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5.ステータス


創造神が手を合わせた瞬間


げんき達の周りが白くなった。

げんきは慌てて、楓と椿を見てたが、2人もげんきを見ていた。

今分かることは、周りは白くてわからないが、3人はお互いが見えているようだ、という事だった。


げんき達が、すぐにお互いの確認をするというのは、マネージャーとタレントとしての、2年がそういう行動を無意識にとらせていた。


げんきが2人にちゃんと見えているか、聞こうとするより速く、創造神が話しはじめた。


「えーと、驚くのはわかるが、これから話すことが生命に直結することなので、さっきまで透明な膜を白くしただけだ」


げんき達は、説明を聞いて安心した。

ただ、白くなったので3人と横にいた起こしてくれた女の人以外見えなくなり、創造神の位置も分からず、どこ向いたらいいのかわからなかった。

げんきは、創造神はいつも通りの位置だろうと思い、そっちに目を向けた。

その様子を見て、楓も椿も同じ方を向いたのだった。


「うーん………今から説明するのは、個人の能力わかりやすく言えば、ステータスに関することです」

創造神は、どう説明したらわかりやすいのか、言葉を捜したが見つからず、単刀直入に言った。


「【エンフィス】では、自分のステータスを見ず知らずの他人に、知られることはデメリットでしか無く、自分のステータスは基本的に自分でしか見えなくて、他の人にステータスを公開する場合は、ステータスを開いている状態で、手を握ったりなど直接肌同士が触れれば相手にステータスを見せることができます。それでも何があるかわからないので、膜を白くした次第です」


一区切りついたところで、また創造神は手を合わせた。

その瞬間、げんきの前の空中に文字が現れた。


「今、皆さんの前にあるのが、自分のステータスになります。今は、ステータスを開いている状態になっているので、周りの人との接触や他の人へのステータス公開などは、自分の責任で行なってください。では、今から5分あけます。時間になったら声をかけます」


周りが見えなくなっているので、声で判断するように促した。


げんきは改めてステータスを確認する事にした。


ゲンキ

種族

職業

レベル 1

HP 37/37

MP 14/14

攻撃力 12

防御力 14

魔力 10

魔法防御 10

素早さ 11

器用さ 11

運 31

特殊 4


空中にあるので、少し見辛いが自分のステータスを確認した。

運がいいのと特殊が低いのは気にはなったが、種族と職業の横に、何も書いていないことの方が気にはなった。

俺って人じゃないのと考えたりしていたら、楓と椿の目線に気づいた。


「3人でステータス見せ合う?」

『もちろん』

げんきの問いに、楓も椿も即答で返事をした。

2人は手を繋いで、ゲンキの腕に抱きついた。


抱きついて、肌が触れたことで、お互いのステータスが見えるようになった。



カエデ

種族

職業

レベル 1

HP 28/28

MP 12/12

攻撃力 15

防御力 11

魔力 10

魔法防御 10

素早さ 14

器用さ 14

運 10

特殊 2



ツバキ

種族

職業

レベル 1

HP 32/32

MP 11/11

攻撃力 18

防御力 14

魔力 10

魔法防御 10

素早さ 15

器用さ 10

運 10

特殊 2



げんきは2人のステータスと自分のステータスを見比べていた。

自身の運が異常に高いことと種族と職業のことがより気になりはじめていた。


「ステータス見せ合った感想は?」

げんきは率直に聞いてみた。

「げんくんの運高すぎ」

椿は苦笑いしながら、即座にげんきの運についてツッコミをいれた。

「確か……げんくんの運についても気にはなるけど、やっぱり種族と職業が気にはなるかな〜」

楓は少し考えながらも、げんきと同じところが気になっているようだった。


「俺も自分の運については思うとこはあるけどね………種族なし職業無職大丈夫かね、今の状況で無職はなんとなくわかるけど人でもないのかね」

げんきは2人におどけるように言った。

げんきの言葉と様子を見て、2人はげんきの肩を叩きながら笑った。


「他の人がわかんないけど3人を見合った感じ能力は平均15か20なのかな」

「そんなとこかな〜」

「げんくん無職で運が高いだけ、おまけに人でもない、私が養ってあげるよ」

げんきと楓は能力の数値の話しをしていたが、椿はまださっきの笑いを引きずっていた。

「椿ちゃんのいう通り、無職のげんくんは私達で養ってあげるよ〜」

楓も椿に乗って笑いながら、げんきを弄りだした。


げんきは正式にはまだ大学に戻っておらず、12月の末にマネージャーを辞めてからは、バイトもせずに朝からパチ屋に並んだりしていたので、

楓と椿の連携口撃に反撃出来ずにダメージを蓄積していった。


2人の猛攻にげんきが耐えていると


「時間もきたので、ステータスの説明はじめます」


2人は創造神の言葉でげんきへの口撃をやめた。

げんきは見えない創造神に頭を下げた。


「ステータスに関してだけど、今は種族と職業は空欄なのは全員同じなので気にしないでください。種族に関しては次の時に改めて説明します」


げんきは全員同じと聞いて安心した。

椿の方からチッと音が聞こえてきたような気がするが聞こえなかったことにした。


「まずは名前についてですが、エンフィスでは名字があるのは王族や貴族、高い役職など限られた人になるので、皆さんのステータスは名前だけとなっています。名字を持っているとトラブルに巻き込まれたりもしますので、名字を名乗るかどうかは、自分で考え決めてください。名前がカタカナになっているのは、エンフィスに漢字や英語という概念は無いので、申し訳ないです」


げんき達は名字と英語に関して考えていなかったことに気付かされた。

確かに日本人以外も確認していた。


「ステータスに関しては自身が一番見やすいように表示されているため、漢字なども使われていたりもします」


げんきはステータスの表示にありがたいと思うと同時に、異世界の字や言葉など学んだことなどないので、どうしようか考えを巡らせていた。


「次に職業ですが、エンフィスでは職と職業は別なので気をつけてください。職業は自身の能力と経験から就く事の出来るもので、就いた職業によりステータスに補正がかかります。職は就いている職業に関係なく、自身がしている仕事の事を指します。職業冒険者で職冒険者や職業商人で職商人など同じものに就いている人もいますが、職業冒険者で職商人など違うものに就いている人もいます。職業は職の目安になるものと認識していただいて大丈夫です」


げんきは話しを聞きながらも無職の可能性があるということを考えてしまっていた。


「職業は15才以上になると1つは必ず就く事が出来るようになります。職業は条件を満たすことで複数就く事が出来るようにもなります」


げんきは条件と少しぼかしながら言ったことに、対して後から質問しようと頭の中にメモった。

楓も同じように思ったのか一度げんきに目線を送った。

楓の目線に気づいたげんきは楓に無言で頷いた。


「次はレベルだけど、モンスターや魔物を倒したり、本を読んだりして経験値を稼ぐことでレベルを上げる事が出来る。レベルがあがるとステータスの数値が高くなります。HPは左側が現在残っている数値で、右側は最大値になり、攻撃を受けると左側の数値が減っていき、0になると死にます。MPはHPと見方は同じですが、左側の数値は魔法やスキルなどを使うと数値が減っていき、左側が少なくなるほど疲労感が襲ってきて、0になると意識を保つ事さえ難しくなります」


げんきは安全に経験値を稼ぐ方法は色々ありそうだと思いながら、危険が身近なエンフィスでHP0で死と言われ、どこでリスクを追えば3人で安全生活していけるかも質問しようと頭の中にメモっていた。


「攻撃力は物理的な攻撃した時の強さで、防御力は物理的な攻撃を受けた時の硬さで、魔力は魔法的な攻撃した時の強さで、魔法防御は魔法的な攻撃を受けた時の硬さで、素早さは動きの早さで、器用さは細かなことをするのに必要で、運は自身の運の良さです」


創造神はフゥーと大きく息を吐いた。

大きく息を吐いたことに気づいたの両隣の2人だけだった。

何回か短い休憩を挟んでいたが、創造神も疲れてきていた。


「特殊に関してですが、端的に言ってしまえば、ステータスで表せない何かを数値化したものです。皆さんは別の世界の人異世界人ということで、最低でも1以上とはなっています。例えでいいますと、偉大な王や英雄などの血を受け継ぐ者や両親の特殊の数値が合計で5以上の血を受け継ぐ者などは、大抵の場合特殊の数値が1以上になりますが、エンフィスでは特殊の数値が0の人達が

ほとんどです。特殊が0の場合は、ステータスに表示すらされません。皆さんは珍しい存在であることには確かなので注意してください。特殊の数値に関してですが、高ければ高いほど特殊な職業やスキルなどに関する恩恵があります。特殊の数値に関してはレベルが上がっても高くなる事は無く、何かしらの条件を満たすことで高くなります」


創造神は両隣にいる2人に向かって、やりきったーという表情を見せて、もう一度大きく息を吸って話しを続けた。


「とまぁ、ステータスに関しては以上になります。この後はエンフィスに行く為の話しになり、早ければ次の話しが終わって1時間くらいでエンフィスに旅立つ事になります。なので、今から2時間休憩を入れます。2時間の間は膜を解除して、この室内で有ればある程度自由に動けるようになるので、もう一度、エンフィスに1人で行くのか、誰かと行くのか、生命を左右する事になるので、慎重に考えて決めてください。この2時間で決めてメンバーでエンフィスに旅立ち、複数人であればエンフィスの同じ場所に旅立つ事になります。この2時間以降は何があろうと一切メンバーの変更出来ないので気をつけてください。メンバーが決まり次第近くにいる者たちに、メンバーが決まったと声を掛けて貰えれば、先程と同じ透明な膜を声を掛けた者が作ります。膜を作ってしまえば中からは出られず、外からは入って来ることも、外と中では声をかける事も出来なくなります。時間が余っていれば声を掛けた者に対して、今までの説明に対して質問等をする時間に当てていただいと構いません。最初に言った通り、全ての疑問に対して正確な解答を持っているわけでもなく、答えられないこともあるので注意してください。最後に部屋の中央に飲み物と軽食を用意しております。必要で有ればお取りください」


創造神は少し後ろにいたお姉さんに抱きついた。

抱きついた創造神の顔はわかりやすくやりきったーという表情だった。

創造神は抱きつきを解除すると手を合わせて膜を解除した。

解除すると馬鹿でかい砂時計を置くと後ろの扉に入っていった。



げんきは解除された瞬間、2人の腕を掴んでいた。

この2時間は有効に活用しないとダメだと、直感が働きすぐに2人に声を掛けた。


「メンバーは3人でいいか?」

『いい』

2人は即答だった。

「本当にいいのか?俺がヘマしたら2人も巻き込む可能性だってあるんだぞ?」

ちゃんと考えろとげんきはもう一度確認した。

「ヘマするのはお互い様でしょ。げんくんと一緒の方が安心する」

椿はげんきの目を見ながら返した。

「うーん……ヘマしたらしたで他の2人でフォローしたらいいよ〜。今考えても仕方ない!ということで3人で決定〜」

楓もげんきの目を見ながら返して、最後まで言い終わると2人に抱きついた。


げんきは楓と椿の3人でエンフィスに行く事をして決めた。

決めたら即行動に移すべく


「3人で決定したところで、残りの時間大事に使いたいから、俺は飲み物と軽食取ってくるから、2人はこの翼の綺麗な女の人とどこか角場所を確保しておいて」

『了解』

2人はげんきに頷きながら返した。

「という話しになったのですが、いいですか?」

げんきは起こしてくれた女の人に聞いた。

女の人はげんきに無言のまま頷き返した。

「甘いものは好きですか?」

女の人はげんきにすぐ頷き返事をした。


げんきは立ってから周りを見渡して、空いている角を見つけて2人に指さすと、飲み物と軽食のために中央へ向かった。

中央には8人いて、その内2人に話し掛けられたが無視した。

飲み物はブドウの果実水、柑橘系の果実水、牛乳、水があり、

軽食はパン、たまごスープのようなもの、コーンスープ、ビーフシチューのようなもの、クッキー、クレープのようなもの、各種果物があり


果実水が入っている蛇口のついた樽各3キロくらいを、一つずつ選び樽ごと角に陣取っている2人の元まで運んだ。


げんきは女の人に

「果実水でいいですか?あとクッキーとクレープみたいなのでいいですか?」

女の人はすぐに頷き返事をした。

「1人じゃ大変だから椿手伝って」

げんきは椿の返事を聞く前に歩きだした。

椿も何も言わずにげんきの後を追った。


げんきは軽食の近くにいた犬耳の女の人に

「台車や箱はありますか?」

「こちらをどうぞ」

女の人はすぐに横にあった台車をげんきに渡した。

台車は最初に来た時に見つけていたが、1人だと時間がかかる為に椿を連れてきた。

「椿は台車押しながら後についてきて」

「わかった」

げんきは椿に台車を渡し、自分は器を取り、クッキーを一つ器に入るだけほりこみ台車に乗せて、クレープもどきも形が崩れたりしないように4つの器に入れるだけ入れて台車に積み、二段ある台車の上がいっぱいになり、各種果物の入ったカゴを下に3つ入れていっぱいになったので、楓のいるところまで戻った。げんきは帰る途中で手頃な木箱が積んであったので、テーブルにする為2つ抱えて戻った。

椿が台車に積んできたもの下ろしている間に、げんきは追加の木箱2つ運んできた。

「椿もう一回」

「わかった」

げんきと椿はもう一度中央まで戻った。


中央は20人くらいに増えていて、4人組に声を掛けられ無視していも、椿に話しかけ続けていたので、イライラした椿が大きめの声で

「もう決めたんで、信用出来ない他人なんかと行く訳ない!!!」

4人組と声を掛けるタイミング図っていたであろう者達は、一瞬で居なくなり、騒ぎを見ていた周りからの視線を2人で浴びる事になった。


げんきはパンの入ったカゴを1つ台車の上に載せ、スープの味を全て確かめてから、スープのところにあった小さな鍋にビーフシチューを入れれるだけ入れたものを2つと同じように鍋にコーンスープを1つ入れ台車に載せて、2つの果実水を椿に味見してもらい、柑橘系の果実水がいいと言われたので、台車の上に樽を載せて、げんきは木箱2つを抱えて、楓のいるところまで戻った。


げんき達は膜の解除から20分とかからず終えていた。


げんきは木箱2つを女の人の横に下ろして、台車を奥まで入れると

「楓も椿も覚悟はいいか?」

2人はげんきに頷き、腕に抱きついた。


げんきは女の人に

「3人で行くことに決めました」

女の人は頷き、手を合わせた。


げんき達の周囲に透明な膜が張られた。


これでげんき達は3人一緒にエンフィスに行くことが決まった。


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