第2話 パラダイス計画
つつがないのんのんとした日々を過ごしていた。
「白瀬よ」
「なんですか先生」
「暇だな」
「そうですね」
「どうするよ我らが人生」
「そんなスケールアップして考えてたんですか」
「そういうもんじゃないか、なんか小さいことをしていると、反対にある大きなことに目が行くんだよ」
「そうですか、では今の退屈をどうするか、考えますか」
「そうだな」
「まずゲームをなさるというのがありますが」
「それは毎度のことで、そこにスケールの小ささを感じてしまってここに行き着いたってわけなんだよ」
「それは先生がぼっちゲーマーだからですよ」
「え?いやいやぼっちゲーマーなわけないでしょう」
「じゃ、フレンドリスト見せてください」
「えー、ごめんこの有様だよ」
そこにはフレンド0と書いてあった。
「ほら、これだからゲームにも愛想つかしてしまうんですよ」
「じゃあ、ゲームフレンズができれば楽しくなるって保証あるのか?」
「そうですね、今よりは楽しくなることは間違いないでしょう」
「その根拠は?」
「それは競い合ったりするので、感情が多く生まれるんですよ」
「なるほど、みんなでゲームすればワクワクやドキドキ、はたまた恋愛感情にまで発展する可能性があるというのか」
「えっと、それはわかりませんが」
「なんだ、なきにしもあらずか?」
「なぜ真に迫って聞いてくるんですか」
「そうすればゲームをする気が断然上がると思ってな」
「ゲーム夫妻というのはニュースで先日見ましたよ」
「そんな夢のような関係性があるのか、してどんな生活なんだ彼らは」
「ゲームフェスやゲームコスプレにゲームランク大会に出ていますね、そして仲間と交流したり、家で仲良く協力プレイしたりしてるみたいです」
「そうか、いいなそれ、実に夢ある生き方だな」
「先生もそういった、遊び浸けの生活がお好みなんですか?」
「ああ、遊びに全ての闘志を燃やして生きたいよ、毎日がもう飽きることない、驚きと、興奮と、楽しさの連続のような、そんなドッキッドッキのメモリアルを刻みたいね」
「そうでしたか、立ち上がってまで言われると、なんかもう行けそうですよ、きっと」
「そうか、応援してくれるか」
「ええ」
「で、どうすればそんな遊びパラダイスな毎日を過ごすことができるんだ」
「その夫妻からアイデアを借りると、まずゲームが上手で、人を引きつける力があることが必要です」
「なんだと、もうどっちもない場合はどうするんだ」
「先生の場合ですと、ゲームもそこそこで、人前では上がってしまう、総括して情けない人ですよね」
「その、そこまで言わんでくれよ、紳士的にオブラートにもっと、こうあるようでないような断言しない感じに言えんものかね」
「そのような言葉は持ち合わせておりません」
「まったく優しさにかける生き方をしてきたんだな、もっと根深く生きることだな」
「なぜそこまで言われないといけないんですか、まったく、まーいいです、とにかく今は先生の今ある状況からのその最高の場所まで行ってみましょう」
「おお」
そして"人生全期間ゲームとアニメ"というパラダイス計画が始まった。
「それでパラダイス計画を進めるんだが」
「はい」
「どうすればいいんだ」
「まずはゲームの知識とアニメの知識をとことん持ち合わせていることが大事でしょうね」
「私の学校の成績表なんだがな、オール3だったんだ」
「つまりなんですか?」
「だからその取り立てて、覚えがいいわけじゃないんだが・・・」
「特訓です!まずは書いて覚えてください、暇があったら読み返して、頭に叩き込んでください!」
「うそだろ、しかし夢のためか」
「攻略本買いに行きますよ!」
「わかった、なんとしてもパラダイス計画を成功させるぞ!」
「はい」
そして攻略本を手に入れた。
まずは大手メーカーのモンスルハンターというクリーチャーバトルもののゲームの知識を隅から隅まで記憶する期間が始まった。
「なー白瀬よ」
「なんです」
「記憶の簡単な方法はないのか」
「そうですね、覚え方としてはインパクトで覚えるというのが一番長く覚えれますよ」
「そのつまり?」
「まずクラッカーを用意します」
「はい」
「そして胡椒を空気中に振りかけます」
「え?」
「そしてクラッカーを引きます」
ドン!
「え?嘘だなんだ!爆発したぞ」
「今です先生、その状況からモンスター図鑑に目を通してください」
「え?うそ、髪燃えてるんだけど!!」
「いいから早く!!!」
「わかったよ!!!ドスランポ!!ヤックルー!グランミラボス!!!!」
「いいですよ!!!さらにクラッカー行きます!!!」
「え!!!!!まてまて!!!!」
ドン!!!!!!
「はい読んで!!!!」
「君はスパルタンか!!!!!!!」
「いえこれはサイエンスと勉学のマッドスタディー!!れっきとした教育です!!!」
「なわけあるか!!!!!ミラバレアス!!!!コング!!!プテラノドーン!!!!」
「いいですよ!!!!!!」
「ああ!!!!」
そしてマッドスタディーは終わった。
「私の大切な髪の毛が...二センチは燃えたぞ....」
今回はここまで。