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72.ダンジョン攻略


げんき、楓、椿の3人は、いつも通りに朝ごはんをみんなで食べた後、

樹の亜神ダンジョンの31階層に来ていた。


「今日で、50階層までクリアしたいね〜」

「行けたらいいねー」

「怪我したりするなよ」


31〜40階層には、レベル41〜60のモンスターがいた。

主に、ウッドドールナイト、イートフラワー、

稀に、ウッドバタフライ、ウッドドールと遭遇した。

ほとんどが複数で徘徊しており、下の階層に降りていく程、数が増えていき、40階層では、最大10体のモンスターの集団に遭遇した。


げんきたちからすれば、いくら数が多くても、60レベル程度の敵からの攻撃を受けたとしても、傷や怪我を負うことはまず無い。

それ程までに、エンフィスでは、肉体的な事に関しては、ステータスの数値が全てなのだ。


とは言え、エンフィスで、亜神ダンジョンの31〜40階層を攻略するには、人種なら、レベル60前後の6人以上のパーティーが、必要だと、推奨されている。


げんきたちは、エンフィスでの常識など、知るわけも無く、3人で、40階層のボス部屋まで、一度の攻撃を受ける事なく、たどり着いていた。


げんきたちは、1時間と少しで、31〜40階層を攻略していき、ボス部屋までたどり着いたが、

一度以上亜神ダンジョンを攻略した事があり、レベル100前後の力のあるパーティーだったとしても、げんきたちと同じ時間で、31〜40階層を攻略するには、犠牲覚悟で、突き進んで行かなければならないほどの時間で、3人は攻略していった。



「次のボスは何かなー」


椿は、今までより、強くて、数の多い敵を倒しまくって、機嫌が良くて、40階層のボスを楽しみにしていた。


「なんか椿、楽しそうだな」

「ずっと戦ってたから、ハイなんじゃないかな〜」

「あー、なるほど。いつの間にか、戦闘狂になってきてるのは、俺の気のせいかな?」

「身体を動かせて、気分がのってるだけー」


げんきと楓が、椿を戦闘狂と言っていたら、椿が慌てて、否定していた。

げんきと楓は、椿の慌てた姿を見て、笑い出した。


げんきと楓の笑いが収まったところで、げんきがボス部屋の扉を開けて、入っていった。


ウッドゴーレム レベル78

3メートルくらいの全身木で出来ている人型の魔物


「ノーマルか」

「1回目だから仕方ないよ〜」

「じゃあ、アイツ倒してくるねー」


げんきが、レベルを伝える前に、椿が飛び出していった。


「いっちゃったよ……」

「いっちゃったね〜」

「周りの雑魚の処理くらいしてあげようかな?」

「そうですね〜」


ボス部屋には、ウッドゴーレム一体、ウッドドールナイトレベル60が10体いたので、

げんきと楓は、椿がウッドゴーレムと一対一で戦いやすいように、ウッドドールナイトを全てげんきが風魔法で吹き飛ばし、楓が火魔法で燃やして、倒した。


普通なら、ウッドドールナイトと戦っているところに、ウッドゴーレムが強力な一撃を放ってくるなど、単純ながら、ウッドゴーレムの高い攻撃力を生かした戦法で、パーティーを分断されたりして、苦しむところだが、3人には関係なかった。


ウッドゴーレムは、HP、攻撃力、防御力が高いが、動きは、ウッドドールナイトよりも遅く、単独では、強力な一撃さえ気を付けていればいいので、攻略するなら、ウッドドールナイトを全滅させて、ウッドゴーレム一体にすれば、楽に倒せるモンスターなので、

椿は、自身の素早さを生かして、ウッドゴーレムを斬り刻んでいった。


「思ったよりタフだったな」

「弱点がわからなかったからね」

「途中でコア見つけたのに、ゴーレムをバラバラにしてたよね〜」

「気のせいだよ……」


ゴーレムは、身体のどこかにあるコアを破壊できたら、簡単に倒すことが出来るのだが、

椿は、途中でコアを見つけたのに、破壊せずに、ウッドゴーレムをバラバラに分解して、倒した。


宝箱は、初めて見る銀色の小さな宝箱だった。


中身は、これまでと同じようなものばかりだったが、品質の良いものや上位のものだった。

げんきが気になったのは、2つのビー玉くらいの透明なの玉だった。

マジックバッグに入れると、ゴーレムコア、と出ていた。

ゴーレムコアがあれば、ゴーレムを造ることが出来るようになる、とげんきは、喜んでいた。


げんきたちは、その後、13回ウッドゴーレムを倒して、14回目で、レアボスを引き当てた。


ジャイアントウッドゴーレム レベル107 109 R

10メートル以上の木で出来た巨人


「デカイね〜」

「最初は、ぱっと見わかんなかったからな」


3人は、最初に見た時は、またか、と思っていたが、ボス部屋の広さが変わって、奥にいたジャイアントウッドゴーレムが、近づいてくるにつれて、違いに気がついた。


二体いたので、一体は椿が倒すと言っていたので、一体をげんきと楓が、近づいてくる前に、火魔法で、燃やし尽くした。


ジャイアントウッドゴーレムは、大きくなって、HP、攻撃力、防御力は、倍近く上がっていたが、動きは、より遅くなっていたので、椿の攻撃を受けるだけで、サンドバッグ状態で、バラバラにされて、最終的には、頭部だけになって、頭部を真っ二つにされて、倒された。


げんきと楓の倒した方から、樹魔石とゴーレムコアがドロップしていた。


宝箱は、金色の小さな宝箱だった。


中身は、植物の種10個、中サイズの樹魔石2つ、ゴーレムコア10個、杖1つ、本が2冊、金貨の入っている袋4つだった。


「金貨は初めてだね〜」

「この本、スキルブックみたいだな」

「これが、スキルブックなんだ。普通の本みたいだね〜」


3人は、初めて見るスキルブックを見ていた。


「樹魔法、栽培のスキルブックみたいだな」

「樹魔法は、誰もいらないね〜」


スキルブックは、本に魔力を流して、本をめくるだけで、表紙に書いてあるスキルを習得出来るマジックアイテム。

ただし、一度使うと、元には戻らない消費アイテムである。


げんきたちは、レアボスも確認したので、階段を降りていき、41階層に着いた。


お昼ごはんくらいの時間だったので、3人は、転移陣に登録を済ませて、そのままテントに戻っていった。


げんきたちは、みんなで、お昼を食べた後、アエリスと話したり、ピーチたちと触れ合ったりしてから、樹の亜神ダンジョンに戻っていった。


41階層には、主に、ウッドドールナイト、ウッドビッグバタフライ、イートフラワー亜種が徘徊していた。


「マジか……」


げんきは、マップでモンスターの確認と階段をしていたが、マップに表示されている41階層の広さが、これまで一辺3キロメートル程度の正方形に近い形だったのが、一辺10キロメートル程度の正方形に近い形に変わっていた。


「ここで、難易度上げてくるんだね〜」

「めんどいなー」


げんきは、楓と椿に、マップでわかったことを伝えると、階段に向かって、進み始めた。


これまで、マップで階段の位置を確認して、最速で進んでいたのと同じように、どんどん進んでいった。


46階層からは、ウッドドールナイト亜種、トレントも遭遇し始めた。

41〜50階層のモンスターは、複数体で徘徊していて、レベル61〜90と、一気に強力になってきた。


それでもげんきたちは、41階層から50階層のボス部屋まで、3時間かからずに到着していた。


道中は、階段だけを目指して進んでいき、遭遇するモンスターたちは、椿が片っ端から倒していった。


「案外、楽にここまで来れたな」

「椿ちゃんが、戦闘狂で良かったね〜」

「戦闘狂じゃないから!」

「いっぱい倒してくれて、ありがとう」


ボス部屋の扉の前で、3人は、軽く休憩をして、

げんきが、ボス部屋の扉を開けた。


「広すぎだろ」


ボス部屋の広さは、一辺3キロ程度の正方形に近い形、とダンジョンの1階層に匹敵するほどの広さがあった。


「ボスどこ?」

「ボスは、あの森の中で一番デカイ木だな」


ジャイアントオールドトレント レベル173 R

50メートル以上ある木のモンスター、身体の大きさと顔にヒゲがあるのが特徴


げんきは、2人に眼で見たことを伝えた。


「おっきいー」

「んで、周りの森に見えるのが、レベル70くらいのトレント」

「森全部?」

「全部」


げんきたちは、ボスに近づいていき、ボスまで、1キロメートルくらいの距離まで近づいて、話していた。


「レアボスなのは嬉しいけど、トレント多すぎだろ!全部で、200近くいるぞ!」

「まぁ、森に見えるくらいいるんだから、しょうがないよね〜」

「で、どうするの?げんきが、デカイの一撃かます?」

「んー………みんなで、森ごと燃やすか?」

「いいねー!3人でインフェルノに賛成ー」

「私も賛成〜」

「んじゃ、2人は、デカイ木を中心に、俺は、デカイ木を中心に森も範囲に、最大火力のインフェルノを叩き込むってことでいい?」

『了解〜』


3人は、作戦が決まると、すぐに動き出した。

ジャイアントオールドトレントを中心にするには、最低でも敵の300メートル近くまで近づいて行かないといけないので、ガンガン距離を詰めていった。


ボスの300メートル圏内に近づくと、トレントたちから、遠距離攻撃の葉っぱを飛ばしてくる攻撃が飛んできたが、げんきの結界に阻まれて、一発も命中しなかった。


「じゃあ、3、2、1、0」


3人は、ボスまで250メートルのところまで近づいて、げんきのカウントダウンで、一斉に、最大火力のインフェルノを放った。


「さすがにタフだね〜」

「レアボスだからな」

「でも、もうボロボロだけどね〜」

「倒してきていい?」


げんきが、椿にいいよ、と言おうとした時、

げんきたちのインフェルノで、ボロボロになっていたジャイアントオールドトレントの周りに、トレントが新たに追加され出した。


「めんどいなー、一発デカイの打つから、2人は、少し離れてて」

『了解〜』


2人はげんきの魔法に巻き込まれないように、げんきから200メートル近く距離をとった。


げんきは、2人が離れたのを確認してから、最大火力のインフェルノを4連続で放ち、風魔法のハリケーンをトレントたちを囲むような形で発動させた。


トレントたちやジャイアントオールドトレントは、ハリケーンによる風の壁で逃げられないまま、ハリケーンの内部で、炎に焼かれていった。


げんきは、マップで、部屋内のモンスターの反応が無くなったので、ハリケーンを解除した。

げんきがハリケーンを解除すると同時くらいに、一辺300メートルくらいまで、ボス部屋が縮んでいった。


『すごいね〜』

「まぁな」


げんきは、2人に褒められて、恥ずかしそうにしていた。


ボスのいた場所に、ドロップと宝箱が出現した。


「どっちも派手だな」


ボスのドロップは、巨大な樹魔石、金色の実、

宝箱は、大きな金色の宝箱だった。


宝箱中には、ジャイアントオールドトレントの丸太10本、枝10本、大量の葉っぱに、弓、杖が1つずつ、白金貨や金貨の入った袋4つ、本が2冊、スキルブックが一冊、他にもポーション、種、苗、魔石などが、入っていた。


宝箱の中身とドロップ品をマジックバッグに入れたら、宝箱が消えたところに、一本の杖が現れて、ボス部屋の中から、「初回討伐ボーナスです」、と声が聞こえてきた。


杖は、マジックバッグで鑑定すると、

妖精樹の賢杖、とわかった。


「なんか凄そうだね〜」

「見た目は、ただの棒だけどな」


げんきたちは、一度ボス部屋から出て、再度ボスに挑戦していった。


50階層のノーマルボスは、

オールドトレント レベル113

と、10体のトレントレベル80だった。


宝箱は中ぐらいの銀色の宝箱で、中身は、これまでとほとんど変わらず、スキルブックなどの珍しいものはなかった。


「確認したし、早いけど帰る?」

「時間あるし、もう少しボス倒したい」

「椿ちゃんは、こう言ってるけど〜?」

「じゃあ、あと何回か、ボス倒そうか」

「やったー」


げんきたちは、その後8回ボスに挑んで、2回目のジャイアントオールドトレントを倒したところで、テントに戻っていった。


宝箱からは、同じようなものを手に入れたが、スキルブックは一冊だけだった。


2回の大きな金色の宝箱からでたスキルブックは、

樹魔法と狩猟だった。


げんきたちは、テントに戻って、アエリスと少しダンジョンの話しをして、晩ごはんを食べて、いつもの順番でお風呂に入ると、眠った。

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