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4.これからについて


創造神が爆弾を投下して、3分が経ち、創造神が定位置について手を挙げた。


「それじゃあ、3分経ったから、説明続けます」


さきほどの爆弾の衝撃から立ち直っていない者が半分以上いた。

立ち直っていない者も創造神の一言で話すことをやめ、創造神の話しを聞く体勢に戻った。

ただ、2つのグループは膝立ちになって、創造神に対して何か言っているようだった。


げんき達は、創造神が定位置に着く前から、話しを聞く体勢になっていた。

げんき達は、さきほどまでの話しをまとめた後、周りのグループがどんな感じなのかを、3人で見ていた。


創造神は、挙げていた手をおろして、騒いでいようが、説明の続きを話しはじめた。


「えーと、さきほど言った、皆さんが転移してきた経緯、元の世界に帰る方法がない事に関しては、さっき説明した事が事実であり、それ以上の説明も出来ないので、いくら質問させても答えられないので気をつけてください」


創造神は、質問はするだけ無駄だということをみんなに告げた。

それでも何人かは、創造神に何か言っているようだった。


「皆さんのこれからについてですが、【エンフィス】で新たな人生を歩んでいっていただきたい。というより、他に選択肢もないです」


苦笑いしながら創造神は、一通り皆に目を向けた。

創造神は説明を続けようと手を挙げても、他にないとはっきり断言した事で、グループ内で話すことをやめない者達や創造神に何か言っている者達がいた。

創造神の後ろにいた犬耳のおじいちゃんは、そういったグループに対して、明らかに睨んでいることにげんきは、気づいて関係ないが、何故か背筋が寒くなっていた。


創造神は、数組騒いでいることに、気づいていたが話しはじめた。


「いきなり違う世界で生きていく不安はあるとはわかっていますが、どうか受け入れていただきたい」


そう言って、創造神は頭を下げた。

頭を下げた瞬間、皆一様に固まった。

その空気を感じたのか、創造神は、みんなに微笑んでから話しに戻った。


「えーと、これから皆さんが生きていく【エンフィス】について、皆さんにわかりやすい言葉で説明していきますが、わからないことがあれば後で、質問してください」


創造神は後ろにいた犬耳おじいちゃんに一言言ってから話しを再開した。


「【エンフィス】は【チキュウ】の10倍以上の大きさがある惑星です。一言で言うなら、ファンタジーな世界です。皆さんのような人種以外にも、エルフやドワーフ、獣人など色々な種族がいますし、魔法や魔道具なんかもあり、魔物やモンスターと呼ばれるものもいます」


犬耳おじいちゃんが、創造神の横までくると、懐から丸っこい玉みたいなのを取り出した。

おじいちゃんが玉を上に投げると、みんなのいる所の上に、映像が映し出さた。


草原の風景から始まり、街並みと続き、エルフや獣人と思われる人達が剣や弓、魔法を駆使して、ゴリラの手が4本ある魔物と戦って、勝利したところで映像は終わった。


げんきは、映像を見ながら、なんかワクワクするような感覚になっていた。


「うーん……2人とも、どうせ帰れないなら、異世界楽しまない?」

「賛成、せっかくの異世界楽しまないと損だし、さっきの見て、身体動かしたくなってきた」

「私もいいですよ〜。げんくんも椿ちゃんもいるし、魔法使ってみたいし、可愛い女の子いっぱいいそうだしね〜」


げんきは、2人も異世界生きていくことを、受け入れていることを確認した。

ただ、楓が後半言ったことに関しては、聞かなかったことにした。

げんきが映っていたエルフや獣人の女の子が、可愛いと感じていた事も、鋭い楓や椿は感じ取っていた。



映像が終わると、創造神は手を挙げた。


「さきほどの映像は、今のエンフィスの映像です。エンフィスには10個の大きな大陸があり、何百という国や地域があります。国や地域によって、食べ物、建物や服など文化の違いはあります。隣国と戦争している国もあったりと、様々です。全体的に文化様式は、皆さんでいうところの中世ヨーロッパや江戸初期くらいに該当するでしょう」


自分の世界だからか少し興奮気味に話す創造神を見て、げんき達3人はエンフィスに対して、余計に前のめりになっていった。


創造神は3人のことを気づいているのは、わからないが話しを続けた。


「【エンフィス】には、他の世界にはないダンジョンがある。ダンジョンは、それぞれ神が管理をしていて、ダンジョンがあるところに人々が生活しています。人はダンジョンに潜ったり、街の外でモンスターを狩ったり、農業したりと色々な職に就いています。ダンジョンや街の外に出て、モンスターを狩るのは、命の危険と隣り合わせですが、危険の少ない街の中から外に出ないような職に就いて生活することも可能です」


げんき達はダンジョンの言葉のところで、お互い顔を見合わせたが、3人ともワクワクしているようだった。


「【エンフィス】の生活は、モンスターや魔物などの危険と隣り合わせですが、その素材も生活に必要な物もありますし、生活を豊かにしてくれるものでもあります」


創造神は小さな胸を張って、すごい世界でしょと言いたそうにしていたが、後ろにいた妖艶なお姉さんに、一言言われ少し焦りながら

「次の説明の準備があるのでまた5分あける」

また砂時計を出して置くと、すぐに犬耳おじいちゃんと話しをしながら、後ろの扉の奥に入っていった。



げんきは、エンフィスの話しを聞いていけばいくほど気持ちが高なっていた。

元々、異世界に関するアニメや漫画、小説は見たり読んだ数は少ないのだが、気持ちが抑えられなくなりかけていた。


『げんくん?』

2人が同時に問いかけてきた。

げんきは驚きながらも、首を傾げた。

「なんかいつものげんくんじゃないよ〜」

「ニコニコ笑ってるのに、どこか危ない感じ」


げんきも2人に言われ、エンフィスの話しを聞いて、自分一人の世界に入り込んで、周りが見えなくなっていた事に気がついた。


「あぁ………気を遣わせてごめん」

げんきはのめり込み過ぎていた事に動揺しながら、2人に頭を下げた。

「全然問題無し」

「げんくんの意外な一面を見れて満足かな〜」


2人はげんきの珍しく感情が表に出ていたことに、驚きはしたが、すぐにいつも通りに戻ったので安心した。

楓も椿も同じように高揚してはいたが、芸能活動で鍛えられたメンタルで乗り切っていた。

創造神の話しが始まるまで、げんきはさっきのネタで2人からいじられ、おかげで完全に落ち着いた。


他のグループは、げんき達同様、グループ内で話しをしていた。

若い集団のグループは、帰れないと聞いた時とは違い少し明るく、笑顔まじりで話しをしていた。

中年以上や家族のグループは、少し重苦しい空気の中、話しをしていた。



5分が経ち、砂時計が消えた。

消えると、創造神が扉から出て来て、手を挙げた。


げんきは、何回も同じ光景を見ていると、それが当たり前のような感覚になっていた。

そして、当たり前のように創造神の話しを聞く体勢になったが、少し前までとは違い前のめりな体勢ではなかった。


創造神は両手を合わせた。

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