40.修行の成果
森の様子を確認してきたげんきは、テントの外で、一服しながら、アエリスとシロと森について話し合っていた。
「今日から、魔物の勢力争いが始まるの?」
「コングか、オーク次第ってとこかな」
「どういうこと?」
「この湖周辺の中層と奥の下層なら、下層の方が魔物が強いんだけど、縄張り争いに負けて、数を減らして、中層に来たなら、中層の魔物の群れの方が、数が多い事の方が多くて、下層の魔物は、駆逐されるんだけど、今回のコングは、それなりの数がいるから、動きが読めないんだよね」
「なるほど……」
「だから、数で勝るオークの群れでも挑まないかもしれない。でも、住処を取られたオークの群れは、住処を取り戻しに動くかもしれない、ってとこかな」
「うーん……どっちの方がいい、とかある?」
「どっちも微妙かな。とりあえず今日は、狩りに行かない方がいいのは、確かだね」
げんきたちが、森の動きについて話していたら、辺りが明るくなって来た頃に、楓と椿が起きてきた。
楓と椿は、げんきたちに挨拶すると、朝ごはんを作りに、テントに戻って行った。
朝ごはんを食べ終わってから、楓と椿に、森の様子を見てきた事を伝えて、今日は一日修行の予定にしようと、アエリスたちと話し合っていた事も、一緒に伝えた。
楓と椿に、話しを理解してもらって、一日修行に決まった。
それから、げんきたちは、げんきが朝早くにシロと森の様子を確認しに行き、朝ごはんの後に、みんなで話し合って、修行、昼ごはん、修行、晩ごはん、雑談、寝る、というのを繰り返した。
げんきたちが、ゴリラの魔物を確認してから、5日目の朝になっていた。
「今日もオーク、コング、他の魔物も変化なし」
最近のループで、アエリスに森の様子を報告していた。
「ここまで動かないなら、今日か明日から狩りに行った方がいいと思うよ」
「まぁ、そうなるか。ずっとスキルに偏ったままだもんな」
「そうなのよね。付加の期限もあるし、そろそろステータスを上げたいところだしね」
ここ最近、スキルのレベル上げと習得に時間を、全て使っているので、げんきたち3人は、スキルに関しては、急激な成長を遂げていた。
ここで、バランスよくステータスも上げることができたら、と話していた。
「ただ、3人とも、今スキルの修行いいところなんだよな」
「そうね。今日はスキルに当てて、明日からは狩り、ってのが一番いい感じになりそうだね」
「それがいいと思う」
げんきたちは、テントに戻って、楓と椿に、今日はスキルの修行をして、明日からは狩りに行く、と伝えた。
「おー明日から狩り」
「そうですか、スキルの修行気合い入れないとですね〜」
「そういう事だね。今日中にスキルいい感じにして、明日からの狩りにいかしたいな」
朝ごはんを食べ終わった後、
3人は、気合いを入れて、それぞれの修行を開始した。
一日修行して、晩ごはんを食べ終わった後に、げんきたちは、それぞれの修行について話していた。
「俺の方は、なんとか形になったよ」
「結構魔法の種類増やしたみたいだね〜」
「まぁ、色んな状況に対応出来るように、アエリスと相談しながら、攻撃魔法は、弾丸系、ランス系なんかは、威力と射程を考えて、バランスのいいところまではいった」
「おー、後方支援いいね」
「もう、魔法作ってるのは、羨ましい〜」
「魔法を混ぜる、複合魔法のスキルは、習得出来たけど、高レベルの魔法を混ぜるのは、まだ安定しないんだけどね」
げんきの話しが終わると、少し休憩して、次は楓の修行について話し始めた。
「私は、属性魔法は全種類習得して、げんくんと同じ全属性魔法のスキルになったのと、習得してる幻系のスキルは、ガンガンレベル上げして、上位のスキルに変化したよ〜」
「お姉ちゃん、さすがだね」
「やっぱり、種族スキルのレベルは、上がりにくかったの?」
「そうですね〜。幻操術までは、早かったんだけど、幻操金狐になった後は、やっぱり上がりにくいみたい〜」
「そっか。そこも同じか……」
スキルの修行を始めてから、3人で話す時に、話題になっていた、種族スキルは、スキルは違えど、一回変化すると、レベルが上がりにくくなる傾向にあるみたい、と話していた。
「次は私だね!私も、全属性魔法の習得はしたけど、レベルは全然上がってない。けど、その分、近接戦関連のスキルは、ガンガン上げて、ほとんど上位のスキルになったよ」
「ずっとシロと鬼ごっこばっかりしてたのにね〜」
「今日の最後の方は、連勝したんだろ?」
「まぁね。シロの動きの癖をついただけなんだけどね」
「これから武器はどうするの?」
「うーん……オークの武器とカマキリの鎌なんかの、魔物の素材、魔物の持ってた以外の武器を、マジックバッグに入れて、状況に合わせて、使い分けるつもり」
「あー、ジェネラルの大剣もダメだったの?」
「………ダメだった」
椿は、色んな武器を使えるようになってきたら、武器に闘気を纏わせたり、魔法で強化したり、していたのだけど、オークの棍棒やカマキリの鎌腕なんかに、闘気や魔法を使うと、元々、武器が脆いからか、3回攻撃する前に、砕けていた。
ただ、福袋産の武器は、耐えられるようだった。
椿は、せっかく手に入れた武器を、ほとんど壊してしまって、少し落ち込んでいた。
その後、げんきたちで、椿を慰めて、椿がいつも通りになったところで、3人のスキルを確認する事にした。
ゲンキ
種族スキル
《上位竜眼 レベル12》new
《血肉吸収 レベル4》
《飛翔 レベル5》
オリジナルスキル
《ギャンブルルーレット》
ユニークスキル
《色魔 レベル1》
《全属性魔法 レベル30》
《全属性外魔法 レベル1》
《錬金創造(魔道具) レベル1》
《無詠唱 レベル30》 new
《並行詠唱 レベル30》 new
《即時発動 レベル30》 new
《高速思考 レベル30》 new
《発動待機 レベル30》 new
《複合魔法 レベル10》 new
スキル
《パーティー レベル18》
《運上昇 レベル1》
《上級解体 レベル5》
《マップ レベル30》
《書記 レベル25》
《隠密 レベル20》
《悪路 レベル18》
《索敵 レベル28》
《短剣術 レベル5》
《杖術 レベル7》
《暗殺術 レベル3》
《消音 レベル15》
《魔力操作 レベル30》 new
《魔力制御 レベル30》 new
《並列思考 レベル30》 new
《集中 レベル30》 new
《危険察知 レベル7》 new
《夜目 レベル12》 new
《MP消費減少 レベル14》 new
《テイム レベル1》 new
上位竜眼ー様々なものを見ることができる眼
無詠唱ー詠唱なしで、魔法を発動できる
並行詠唱ー1つの魔法を発動させている時に、他にも魔法を発動させることができる(最大10個まで可能)
即時発動ー魔法を即座に発動させることができる
高速思考ー様々な思考を高速で処理することができる
発動待機ー発動させた魔法を放つことをせずに、待機させることができる
複合魔法ー複数の魔法を合わせることができる
魔力制御ー魔力を制御することができる
魔力操作ー魔力を操作することができる
並列思考ー複数の考えを同時にできる
危険察知ー危険を教えてくれる
夜目ー暗い中での視界を確保できる
MP消費減少ーMPの消費が少なくなる
テイムー魔物を従魔にする事ができる
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
楓
種族スキル
《金狐化 レベル1》
《幻操金狐 レベル8》new
《幻魔法(金狐)レベル30》new
ユニークスキル
《幻像生成 レベル30》
《幻想術 レベル30》 new
《全属性魔法 レベル8》 new
《無詠唱 レベル7》new
《並行詠唱 レベル12》 new
《即時発動 レベル9》 new
《高速思考 レベル11》 new
スキル
《剣術 レベル1》
《料理 レベル30》
《観察 レベル30》
《調薬 レベル1》
《索敵 レベル28》
《五感強化 レベル30》
《太刀術 レベル18》
《書記 レベル8》
《悪路 レベル12》
《暗殺術 レベル1》
《隠密 レベル6》
《消音 レベル4》
《魔力操作 レベル30》 new
《魔力制御 レベル30》 new
《並列思考 レベル30》 new
《集中 レベル30》 new
《見切り レベル14》 new
《逃走 レベル13》 new
《テイム レベル1》 new
幻操金狐ー幻操術の強化版、幻に関するもの全てを操ることができる
幻魔法(金狐)ー幻を作り出す魔法を使用可能(金狐による補正がある)
幻想術ー相手に幻を使った場合に補正がある
見切りー回避する場合に補正がある
逃走ー逃げる場合に補正がある
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
椿
種族スキル
《銀狼化 レベル1》
《身体強化(大) レベル30》
《氷魔法(銀狼) レベル30》 new
ユニークスキル
《闘纏 レベル30》
《武の化身 レベル14》
《魔武装化 レベル18》
《全属性魔法 レベル6》 new
《無詠唱 レベル6》 new
《並行詠唱 レベル4》 new
《即時発動 レベル4》 new
《高速思考 レベル4》 new
スキル
《上級剣術 レベル18》 new
《上級格闘術 レベル30》 new
《集中 レベル30》
《闘気 レベル30》
《身体強化 レベル30》
《索敵 レベル26》
《五感強化 レベル30》
《上級太刀術 レベル30》 new
《書記 レベル6》
《悪路 レベル18》
《料理 レベル30》
《暗殺術 レベル8》
《隠密 レベル26》
《消音 レベル28》
《魔力操作 レベル30》 new
《魔力制御 レベル30》 new
《並列思考 レベル30》 new
《上級短剣術 レベル14》 new
《上級大剣術 レベル11》 new
《上級棒術 レベル8》 new
《上級杖術 レベル9》 new
《上級鎌術 レベル10》 new
《上級投擲術 レベル7》 new
《テイム レベル1》 new
氷魔法(銀狼)ー氷属性の魔法が使用可能(銀狼による補正がある)
上級の、剣術、格闘術、太刀術、短剣術 、大剣術、棒術、杖術、鎌術、投擲術ーそれぞれの強化版、上級となった事で、それぞれの武器を使った場合の補正が高くなっている
スキルの修行では、
げんきは、魔法関連スキルを習得して、レベルを上げ、ほとんど魔法に特化したが、杖やナイフを使った近接戦もできるように訓練した。
楓は、初めは躓いていたが、金狐の特性である幻関連のスキルと魔法関連スキルを上げて、太刀を使っての近接戦も訓練した。
椿は、武術系のスキル上げ、闘気などの自身の強化系のスキル上げに、近接戦闘に重点を置いて修行して、尚且つ、スキルレベルは低いが、魔法も全属性魔法のスキルや魔法関連スキルを習得した。
「げんくんは、魔法関連のスキル充実しすぎだよ〜」
「やっぱり、ユニークスキルのレベルの差は、5倍と10倍の差が出てるね」
「楓も椿も、自分に合ったスキルの強化してて、近接戦は頼りになりそうだね」
「まぁ、任せてよ!私は近接戦に特化してるようなもんだからね」
「私は、どっちでも出来ますよ〜」
げんきたちは、一様、前衛、中衛、後衛とバランスよく分かれていた。
「ちょっと明日の朝の話ししてくる」
げんきが、タバコに火をつけた時に、アエリスとシロが、手を振っていたので、2人と明日の朝の予定を確認しに行った。
「明日の朝も今日と同じくらいの時間でいい?」
「いいよ。それじゃまた明日ね」
「ギャ」
明日の朝の予定の確認が済むと、2人はどこかに行ってしまった。
げんきが離れて、2人きりになった瞬間に、楓が椿の耳元で、脳筋、と囁いた。
「違うよ、前衛特化だよ」
「の、う、き、ん」
「お姉ちゃん今は……」
「げんくんの前で……」
楓は、最初は椿をからかうつもりだったのに、モジモジして、段々と声が小さくなっていく椿が、可愛かったので、楽しくなってきていた。
「それは……やめて」
「どうしようかな〜」
「お姉ちゃんお願い……」
「最近しっぽ触ってないな〜」
ここ最近、椿はしっぽの手入れに力を入れていて、触らせてくれなくなっていたので、げんきの前で揉みしだいて、
以前のように、椿の反応を楽しもうと思っていた。
「げんくんが、椿は脳筋、なんてイメージがついたら、女として見てもらえないかもよ〜」
「うっ………ここじゃなくてお風呂なら……」
「なら」
そう言って、耳元で2つの提案を囁くと、
椿は、さっきまで触られないように、身体に引き寄せていたしっぽから、手を離して、しっぽを楓の方に動かした。
「前よりフカフカだ〜」
「うっ……お姉ちゃん、もういいでしょ」
「反抗的だな〜いいのかな?もう一個もさせるよ〜」
「あっ…ごめんなさい…それだけは許して……」
「そうね〜。許して欲しいなら誠意をみせないと、だめだよ〜」
「どうしたらいいの?」
「げんくんが戻ってくるまで、声は我慢しないとダメだよ〜」
楓はいい終わると、げんきたちが話しているのを確認して、椿の耳を甘噛みし始めた。
以前と同じように、もう一回、と囁いてからの甘噛みに、しっぽを揉みしだかれて、椿は声を我慢出来なくなっていた。
色っぽい声は聞こえてるけど、楓はげんきが戻ってくるまで、甘噛みを続けて、戻ってきてから、明日の朝の予定の話しをしている間、椿のしっぽを揉んでいた。
「今日はげんくん、先にお風呂入っていいよ〜」
「おっ、珍しい!どうしたん?」
「明日の料理の仕込みをする時間がなかったから、これからしようと思うの〜」
「そういうことなら、先に入ってくるよ」
げんきは、話しが終わると、テントに入っていって、お風呂の用意を持って、お風呂のあるテントに入っていった。
「我慢出来ないのかな〜?」
「もう……許して」
「お仕置きしないとね〜」
その後、げんきがお風呂から上がってくるまで、椿は、キッチンで足腰立たなくなるまで、楓にオモチャにされて、いつかやり返す、と思っていたが、楓には、バレていたみたいで、お風呂に連れていかれ、さっきよりも長く、激しくオモチャにされることになった。
ヘトヘトになった椿は、お風呂から上がって、部屋に入ると、すぐに眠った。
楓は、椿をお風呂から部屋に運んだ後は、げんきの部屋を訪ねて、少しの間、雑談してから部屋に戻って眠った。




