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18.ルーレットの結果


げんき達3人は青空の下で、

3人並んで、ルーレットの前で、100個あるポケットの中からゾロ目を1つずつ探していた。


《ギャンブルルーレット》

オリジナルスキルにあたる強力なスキル

エンフィスの世界でげんきしか持っていない世界に1つのスキル


わかりやすい恩恵はげんきの運の数値の倍化


ただ、げんき達が欲しいのは特殊効果



げんき達3人はギャンブルルーレットの説明が書かれた紙を見てから、1時間くらい話し込んだ。


げんきしか紙に触れることが出来ないので、げんきが常に持ちながら2回しっかりと読んだのだ。

でも、運が倍化すること、これはわかりやすい。

ただ、特殊効果の内容がわからないことがあったのだ。


そう、経験値獲得10分の1や経験値獲得4分の1がよくわからなかったので、3人で話し込んでいたのだ。


経験値を稼いで、レベルアップして強くなる。

これ以外ないと3人とも思っていたのだ。


げんきもゲームをプレイしている時は、経験値を稼いで、とにかくキャラを強くしてからボスへなど安全を確保して、死なないようにしていたのだ。


その為、1時間も話し込んでいた。


それもマジックバッグに入れていたメモを、再度読み直して解決した。


高レベルになるほど、レベルは上がりにくくなる。

そして、ある程度のレベルになり、家族4人を養えるようになったり、割りのいい階層を安定して周回を出来るようになった人は、自分よりレベルが低い魔物やモンスターを大量に倒さないと、レベルアップ出来ないが、ステータス経験値は少しずつ溜まっていき、それまでのレベルアップよりもステータスの数値の上がり高くなることがある。

とメモに書いてあったのを見つけた。


それを見て、特殊効果の凄さに3人は驚愕した。


何故ならまだレベル1の3人だ、倒す相手は必然的にあいての方がレベルが高い。なので、獲得出来る経験値も多いし、ステータス経験値も溜まり易い、なのでレベルはすぐ上がるが、ステータス経験値は溜まっても、レベルアップですぐに0に戻ってしまう、だが経験値獲得が減れば、レベルアップはしにくいが、レベルアップした時は同レベルの人よりも、ステータスの数値はステータス経験値の関係から高くなる可能性しかないのだ。


このことに気づいた3人は、ギャンブルルーレットの本質は特殊効果だと、

改めて認識して、ゾロ目の数を数えていた。


「げんくん、何回数えてもゾロ目は17個」

「0は11個だよ〜」

「………紙で確認したけど、ボールは金、ってことは0がゾロ目になるから28個」


ゾロ目に入る確率は28%


「金だし、かなりの高確率な気がするが……外したらと思うと少し怖くなってきた」

「げんくん考えすぎ」

「そうですよ〜。運が倍化したらいいことあるかもくらいに考えないとダメですよ〜」


げんきは、今回のルーレットが、全て予定通りになれば、他の同期より圧倒的優位に立てるのは確実、それほどまでの大事な勝負なのだ。


「よし!」


そう言って、気合いを入れたげんきは、

ルーレットを回すことを決意した。


ルーレット自体は、透明な膜に覆われているので、触れない為、紙に書いてある通りに、げんきはテーブルに両手をついて、起動させていった。


げんきはテーブルの上にある小さな箱からボールを取り出し、ボールを膜に近づけた。


ボールは膜を上っていき、ルーレットの中心までいくと、ゆっくり螺旋を描くように、ルーレットに下りていき、ボールが落ち始めるのと同時に、ホイールが回り始めた。


ここまでくると、げんきが知っているルーレットと、そこまで違ったことは無く、3人でルーレットを見守っていた。


ボールが数回跳ねて、ポケットの中に収まると、ホイールはゆっくり止まっていき、数字が確認出来た。


数字は0


げんきが拳を握りしめ、喜びを感じていると、

0が少し光り、77に変わって、

ルーレットの上に77と表示された。


「ふぅーよかった」

「第一関門突破」

「入ってたのポケットの両隣が2、6だったの見た時は、さすが肝が冷えました〜」


3人でゾロ目の余韻に浸っていると、

テーブルが光りだし、10秒位経つと、先程とは違うものに変わっていた。


先程までのテーブルとルーレットは、年季の入った味のある作りだったのだが、

新しく変わったものは、

綺麗いな細工が施されている白を基調としたテーブルとルーレットだった。


一瞬何が起こったのか、わからなかった3人だが、

ルーレットの数字を見て、落ち着いた。


落ち着いたところで、げんきのステータスを確認することにした。


「えっ……」

「これが最大?」

「うーん、どうなんでしょうか〜」


げんきの運の数値は999になっていた。

もとが31だったので2300くらいになっていると思っていたので、どう反応したらいいか戸惑っていた。


「うーん……HPの数値の最大はもっと高いって聞いたような気がするんだけど……」


げんきは賭の女神に話しを聞いていたので、色々あったおかげで記憶が曖昧で、自信がなかったのだ。


「私ももっと高いと聞いてような気がしますが、自信ないですね〜」


楓も余り自信がないようだった。


椿は2人の考えながらの会話を黙って聞いていた。

ただ、意識はルーレットの方に向いていた。


結局、げんきと楓がどちらも曖昧なので、後でメモしているか確認しようと、後回しにした。



げんきたち3人は新しくなったルーレットが、2ndルーレットなのか、説明の書いてある紙を見ながら、確認して、再度紙を見直して、抜け落ちていることがないか、念入りにチェックした。


チェックも終わったので、3人はルーレットを眺めていた。


「ふぅー……」

「げんくん緊張しすぎ」


げんきが大きく息を吐いたので、椿が解そうとツッコミを入れ、楓も頷いていた。


「ここまできたら、4、5、8、9、10のどれかに………」

「それはそうですけど、9、10なら最高、4、5、8なら十分、って思わないとー」

「そうだよ。2分の1ならなんとかなる」


スキル熟練度に関しては、まだ分かっていないので、げんきたちは4、5、8、9、10の特殊効果を狙っていた。


パーティーにも半分恩恵あるので、パーティー的には、9と10は同じ高い効果の恩恵になる為、パーティーメンバーからすると、どちらかに入ってくれるといいのだ。

代わりに6に関しては、半分になってしまうので、全く恩恵が無いので、勘弁して欲しいのだ。



落ち着いたげんきは、

ゆっくりテーブルに置かれている綺麗いな細工の施された宝箱の中から、ボールを取り出して、膜に近づけた。


3人は黙ってボールだけを見つめていた。


ボールが落ち始め、ホイールが回り始めたところで、げんきは大きく息を吐いた。


ボールがポケットの中収まるさまを、3人は黙って見ていて、ボールが収まると、ホイールがゆっくりと止まりだし、3人の目で数字が見えるか見えないか微妙なところまでくると、ルーレットの上に数字が表示された。


げんきは両手を上に高く突き上げた。

楓と椿もげんきに抱きついていた。


表示された数字は9


「よっしゃー」


げんきは珍しく大声をあげた。


げんきが手を下ろそうと思っていたら、

げんきは光りに包まれ、周りが見えなくなった。


楓と椿はげんきが光りだしたので、少し離れて、げんきを見守っていた。


時間にして10秒もないくらいの時間だったが、げんきは暖かい光の中にいた。

光りはげんきの中に入っていった。


げんきが周りを見れるようになった時には、ルーレットは消えて無くなっていた。


げんきは光の中の暖かさやルーレットの興奮の余韻に浸っていた。

楓と椿は余韻に浸っているげんきを見ながら、コソコソ話しをしていた。


「あーよかった」

「うんうん、おめでとう」

「頑張ったげんくんには、ご褒美をあげないといけないね〜」

「……?」


げんきが余韻から戻ってくると、2人は笑顔で迎えてくれてから、楓の一言に椿もニヤニヤしながら頷いているのを見たげんきは、嫌な予感がした。


「ご褒美は私たちです!」

「……」

「契約でしばられているげんくんの為に、私たちとそういう事をするのを、許可してあげますよ〜」

「いや……」

「私たちは恋人なんですから、そういう事をしてもいいと思うんですよね〜」


げんきの嫌な予感は的中していた。

げんきは恋人という程をとるのだと思っていたが、2人は程ではないのではと考え直していた。

楓も椿も理想はげんき、付き合うならげんき以上の男、と言っていたのは、げんきも知っていたが、変な男が寄って来ないようにする為だと思っていたのだ。


「それとも私たちじゃ不満なんですか〜?」

「不満なのかな?」


2人はシャツのボタンを外して、ブラがモロに見えるようにしてから、自慢の胸の谷間を見せつけるようなポーズを、げんきに見せつけた。


2人のポーズはグラビアをやったりもしていたので、様になっていたが、

げんきは元の世界で見慣れていて、耐性があるので効果は薄かった。


げんきは不満があるのかと言われれば、不満はないと言うが、妹でなければ、と後に続くのだが……、

げんきは元の世界の記憶があり、2人のことを妹と思っている。常識的な事も覚えているので、妹とそういう事をするのは、どうなんだ、と思っているのだ。

なので、2人がもしも本気だったら、兄としてなんて言えばいいんだ、しかも異世界、信用できるのは今いる3人だけなのに、突き放してもいいのか?、とげんきは頭を抱えていた。

結局、2人がどう思っているのかわからない以上、げんきの思い過ごしかもしれないからと、考えるのをやめて、今は穏便に済ませようと決意した。


「いやいや、妹じゃなかったらヤバイけど、妹と思ってるからさすがにね。いくら恋人の程でもダメだよ」

「ハイハイ、わかりましたよ〜」

「でも、げんくんがえっちー事出来るのは私たちだけですからね。注意して下さいね」


げんきはあっさり2人が引いたので、やっぱり思い過ごしかー、エンフィスに来てからずっと気を張ってる状態だから変な事考えてるのか、と考え、少し余裕をもとうと思った。


楓と椿があっさりと引いたのは、げんきがまだまだ2人を妹と強く思っているなら、ゆっくりといけばいいと考えてのことだった。


「それで恋人の件だけど他のにしない?」


げんきは恋人の程について、やっぱり幼馴染みや兄妹の方がいいので、この機会に変更したかったのだ。


「何に?」

「さっき言ってた幼馴染みや兄妹はダメですよ〜」

「えっ………」


げんきは恋人から変えたかったが、恋人の方が応用が効くし、虫除けにもなると言われ、もし変更したいなら恋人以上の案を出して、と言われて何も出ずに、諦めた。



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