表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/142

36.やらかした


「ごはんだよ〜おきろ〜」


げんきは、何度も繰り返される声で、起きた。


「……おはよう」

「おはよう〜、もうみんなごはんの前で待ってるから早くね〜」


楓は、げんきが起きたのを確認して、部屋から出て行ったので、げんきも寝起きの姿そのままで、後を追って、部屋から出て行った。



「おはよう」

「いいから座りなさい」

「ギャ」


げんきは、テントから出て、テーブルにいたみんなに挨拶したが、アイリスとシロは、ごはんの前で待っていたからか、げんきに対する扱いが雑であった。

楓と椿は、苦笑いしながら、げんきが椅子に座るのを待っていた。


いただきます、と一斉に言うと、まだ寝ぼけて、ボーっとしついるげんきを置いたまま、げんき以外は、朝ごはんを食べ始めた。


「げんくんは、今日の修行は魔法だよね?」

「うーん……そうだね。俺になんか手伝って欲しいの?」

「いやいや、私は1人で闘気の訓練するよ。お姉ちゃんが、1人でやる、って言ってたから、それとなく様子見て、話しかけたりしてほしくて。私は魔法イマイチだから……」

「わかってるよ。俺も気にかけてるし、アエリスが楓の訓練に付き合うらしいから、椿も楓のこと気にし過ぎるなよ」


朝ごはんを食べ終わると、

げんきは片付けをしていた椿に、楓の様子を見ていて、と言われて、楓の側にはアエリスがいるから、と伝えて、椿を安心させた。



げんきは、テントから少し離れたところまで、移動してから修行を開始した。


げんきは、MPの多さをいかして、常に魔法を発動している状態で、最終目標のスキルの習得に取り組んでいた。


「げんき、森をどうするつもりなの?」

「いや……それは……」


げんきは、お昼ごはんの時間だと、伝えに来てくれたアエリスに冷たい視線を浴びせられていた。


げんきは、アエリスが来るまで、魔法を2つ同時に発動させることに集中しすぎて、発動させた魔法は、全て近くにあった岩に向けて放っていたのだが、最初に見た時は、10メートルくらいはあった岩が無くなり、その背後にあった森の木々に当たっていて、半径20メートルくらいの森がなくなっていた。


げんきはアエリスに小言を言われながら、椿にお昼だと伝えに行ったが、椿を見つけた時には、直径5メートルくらいのクレーターが、森に何個もあった。

げんきとアエリスは、新たに1つクレーターが出来たところで、椿に声をかけた。


椿もげんきと同じように、集中し過ぎて、周りに気を配れてなかった為、げんきたちのテントに戻るまで、2人はアエリスに小言言われ、苦笑いしながら戻ることになった。


げんきたちがテントに戻ると、

楓とシロは、すでに昼ごはんをテーブルに並べているところで、戻ってきた3人を見て、げんきと椿が何かやったんだろう、と一目でわかった。


ごはんを食べる時の話題は、必然的にげんきと椿がやらかした事について、になってしまい、

げんきと椿は弄られながらの食事になった。



「周りが暗くなったら、テントに集合で」

『了解』

「げんきと椿ちゃんは、ほっておいたら、また同じことの繰り返しになるから、修行する場所までついていきます!」

「うっ…」

「げんくんはわかんないけど、私は大丈夫だよ」

「あんだけ森を穴ボコだらけにしておいて?」

「いや……それは……つい……」

「つい、であんな事に?これは決定事項なので!早く!」

『……はい』


アエリスが、突然ついていく、と言い、理由を聞いて、げんきは早々に撃沈し、椿はなんとか逃げようとしたが、逃がしてくれる訳もなく、撃沈して、2人は黙ってアエリスの後について行った。

楓は、3人の会話を聞きながら、私は関係ないです、というオーラを放ちながら、自分の修行の用意をしていた。


「さて、あれでいいか」

『ん?』


げんきが昼まで修行していた少し先にある5メートルくらいの岩を、アエリスが指をさして、一瞬何かを唱えていた。


「よし!これからげんきは、あの岩に向かって魔法を放つように!」

「……どういうこと?」

「今、あの岩に魔法をかけたんだよ。魔法がかかっている間は、あの岩は割れたり、砕けたりしなくなってるんだよ」

「はぁー……なるほど……」


アエリスは、困惑しているげんきを岩まで連れて行き、魔法をかけたのを確認させた。

理解出来ていなかったげんきだが、魔法をかけられた岩を触ってみると、三重に薄い水の膜が張られており、岩に触れようとしても、触れなかった。


「わかった?これからはこの岩を狙ってね」


アエリスはそういうと、椿を連れて、椿の修行する場所まで行き、げんきのところと同じように、近くの岩に魔法をかけて、椿にも改めて説明して、楓の修行しているテントの近くに戻って行った。


その後、げんきと椿は、周りが暗くなるまで、修行をしていたが、どちらも魔法をかけられた岩は無傷のまま、ずっと的になっていた。


げんきは、周りが暗くなったので、椿が修行している場所まで行って、合流してから、テントまで戻っていた。


「魔法のかかった岩、いくら殴ったり、斬ったりしても、ビクともしなかった」

「俺もいろんな種類の魔法ぶつけたけど、全く効果なかった」

「魔法ってすごいね」

「魔法もすごいけど、この場合はアエリスがすごいんじゃない?」

「確かに!」


テントに戻っている間に、げんきと椿は、改めて、アエリスの凄さと魔法の凄さを感じていた。


みんなで晩ごはんを食べた後に、

げんきはアエリスとスキルの話しを少しだけして、お風呂に入ってから眠った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ