、恋人繋ぎで握っている郁人の手を力いっぱいに握り締めて、不機嫌に黙ってついて行くのである。


「……お、お兄ちゃん……その…私、本当について行って大丈夫なの!?」

 不安になった美悠に、郁人は苦笑いを浮かべて、たぶん大丈夫と言うのである。その言葉に滅茶苦茶不安になる美悠は、物凄く行きたくなくなり三人の足取りは重くなるのであった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。ぜひ、ブックマークと評価もよろしくお願いしますね。


さて、恐ろしいことになってきましたね。ゆるふわ宏美の家で梨緒達と美月が出合うことを考えたら、修羅場になる未来しか見えないのである。郁人……お前…本当に大丈夫なのか!?


次回は、ついにゆるふわ宏美の家にたどり着いてしまった郁人達…果たして、どうなってしまうのだろうか!?


では、次回の更新もよろしくお願いしますね。

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