第4話「依頼」
「じ、じゃあそこにいる彼女は……その……貴女のことが好きなんですか……?」
「うるさい、その通りだ。それで……こいつが起きる前にさっさと本題に入ろうか。」
恥ずかしさのあまり、無意識に言葉が乱暴になってしまった。
ほら、ノイシャが怯えてるじゃないか。
別に私がなんて言ってもおどおどしてそうな気もするが……。
「は、はい……そうですね、では帝国軍のガラス・ログス軍隊長からの依頼をお届けします。」
あれほど国には関わらないと言ったはずなのに、のこのこと依頼を寄越すとは傲慢な連中だ。
私は湧き上がる苛立ちを隠せずつい舌打ちが飛び出る。
「ひっ……⁈」
それに呼応するかのように、ノイシャが小さく悲鳴をあげ、私は我に帰る。
そうだ、ここでキレてもどうしようもない、悪いのは帝国で、目の前の少女ではない。
「すまない、続けてくれ。」
「は、はい……。えと…今、世界中で精霊の浪費による《赤い空》や魔獣の最高位である《魔王》の出現、これに対する帝国の対処についてなんですけど……。」
「それで…?なぜ私なんだ。魔王の対処程度なら、帝都に幾らでも代わりがいるだろう。」
実際、帝国に在住している英雄級の人物は他の国の追随を許さぬほど、わざわざ隠居人である私が動く理由など皆無に等しいはず……。
いや、ちょっと待て。私の記憶の中で、今なにかが引っかかった。
すぐには浮かんでこないのだが、なにか物凄く重要なことな気がする。
そうやって私が数千年の記憶を引っ掻き回しているところに、ノイシャが小さく、しかしこれまでで一番真剣な声色で、答えを提示した。
「貴女にしか出来ないと、帝国が仰っていました。今回私たち帝国軍が依頼する内容は……、」
「七人の英傑を探し出すこと、です。」