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134.3人の覚醒


魔の神が、帰っていった後、

げんきは、創造神に話しかけ、楓と椿は、それぞれ加護をくれていた水の神と獣の神に、加護になったお礼を伝えて、マリアたちのところに行った。


「創造神やーい」

「ちょっと待ってくれ」


げんきが、マリアたちの方を見ながら、お酒を飲んでいたら、創造神の準備が整った、と言ってきた。


「この前話したマリアたちのことなんだけど、俺たち攻略して、特殊の数値上がったんだけど、覚醒っていつから始まるの?」

「ん?そうだな、時間的には、今日の夜、日付けが変わる頃かの」

「日付けが変わる頃か、了解。あと、シャルの件はどうなる感じ?」

「それについては、今さっき、決まったところだ。私の加護だと、やりすぎって意見が多くてな、間を取って、物の神の加護(小)というので、話しがついたところだ」

「俺も物の神から加護をもらったんだけど、創造神とどう違うんだ?」

「私の加護だと、物を魔力で、覆えば、後は材料だけでいいけど、物の神だと、一度物を自分の手で、作る必要がある。一回作ったものなら、そのあとは、げんきと同じで、材料を集めたら、作れるようになる」

「なるほど、了解した」


げんきは、忘れる前に、今聞いた事を紙に書いていった。


「もう一個の方は、話しついた?」

「そっちも、話しはついてるよ。満場一致で、世界って事で、みんな納得したよ」

「マジか……これ、世界級になるの……」

「まぁ、私以外だと、製作出来ないと思ってたからね。創造級には、出来ないし、神級の同種のものと比べたら、天と地ほどの差があるからね」


げんきは、創造神の言葉を聞いて、下げていたマジックバッグをまじまじと見た。


「今から、げんきのマジックバッグは、世界級って事になるよ。世界級のマジックバッグとして用意してた容量無限のマジックバッグとどっちがいいかと言われたら、正直、げんきのマジックバッグの転送機能が勝つと言う意見が多かったよ」

「同じものをまた作ったら、また世界級のマジックバッグになるのか?」

「それは、流石に、やりすぎだから、親子転送の機能に制限をかけることになって、1日で決まった量しか送れなくなるはず。だから、無制限の転送機能は、げんきのマジックバッグだけになる予定だね」

「了解した。また、何か変なことになりそうだったら、教えてくれ」

「ほーい、楓様と椿ちゃんに、資料ありがとう、って伝えておいて」


創造神は、話しが終わると、

前の資料の礼を頼んで、酒盛りをしているところに戻っていった。


げんきは、聞いた話しをまとめて、紙に書いてから、改めてマジックバッグを眺めた。


確かに、げんきの持つ親の極大マジックバッグに、世界級、と言う文字が増えていた。


げんきの作ったマジックバッグの親子の転送機能が、軽く神の間で、騒ぎになっていたらしく、世界級以上創造級未満と言う事だったのだが、

人が作れるのは、神級までが、限界と言われていたので、世界級か神級かで、創造神と物を司る物の神で、話し合っている、と鉱石の神が気を失っていた時に、話しを聞いていた。


結果、世界級になったが、世界級は、創造級ほどではないが、数えられる程度、各大陸に、数個ずつあればいい程度にしかないものだった。


上から順に、等級をまとめると、


創造級ーエンフィスにおいて、げんきの持つ一つを含めて、5つしか存在しない。人の間では、通称ジェネシス。


世界級ー各大陸に数個ずつあればいい程度しか存在しない。通称ワールド。


神級ー神ダンジョンの深い階層で見つかるものがほとんどで、人が作れる最高等級とされている。通称ゴット、ゴッツ、と呼ばれている。


亜神級ー亜神ダンジョンの深い階層で見つかることが多い。通称デミゴット、デミゴッツ。


秘宝級ーダンジョンで見つかるか、一流の職人によって作られる。通称アーティファクト、アーティ。


特質級ーダンジョンの浅い階層で見つかるか、ベテラン職人によって作られる。通称ユニーク。


希少級ーダンジョンの浅い宝箱から良く見つかるか、職人によって作られる。通称レア。


普通級ー駆け出しの職人や一人前になったばかりの職人によって作られる。通称ノーマル。


このような等級に分かれているが、同じ等級でも、質の良いもの、悪いものあり、同じ等級とはいえ、差はある。


そして、等級の中でも1番高い創造級や2番目に高い世界級については、ある程度地位のある者以外知っておらず、一般的には、神級までしか知られていない。


そんな事があり、げんきは、既に、創造級の擬似核を持っているが、自分が作ったマジックバッグが、上から2番目の等級になったことを素直に喜んだ。



神達との話し合いも終わったので、

げんきは、結界を解いて、マリアたちのところに向かった。


裏ボスの事や、マリア、レイラ、シャルの覚醒の件もあったが、みんなお酒を飲んだりして、宴会モードに入っていたので、

もう、今日は休みにして、拠点に戻って、攻略パーティーをすることにした。


拠点に戻ったげんきは、楓と椿に、マリアたちのことを伝えて、マジックバッグについても説明した。


「おー、凄いねー」

「世界級か〜」


2人のマジックバッグに対する反応は、凄いねー、と言っていたが、先に説明したマリアたちの方が気になっていたので、げんきほどの感動は無かった。


「それじゃあ、今日の夜は、マリアちゃんたち集めて、覚醒する瞬間見ないとね〜」

「それいいねー」


こうして、マリアたちを夜集めて、げんきたち3人は、目の前で変わる瞬間を見ることになった。



攻略パーティーが終わり、みんなお風呂に入り、

日付けが変わるより少し早い23時に、

げんきたち3人と覚醒予定のマリア、レイラ、シャルの3人が、テントのげんきの部屋に集合していた。


集められたマリアたち3人は、最初、夜の相手だと思っていたので、シャルなんかは、ウキウキしながらげんきの部屋に来ていたが、

6人が、揃ったところで、げんきが、3人を集めた理由の覚醒について話しをした。


話しが終わると、

マリア、レイラは、話しについて行けず、げんきに質問をしていき、

シャルは、げんきの役に立てそうだと、さっきまでと違うウキウキの状態になった。


「もう、そろそろかな」


げんきが、時計の針を見て、日付けが変わる24時になった瞬間、3人は、白く光り出した。


最初に、シャルが、10秒程光り輝き、光りが収まると、これまでと変わっていないシャルがいた。


シャルの覚醒は、スキルなので、身体の変化はないと思っていた3人は、シャルに異常が無いのを見て、マリアとレイラの方を向いた。


シャルに遅れること、約1分くらいで、マリアとレイラの光りが収まって来て、

全く変化がない2人がいた。


「ん?失敗か?」

「変わらないね〜」

「何も無しなのー?」


げんきたち3人は、覚醒出来なかったのか?と上から下まで見たが、全く変化がなかった。


「あのー、ステータスには、月猫が追加されてます」

「あっ、私も月兎が追加されてます」


げんきは、急いで、眼で確認したら、

確かに、2人の種族には、前までボヤけていた月猫と月兎が、しっかりと見えるようになっていた。


「スキルの確認もしてみて」

「「「はい!」」」


マリアたち3人は、げんきに言われて、スキルを確認すると、今までなかったスキルが表示されていた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


マリア


種族スキル

《月猫化 レベル1》

《月猫強化 レベル1》


ユニークスキル

《守護者の盾 レベル14》


スキル

《剣術 レベル12》

《盾術 レベル14》

《馬術 レベル6》

《礼儀作法 レベル2》

《統率 レベル8》

《鼓舞 レベル3》

《身体強化 レベル4》


月猫化ー月猫になることができる。月猫状態だと、常にMPを消費する。


月猫強化ー月猫状態だと、ステータスが上昇する。


守護者の盾ー戦闘時、護るべき者がいる場合、ステータスが上昇する。


種族スキルが、月猫になったことで、有効化したスキルで、ユニークスキルの守護者の盾は、生まれた時から所持していたスキルである。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


レイラ


種族スキル

《月兎化 レベル1》

《月夜の導き レベル1》


ユニークスキル

《聖女の祈り レベル3》


スキル

《聖魔法 レベル21》

《祈り レベル13》

《礼儀作法 レベル5》

《光魔法 レベル9》

《闇魔法 レベル8》

《樹魔法 レベル3》

《杖術 レベル2》


月兎化ー月兎になることができる。月兎状態だと、常にMPを消費する。


月夜の導きー月が見えるもしくは、夜になると、五感などが強化され、HP、MPの自動回復速度が上昇する。


聖女の祈りー自身の持ちスキルに関係のある神に、祈りを捧げている間、自身の周囲のHP、MPの自動回転速度が上昇し、回復系のスキルの効果が上昇する。


マリアと同じで、種族スキルが、月兎になったことで有効化したスキルで、ユニークスキルは、生まれた時から持っていたもの。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


シャル


ユニークスキル

《錬金創造(鍛治) レベル1》

《空間把握 レベル11》


スキル

《裁縫 レベル5》

《彫金 レベル1》

《忠誠 レベル17》

《槌術 レベル8》

《消音 レベル3》

《調理 レベル1》


錬金創造(鍛治)ー素材とMPを消費することで、鍛治で製作することができるモノを作ることができる。


空間把握ー自身の周囲の空間を把握することができる。(把握できる空間の広さは、レベルによって変化する。目が見えなくても、頭の中に周囲の空間が分かるようになっている)


げんきと同じ錬金創造が、覚醒した事で、有効化したスキルで、空間把握は、シャルが盲目になった後、覚えたスキル。


1番レベルの高い忠誠のスキルは、

忠誠を捧げている者が近くにいる間、ステータスが微上昇する、

というスキルで、げんきに怪我を治されてから得たスキルで、怪我をが治った次の日には、忠誠のスキルを習得していて、異常な速度で、レベルが上がっていた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



げんきたちも、マリアたち3人に触れて、スキルを見せてもらい、覚醒しているのを確認した。


確認が済むと、

楓はレイラ、椿はマリアを捕獲していて、

早速、新しいスキルを見せてるように言っていた。


レイラとマリアは、月兎化、月猫化を発動させたが、

レベル1だからか、習熟度の問題か、変わったのは、頭の一部だけで、

レイラは、金髪が、白髪に、

マリアは、白い猫耳が黒い猫耳に、

なっただけだった。


スキルを発動させた2人は、お互い見合って、不思議そうにしていたが、

楓と椿は、2人の変化に目をキラキラさせていた。


「シャルちゃんの方は、げんくんに任せるね〜」

「私たちは、2人の変化を確かめるねー」

「わかった」

「シャルちゃん、げんくんに色々教えてもらいなよ〜」

「はい!」


楓と椿は、シャルの事をげんきに任せると、

レイラとマリアを連れて、げんきの部屋から出て行き、自分たちの部屋に戻って行った。


げんきとシャルは、次の日の朝ごはんの時に、覚醒した2人の変化を確かめて、ツヤツヤした楓と椿に、確認という名目で、おもちゃにされて、ヘトヘトのレイラとマリアを見る事になった。



「あのー、げんき様は、私のスキルがどのようなものかわかるのですか?」


げんきは、シャルの質問にどこまで教えるか悩んだが、錬金創造の事を教えるなら、自分が錬金創造を持っているのを教えないと、話しが出来ないと思い、錬金創造を持っているのを教えて、見せることにした。


「シャルの錬金創造のスキルを、俺も持ってる。俺は、魔道具の錬金創造で、シャルは、鍛治の錬金創造だけど」

「げんき様と同じユニークスキル……」


シャルは、げんきと同じユニークスキルを持っているという事に、感動して、目がウルウルしてきた。


「錬金創造は、素材とMPで、モノを作るスキルなんだけど、ユニークスキルの中でも、希少というか、危険というか、扱いには注意が必要なスキルなんだ」

「危険なのですか?」

「んー、かなり有用なスキルで、完璧に使えるようになったら、モノの価値や希少性なんかが、一気に変化する可能性があるから、使い方次第では、恨まれたり、妬まれたりして、命の危険すらあるんだ」

「なるほど」

「遅い時間だけど、今から錬金創造を見せるよ」


げんきは、シャルに錬金創造を見せる為に、マジックバッグからいくつかの素材を出して、

3種類のランプの魔道具を一つずつ作って、

作り終わると、危険といった意味をわかってもらう為に、鑑定台を出して、シャルに3つのランプを渡して、鑑定するように言った。


「えっ!?」


シャルは、げんきの錬金創造を見て、光ると、ランプが出来ているのに驚いていたが、

3つ目のランプを鑑定して、驚き過ぎて、声を出してしまった。


「おれの言った危険って意味わかった?」

「……はい」

「鑑定してわかったと思うけど、3つ目に鑑定したランプの等級は亜神級」


げんきは、普通級、希少級、亜神級のランプを錬金創造で作っていた。


「人が作れる限界の等級が、神級と言われていて、その神級が作れる職人は、作るモノを極めた職人で、その職人が人生をかけてやっと、神級がごく稀に作られるもので、亜神級のモノができるのが普通なんだ。なのに、錬金創造だと、条件さえ満たせば、さっき見せたように、亜神級のモノが、一瞬で作れるようになるし、神級のモノも一瞬で作れるようになる」


げんきの話しを聞いたシャルは、錬金創造の凄さに、何も言えなくなり、げんきが危険と言っている意味が理解出来た。


「こんな感じなんだ。使い方を間違えたら、面倒だから、使うにも注意が必要なんだよ」

「……はい」

「まぁ、それだけ有用なスキルって事なんだけどな……シャルなら、上手く使えると、俺は、思ってるし、期待してる。最初の方は、錬金創造を使う時は、俺たち3人の誰かに側にいてもらう事にしよう。それなら、変なことにはならないと思うから」


シャルは、期待してる、と言われた辺りから、目をキラキラさせていた。


げんきは、創造神から錬金創造の注意さるた事をそのまま伝えているだけなのだけど、

シャルが、げんきに尊敬の眼差しを向けてくるので、少し恥ずかしい気持ちになってきていた。


「錬金創造を使う条件なんだけど、シャルは、物の神から加護を授けられてるから、一度、鍛治でモノを作るだけで、条件は満たされて、同じモノを錬金創造で作れるようになる。それ以外は、俺も種類が違うから、分からないから、何度か試してみようと思う」

「はい!」

「これから忙しくなるかもしれないけど、よろしく」

「はい!期待に応えられるように頑張ります!」


これで、げんき様から受けた恩を返すことができる、とシャルは、気合いを入れて、返事をした。



げんきは、覚醒して、興奮しているシャルに迫られ、

これまでで一番の奉仕をされる事になり、

シャルと楽しい時間を過ごして、眠りについた。


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