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29.3人の種族について


げんきはタバコを吸いながら、

自分でさっきまでの話しをまとめたメモを読んで、聞きたいことを別の紙に書いていった。


げんきがメモを取っていると、

楓が、大きな皿を持って、テントから出てきた。


「私たちの世界にあった甘味に近いものを作ってみました〜」


楓は皿をテーブルに置くと、皿にのっている甘味をアエリスに説明していった。


楓が持ってきたのは、パンケーキに近いものだそうで、材料の関係で、元の世界の物とは違うらしくて、さっきのクレープに使っていたトウモロコシの粉を使って、なんとか元の世界のパンケーキに近いものを作りだしたそうだ。


げんきは、先程よりもキラキラした目で、話しを聞いているアエリスを見て、少し呆れていた。


「最初はそのまま食べてみて〜」

「わかったー」


無邪気にパンケーキもどきを食べたアエリスは、少し固まってから、皿に取り分けられていたパンケーキもどきを完食した。


「おまたせ」

「ギリギリだったね〜」


アエリスが完食して、すぐに、椿がカットされた果物なんかを持って、テントから出てきた。


アエリスはクレープの時と同じように、楓の説明を真剣に聞いて、オススメの組み合わせを教えてもらい、一つずつ試しながら食べていった。


げんきは、3人でパンケーキもどきを食べはじめたので、テーブルから少し離れたところで、聞きたいことのメモとまとめたメモを見比べながら、タバコを吸って、3人が食べ終わるまで待っていた。



「聞きたいことがあるんだけどいい?」

「いいよ」


げんきは3人が食べ終わって、満足したところで、テーブルに戻り、アエリスに話しかけた。


「俺たちは珍しい種族なの?」


げんきたちは自分がなった種族を、なんか凄そうとは思っていたが、細かい説明は福袋の時に読めなかったので、アエリスなら何か知っているだろうと思って、聞いてみた。


「あぁ、3人とも珍しい種族だよ。最初に会った時に、びっくりして、すぐに鑑定したからね」

「そんなに⁉︎」

「えっ……まさかとは思うけど自分の種族に関して、知らないなんて事はないよね?」

「知りません」

「嘘だよね。旅人の種族は、自分で選んで、神によって、選んだ種族になるはずなんだけど……水の女神様や樹の女神様に聞いてない?」


福袋のランクけらして、ある程度珍しい種族とは、3人も思っていたが、アエリスがびっくりするほどの種族と言われ、少し驚いた。


アエリスは今までの旅人に関する情報で、種族は神によって、好きな種族になれる、と聞いて知っていたので、げんきたちも神に頼んで、珍しい種族になったのだと思っていたので、知らないと言われ、聞いていないと3人が首を左右に振っているのを見て、水の女神様働いてー、と心の中で、叫んでいた。

この後、福袋については制限で話せなかったので、げんきからランダムで、神のいない場所で、選ばれた、と聞かされ、なのに、この種族、と固まることになった。


「よし、わかりやすい楓ちゃんと椿ちゃんの種族について、教えようか。金狐も銀狼も、それぞれ狐人種と狼人種の種族の100〜200年に1人しか、生まれないとされている頂点の種だよ」

『そうなんだ(〜)』

「それに、普通は生まれた時から、それぞれの種族から神のように、崇拝される種でもあるかな」

「えっ、なにそれ気持ち悪い」

「確かに、それだけの年月で1人なら、そういう扱いなのは、わからなくはないけど、気持ち悪いですね〜」


楓も椿も、アエリスの金狐、銀狼の説明を聞いて、背筋がゾワっとした。


「それに、金狐も銀狼も、耳やしっぽなんかが特徴的で、同じような耳やしっぽなんかを持っている種はいないから、目立つし、隠していてもすぐに見つかる、と思うよ」

「なんかヤバそう」

「コソコソ生活するなんて嫌だよ〜」

「でも、生まれた時からステータスが高いから、レベル上げちゃえば、コソコソしたりしなくても、力で解決できるよ。ただ、力で解決すると、目立つとは思うけど、あとはダンジョン産の魔道具使って変装するとかかな」


楓と椿は、変装、と聞いて、何とかなるかもしれないと、マジックバッグからメモの書いてある紙を、テーブルの上に出して、目当てのメモを探した。


探していたのは、げんきの体に埋まっている、

SSSランクの完全擬装核の説明の書かれていた紙だった。


見つけた完全擬装核の説明を書いている紙を、アエリスの前において、文字が読めないアエリスに説明を口頭で伝えていった。


「………嘘だよね?」


アエリスは説明を聞いて、驚きすぎて、口を開けたまま固まっていた。

それほどまでに、聞かされたことが、理解できなかった。

嘘だと、聞いたが、3人が本当だと言い、

げんきの体に埋まっているものを見せられて、自分の能力を最大にしても、名前すら鑑定出来ない、それを前に、1人で笑ってしまっていた。


アエリスは落ち着くと、


「さっき、私にしてくれた説明の通りの性能なら、3人の種族がバレることは、余程のことが無い限り大丈夫だと思う」

「体に埋まった時は、どうしよう、と思っていたけど、まだ性能試してないから何とも言えないけど、頼りになりそうでよかったよ」

「頼りになりそうか……それ以上だろうな」


3人はアエリスのお墨付きを貰えて、見た目を変えれば、バレないとわかったので、一安心した。


アエリスは3人が一安心している時に、余程のことか、一様言ったが、同レベルの鑑定魔道具でも、使って調べないとわからないだろうな、と思っていた。



「金狐も銀狼も、私の知ってるのは、それくらいね。後は噂レベルになっちゃうから、伝えても仕方ないかな。とりあえず、最大の懸念材料だった、見た目でバレることはないから、安心していいよ」

「わかった〜」

「了解です」

「次はげんきだね」


そう言って、げんきを一度見てから、

アエリスはフゥーと息を吐いた。



「混血種に関しては、私も多くは知らないけどいいかい?」

「もちろん」


げんきは何も知らない今より、悪くなる事はないだろう、とすぐに承諾した。


「混血種ってのは、ひと言で言ってしまえば、人種ヒューマン以外の他種族との間に生まれた子、なんだけど………」


げんきたちはアエリスの混血種の説明を、黙って聞いていた。


混血種とは、アエリスのひと言が当てはまたってはいるんだけど、それ以上にややこしかった。


混血種とは、


人種以外の他種族(妖精種や獣人種、竜人種など)で、違う種族の者(妖精種と獣人種、妖精種と竜人種)が結ばれて、子供が生まれた時に、子供の種族は混血種になる


ただ、他の種族の組み合わせで、結ばれても、子供が生まれてくることは限りなくゼロに近い


ただ、違う種族で結ばれればいい、とは行かず、父親、母親のどちらも、ある程度の力がなくてはいけない


子供を授かったとしても、父親と母親の両方の力を受け継いで、生まれてくるので、

母親は子供がお腹の中にいる2年以上の間、子供から放たれる両親の力を生まれてくるまでの間、耐えて、抑えないといけない


生まれてくると、違う二種の力を使えて、強い両親の半分近くの力を生まれた段階で持っている


アエリスの話しを短くまとめると、こうなった。


「……それだけの事や条件を乗り越えて、生まれてくるのが、混血種、になる」

「あっさりなっていい種族じゃないね」


げんきは説明を聞いて、福袋を引いただけでなってしまった種族に、苦笑いすることしかできなかった。


「えぇ、あっさりなっていいもんじゃないよ」


げんきの言葉に、アエリスも苦笑いしていた。


「だから、種族としての数は、私の知ってる数は両手で足りる。いい意味でも、悪い意味でも、エンフィスの歴史の表舞台に出てきたのは、私の知る限り、8人」

「8人……」

「他にも、表舞台に出てきてない者や混血種だろうと疑惑がある者もいるけど、混血種として、表舞台に出てきたのは、8人だよ」

「8人は確実に混血種?」

「それは確実だと思う。直接見たわけではないけどね。8人の内知っている事を教えられるのは、3人よ。ちなみに、この3人は確実に混血種だよ」


げんきは、あまりにも少ない人数に驚いて、いい意味だけではない事に、自分が混血種なので、少し悲しく思った。

楓と椿も、驚きながら、黙ってアエリスの話しを聞いて、大事そうな事を紙に書いていた。


「私が話せるのは、ここ500年以内に生まれ、表舞台に出てきた混血種についてよ」

「500年……」

「1人目は、悪い意味で表舞台に出てきた、魔人種と妖精種の、悲運の魔王と言われている、混血種についてね。……」


アエリスは知っている3人の混血種の説明をはじめた。


1人目

魔人種と妖精種の間に生まれた混血種

悲運の魔王と呼ばれている

450年前に、今いる大陸とは、別の大陸の征服を企んでいた、人種のある帝国が、他種族の滅ぼした国の力のある王族を、奴隷にして、子供を産ませて、混血種の力を戦争に利用しようという、考えのもと、生まれた混血種


生まれてきて、すぐに奴隷にされて、

5歳のころから戦争に連れていかれ、戦わされて、

初陣の時に、戦果が芳しくないとの理由で、父親を目の前で殺されて、

10歳になる前に、戦場に一人で放りこまれ、制圧するのに、時間をかけすぎると、

奴隷なため逆らえない命令で、面白半分で、自分の手で、最愛の母親を殺させられて、

その時の感情の暴走で、奴隷から解放されて、自身の感情のままに、破壊の限りを尽くして、恨み深い帝国は壊滅させられ、帝国の民や貴族を匿った国にも襲いかかり、帝国のあった大陸の3分の1を、破壊してくして、最後は大陸中の強者で組まれた4パーティーに討ち取られたそうだ。



2人目

220年前に、表舞台に出てきた

魔人種と獣人種の間に生まれた混血種

魔皇帝と呼ばれている


220年前に、別の大陸にある、未攻略だった、闇の神のダンジョンを、歴史上はじめて攻略したパーティーのリーダー

闇の神ダンジョンがある場所に、帝国を作り上げて、今も勢力を増している帝国の皇帝で、

現在も帝国の皇帝の座に就いている


3人目

152年前に、一瞬表舞台に現れた

妖精種と獣人種の間に生まれた混血種

妖精女王と呼ばれている


今いる場所から北西に馬車で2ヵ月くらいのところにある、未攻略だった、樹の神ダンジョンを歴史上はじめた攻略したパーティーのリーダー

ただ、それ以降は一切表舞台に立っていない

生きているのかは不明



と、1人ずつ丁寧に説明してくれた。


「1人目の話しが強烈すぎて、なんて言ったらいいのか、わからない」

「あぁ、悲運の魔王の境遇には、私もなんとも言えない。ただ、勢力を増そうとしている国は、残念なことに同じようなことをしている国もある。だからこそ、げんきはバレないように気をつけるのではなく、一切バレない事が必要なんだ」

「あー……もしバレたら、色んな国に狙われる?」

「あぁ、確実に、なんとしてでも取り込もうとするだろう」


げんきは、楓と椿とは違った悪寒に襲われていた。


「げんくんは渡さないですよ〜」


メモを取っていた楓が、話しにひと言だけ参戦してきた。

横では、椿も黙って頷いていた。


「まぁ、混血種とバレないように言って、色々教えてあげるつもりだったけど、さっきの完全擬態核とやらがあれば、万事解決だね」

「本当にバレない?」

「あぁ、それは私が保証してあげるよ。というか、創造級よりも上が無いんだから、まずバレないわよ」


げんきは、とりあえず、自分が混血種であると言わなければバレない事に、安心した。


げんきは、創造級よりも上は無いと言われて、安心したのと、同時に、創造級についても聞こうと、自分のメモに書き込んだ。

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