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3.状況説明


創造神が透明な膜を作った瞬間から本当に周りの音が聴こえなくなった。

げんき達も膜が出来た瞬間は動揺していたが、それは他のグループも同様であった。


すぐに落ち着いて、げんきは楓と椿に声が届いて返ってくるのかを確認することにした。

「2人とも、声聞けえてるか?なんか異常があったら教えて」

『大丈夫、ちゃんと聞こえる(よ〜)』

「ちゃんと聞こえるみたいでよかった。一回しか説明ないみたいだから、騒がずに聞くぞ」

2人はげんきに頷きを返して、3人は創造神の方に目線を向けた。



3人が目線を向けて、すぐに創造神の声が聞こえてきた。


「えーと、準備も出来たので、これから説明を開始します」


創造神の声が聞こえてきて、げんきは不思議な感じがしていたが、説明を聞く為に気を引き締め直した。

他のグループも動揺していたところもあったが、なんとも言えない緊張感や周囲の人の目があり、すぐに創造神に向き直っていた。



皆が創造神に向き直ったことを確認した創造神が説明を開始するのであった。


「とりあえず落ち着いたようだな。では説明をはじめる」

そう言って、創造神は改めて一通り皆に、目線を向けた。

「まずは今、目の前に見えている膜についてだが、膜は私の魔法によるものである。さきほど言った通り、膜の中以外の音と私の声以外聞こえなくなるものであるのと、動きに制限があるように言ったのは、膜の中では立ち上がったり、大きな動きが出来なくなっていたり、膜の外に出ることが出来なくなっている。座っていて体勢を変えたりする事は可能だ」

創造神は膜の説明を終えると少し間をあけた。


げんきは体勢を変えることが出来るか、確認していると、楓と椿も少し身体を動かしたりしていた。

げんきは膜が透明なので、他のグループに目を向けると同じように、身体を動かしている人がいた。


創造神が手を挙げてから、話しを再開した。


「えーと、先に申し上げておきますが、質問等は説明が終わり次第、説明に対しての細かい説明は答えられる範囲は答えますが、もう一度説明してほしいや聞き逃したなどは受け付けないので注意しておいて下さい」

げんきは創造神の話しを聞いて、すでにあった緊張感がより圧をましたように感じ、他のグループも黙り、皆が創造神の声に意識を向けていた。


「それじゃ、次に今何が起きているのかの説明をはじめます。今皆さんがいらっしゃるのはエンフィスの世界になります。皆さんにわかりやすく言うと【チキュウ】と呼ばれる世界とは全く異なる世界です。はっきり言ってしまえば異世界と言う事になります」


何やら激しく動揺したグループか少しあった為か創造神は間を挟んだ。

げんき達は驚きはしたものの、どこかやっぱりかと思っていたので、すぐに落ち着いた。


「2人とも異世界的な知識ある?」

間があったのでげんきはすかさず2人に声を掛けた。

「本や小説なんかは読んだことがあるくらいで細かいことは全然かな〜」

「お姉ちゃんと同じで、読んだような気がするってだけ」

「俺も一緒だな」


3人揃って微妙っていうので、げんきが話しを続けようか迷っていると

「パーン」という音が響き

創造神が手を挙げていた。



「そろそろ、話しの続きを話しはじめます。次からは騒いでいるところはほっていくので」


創造神は手を下ろし、隣にいた犬耳のおじいちゃんに目を向けてから話しを再開した。


「まず、さきほど言った通り皆さんは異世界に転移してきたということになります。何故皆さんは異世界に来てしまったのかといいますと、【エンフィス】【チキュウ】のどちらでもない他に存在している異世界の惑星で、次元を歪め大規模な召喚の儀式を発動させ、異世界人を召喚しようとしたのですが、飛行機ごと召喚してしまい、明らかに術の規模が足りず、召喚しようとした国は術の崩壊から1秒も掛からず塵となり、周辺の国なども術の崩壊の余波で、此方も塵となった。惑星の崩壊も起こっていたので、召喚しようとしていた惑星は惑星の全てを使って一度崩壊した術を作り直したが、全てを使っても途中で力が尽きて、惑星は塵も残さず消滅した。とまぁ、こんなコトが起こり、惑星の消滅と共に惑星のあった世界も消滅して、途中まで召喚に巻き込まれて、いきなり行き場が無くなり、中途半端だった影響から全く関係ない【エンフィス】に次元の裂け目が生まれ、次元の裂け目を漂っていたところを私達で全員が救出したということになります」


最初の方は慎重に言葉を選びながら創造神は話しをしていた。

最後の方は少し面倒くさいことに巻き込まれたといった感じがわかるような話し方だった。


「今から5分間をあけるので、それまでに落ち着いてください」

そう言って、さっきと同じ砂時計を出すと犬耳おじいちゃんに話しかけていた。


話しを聞いていた皆の反応は色々だった。

声や音は聞こえてこないが

頭を抱えている者、涙を流している者、床や壁に拳を叩きつけている者、驚きのあまり全く動かず固まっている者

と様々だった。

砂時計が半分過ぎた頃、複数人のグループではグループ内で話しをしだしていた。



げんき達3人は砂時計が置かれてすぐに、顔を見合わせて、3人共驚いてはいたが、話しが出来るように体勢を変えていた。


「2人とも大丈夫?」

まずは、げんきが楓と椿に話しかけた。

「何とか大丈夫です〜」

「途中から話しが難しくなってきたけど、今のところ大丈夫」

楓も椿も話しをちゃんと聞いて、何とか理解しようとしていた。


「とりあえず、今のところわかってるのは、ここは地球ではなくエンフィスなる異世界であるということ、他の異世界がなにやらやらかして、飛行機に乗っていた全員がエンフィスに転移してきたということ、これであってる?」

げんきはある程度まとめて2人に聞いた。


「うーん、あってると思う」

「私も椿ちゃんと同じであってると思う〜。後は創造神さんや周りにいる人たちが、私達を助けてくれたってことと、創造神さん達も巻き込まれて、疲れているように感じたというところかな〜」

2人ともげんきのまとめに同意して、楓はまとめに助けられた事を足して、創造神について感じた事を話した。

「俺も創造神が疲れてるように感じたんだ」

「私も」

げんきと椿も創造神について同じように感じていた。


3人は砂時計が半分くらいのところで、創造神の話しを自分達の中で話しをまとめ終わっていた。


「俺は異世界って聞いて、最初ドッキリかって一瞬思ったけど、休止状態だからないし、明らかに背中から翼生えてる人が近くにいるから、異世界って受け入れちゃったけど、2人は?」

「げんくんと一緒で、ドッキリかってカメラ探しそうになったけど、んなわけないってなって話しを聞くのに集中して、気づいたら異世界に関しては受け入れてたかな〜」

「えっ、………2人とも話し聞きながら、そんなこと考えてたの?」


椿は2人が緊張感のある中、他のことを考えていたことに驚き、げんきと楓は椿に向かって頷き、椿はガクッと顔を下に向けた。

げんきと楓は、その様子を見て、笑った。


げんきは異世界に関しての漫画や小説の情報を3人で共有するため2人と話しをして

神さまにズルい力や武器をもらい、魔王を倒して、幸せに暮らしたり、やりたい放題やったり、元の世界に戻ったり

とまぁ、こんな程度の知識しかないが、3人で話しをしていたら砂時計が消えて、創造神が話しをするいつもの位置について、手を挙げた。


「えーと、さきほど伝えるつもりだったのですが……言いづらいのですが……伝えておきます。皆さんが【チキュウ】に帰る方法はありません。大事なことなのでもう一回いいますが、【チキュウ】に帰る方法はございません」


創造神はいきなりどえらい爆弾を投下した。


げんき達含め全員が一瞬で固まった。

ほとんどの人が動揺して、頭を抱えていた。

創造神も、ほとんど動揺していては話しにならないのを見て、3分あけると言って後ろにいた犬耳おじいちゃんと話しだした。


創造神からの言葉を聞いて

げんきは震えていた2人の肩に手を置いた。

「俺はまだあんまり大丈夫じゃないけどどう?」

自分の手も震えていたげんきだけど2人に声を掛けた。

「うーん………私は震えも止まらないし、あんまり大丈夫じゃないです〜」

楓も震えている手をげんきの太ももに置いた。

「私はお姉ちゃんほど震えてはないかな」

椿はげんきが肩に置いた手を握りながら答えた。

3人の中で一番の落ち着くのが早かったのは椿だった。


落ち着いてきたげんきと椿は楓と手を繋ぎ、楓を落ち着かせていた。

楓が落ち着いたので改めて2人に話しかけた。


「えーと、創造神から聞いた話しをまとめると、どっかのバカがやらかして、飛行機に乗っていた全員がエンフィスに転移してきて、創造神に助けられたが、元の世界に帰る方法はないってことだよね……あってる?」


楓と椿はげんきを見ながら、無言で頷いた。



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