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119.鉱石の神ダンジョンに向けて


げんきは、昼ごはんを食べてから、

楓、椿、シャル、ピーチ、ショコラとダンジョンギルドに来ていた。


「さすがに、ここでは、お約束はないみたいだね〜」

「つまんないねー」


黒き竜のような馬鹿は居ないみたいで、

げんきたちが、ダンジョンギルドに入った瞬間、ギルドのエントランスにいた全員が黙って、げんきたちを見ていた。


楓と椿は、絡まれない事に、少しガッカリしていた。


げんきたちは、入り口から真っ直ぐ受付に向かい、誰も並んでいない女の職員の前に並んだ。


「ほ、ほ、本日は、ど、ど、どのような、ご……」

「えっ⁉︎」


げんきたちが並んだ女の職員は、げんきたちに緊張しすぎて、途中で、気を失って、後ろに倒れていった。


ギルドのエントランスに居た全員が、何とも言えない雰囲気になって、静寂が訪れた。



「も、申し訳ございません!この者は………」


静寂の中、倒れた女の職員の横にいた別の女の職員が、慌てて、げんきたちに、謝罪をしてきた。


しかも、その女の職員は、倒れた女の情報をベラベラ喋ってきて、自分に被害が出ないようにしていた。


「そんなことより、その人、放置していて、いいのか?」

「……はい」


放置でいいんだ、とげんきたちは、笑いそうなのを頑張って耐えていた。


「鉱石の神ダンジョンの資料と本を買いたい」

「神ダンジョンですね。少々お待ちください」


ビクビクしながら、代わった女の職員は、げんきが求めている資料と本を取りに走って行った。


「倒れたままでいいのかな〜?」

「我慢してたのにー」


楓が蒸し返したので、げんきたちは、倒れたままの女の職員を見て、笑いを堪えきれず、笑い出した。



「げんき様、わざわざ買わなくても、げんき様であれば、資料や本が無くてもいいのではないですか?」


げんきたちの笑いが収まったところで、シャルが疑問に思っていたことを質問した。


「確かに要らない可能性もあるけど、あるなら、あった方がいいと思うよ。攻略済みのダンジョンなら、大体の情報は書いてあるらしいし、ギルドの資料室に閉じこもるよりはマシだよ」

「確かに、げんき様の貴重な時間を考えたら、そちらの方がよろしいですね」


げんきがマリアと話し終わったところで、女の職員が戻ってきた。


「お待たせ致しました。此方がご希望の資料と本になります」


女の職員が持って来たのは、2冊の100ページぐらいの本と12個の紙束だった。


「えーと、販売している資料と本を全てお持ち致しましたが、どれをお求めでしょうか?」

「全部」

「は、はい!こちらの資料と本は、神ダンジョンに関するものなので、ギルドランク4以上でないと販売出来ないので、その確認の為に、ダンジョンギルドのカードのご提示をお願いします」


げんきは、見た目をダンジョンギルドカードに変えた総合ギルドカードを見せた。


「はい、ありがとうございます」


げんきたちは、全員、鉱石の亜神ダンジョンを攻略しているので、全員がダンジョンギルドランク4になっている。


「こちらの資料は、1〜115階層の地図になっております。全てで、金貨120枚になります。そして、こちらの本は、神ダンジョンで出現するモンスターについて、もう一冊が、神ダンジョンでの罠やドロップに関しての本になります。こちらは一冊金貨200枚となっております」


げんきは、マジックバッグから白金貨5枚と金貨20枚をカウンターに置いた。


「はい、確かに」


女の職員は、数え終わって、げんきに売買の紙を渡した。


げんきは、それにサインして、資料と本をマジックバッグに入れた。


「それじゃ。あと、その倒れてる人に、お大事に、って言っといて」


げんきたちは、倒れている女の職員に伝言を頼んで、ダンジョンギルドを出て行った。



げんきたちは、ダンジョンギルドを出て、買い物に来ていたマリア、レイラ、ドリィ、セラの4人と合流して、みんなで、何件か回って、買い物を済ませたら、家に帰った。


「げんくん、さっきの魔道具よろしくね〜」

「とりあえず、そのシリーズの物を5セット作ればいいんだったよな?」

「そうだよ〜」

「了解」


げんきは、楓に頼まれたものを作りに地下に向かった。


「みんな、おつかれ」

「おかえりなさいませ」


げんきは、地下一階の広場で、鉱石の亜神ダンジョンの宝箱から出た物を鑑定してくれているメイドたちに声をかけて、奥の部屋に入って行った。


奥の部屋でげんきは、錬金創造のリストを見て、楓に頼まれた物を見つけて、材料をマジックバッグから出していった。


そして、錬金創造で出来た物が、


魔導カマドタイプオリハルコン

ー純オリハルコン製の竃型の魔道具。温度調節、煙吸収、料理補助(中)。


魔導オーブンタイプオリハルコン

ー純オリハルコン製のオーブン型の魔道具。温度調節、煙吸収、料理補助(中)。


材料は、どちらもオリハルコンのインゴット40個、火魔石サイズ大5個、水魔石サイズ大1個、風魔石サイズ大1個、土魔石サイズ大1個、無魔石サイズ大20個。


楓が、今日の買い物で、オリハルコン製ではない、ミスリル製のオーブンを発見して、

げんきが、魔力で、包んで、レシピを得て、上位らしきオリハルコン製のものがあったので、足りない魔石を買って、製作した。


げんきは、同じものを4セット作り、他にも、耐熱グローブ、オリハルコン製の鍋、寸胴、フライパンなどの調理器具も5セット作り出した。



楓が、欲しがっていた物を作り終わって、部屋を出たら、マリアとシャル、セラの3人が、扉の前に立っていた。


「何かあった?」

「「こちらを」」


マリアとセラが、それぞれ紙をげんきに渡した。


セラが渡してきたのは、メイドたちがげんきの代わりに鑑定した結果が書かれている紙で、

マリアが渡したきたのは、げんきが広場に出していた物の中から、オークション組に必要なものが書かれている紙だった。


「2人ともありがとう」


げんきは、その場で、紙の内容を確認していった。


マリアたちが、選んだものは、

オリハルコンゴーレム の宝箱から入手した魔法の耐性があがるペンダント、

ロックリザードの宝箱から入手した麻痺耐性の上がるブレスレット

をそれぞれ全員分。


「いいんじゃないか。マリア、人数分持って行って、みんなに、渡しといてくれ」

「はい!」


セラから貰った紙で、個数を確認して、人数分には、足りていたので、げんきは、マリアに持って行くように言った。


「セラ、この紙分かりやすいよ。メイドのみんなにありがとうって言っておいて」

「かしこまりました」


セラは、広場からメイドたちのところに向かい、

マリアは、広場の整理してあるマジックバッグの中から、人数分の物を探し始めた。


「で、シャルは、どうかした?」

「げんき様のお手伝いに参りました」

「そっか……これから、あそこの鉱石類を錬金で、インゴットにするんだけど、手伝ってくれる?」

「もちろんです!」


その後、げんきは、げんきの手伝いが出来て、ニコニコしてるシャルと鉱石の亜神ダンジョンで手に入れた鉱石類をインゴットにしていった。




げんきは、鉱石類を錬金で、インゴットに変え終わって、楓とメイドたちに、作ったカマドとオーブンの魔道具を渡した。


「ありがと〜」

「このようなものを……」

「今日の晩御飯、ピザが食べたいかな」

「任せて〜」


げんきは、晩御飯の希望を伝えて、厨房を出て、晩御飯の時間まで、庭で、鉱石の神ダンジョンの資料と本を読みながら、ピーチたちと遊んだ。


セラに呼ばれて、晩御飯を食べに食堂に向かうと、

げんきの希望したピザは無かったが、

グラタン、ドリア、鳥の丸焼き、などオーブンを使って作られた物がテーブルに並んでいた。


「げんくん、ごめんね〜。ピザ作ってないんだよね〜」

「ん?いや、大丈夫だよ」

「どうせ、ごはんの後に、ミーティングするから、その時に、ピザ焼くんだ〜。どうせなら、焼きたてがいいでしょ〜?」

「おー、さすが、楓。やったー!ピザ食えるー!」


楓の下げてから、上げるということの典型的なやり方に、げんきは、気づかず、喜んでいた。


げんきたちは、ごはんの後にミーティングするので、

普段もより早い17時から、みんなで、晩御飯を食べ始めた。



「じゃあ、明日からのミーティングを始めるよ」

「はーい」×多


げんきは、屋敷にいる全員が集まったところで、楓特製ピザを片手に、ミーティングを開始した。


「明日から、みんなで、鉱石の神ダンジョンに行こうと思います」

「やっと、神ダンジョンか〜」

「楽しみだねー」


神ダンジョンに挑むと言うと、

楓と椿、ピーチたちは、嬉しそうにしていて、

マリアたちは、少し強張った表情になり、

セラたちメイドは、私たちもでしょうか、と聞き返してきた。


「そうだよ。ここに居る全員で、神ダンジョンに挑むつもり」

「足手まといになると思うのですが?」

「うーん、セラたちも来てほしいな。今のままだと、後半は、確かに、足手まといのような感じになる可能性もあるけど、レベルも上がるし、軽く戦闘訓練すれば、大丈夫だと思うよ」

「はい!足手まといにならぬように頑張ります!」


セラたちが、げんきの言葉で、やる気になったので、

げんきは、鉱石の神ダンジョンの資料と本をテーブルに出して、説明を始めた。



鉱石の神ダンジョン 攻略済み


階層は、1〜115


ダンジョンに入れるパーティーの制限は8パーティー


ボス部屋に入れるパーティーは3パーティー


出現するモンスターは、金属系


ドロップは、鉱石関連


攻略済みなので、転移陣は、1階層、51階層にあり


モンスターのレベルは、階層×3


ボス部屋は、各10階層毎


115階層のボスは、レベル450台のギガントアダマンタイトゴーレム 希少種


本に載っていなかったレアボスは、60、80、90、100、110、115階層


「………と、これが、鉱石の神ダンジョンの簡単な説明だな。気になるところがあれば、資料と本を見てくれ」


マリア、レイラ、セラが、本を読み始めて、

シャル以外のメンバーが、その周りで、話し始めた。


シャルは、げんき、楓、椿、ピーチたちが、ピザを食べている場所に来て、一緒にピザを食べていた。



それから、1時間程経って、マリアたちは、本を読み終わり、周りのメンバーと話し合って、げんきのところに来た。


「げんき様、その、私たちも戦うのですよね?」


マリアが、メンバーを代表して、げんきに尋ねた。


「もちろん」

「そうですよね……70階層くらいから、お役に立てそうにないですよ?」

「あー、なんだったっけ……確か、レベル200かレベル300以上には壁かなんかあるんだっけ?」


げんきは、今まで集めた情報の中に、うる覚えだったが、思い出した。


「そう聞いてます。レベル200を超えられるのは、一握りの者だけ、英雄や勇者なんて、言われてる者だけと」

「別に気にしなくていいと思うよ。壁があるなら、越えればいいんだから」


げんきは、下を向いているマリアに、優しく、返した。


マリアたちは、げんきに軽い感じで返されて、げんきが言うなら、大丈夫かも、と少し気が楽になった。


「あっ、それと、61〜70階層のメタルトレント対策で、全員に盾があった方がいいと思います」

「あー、確か、小さい金属の塊を飛ばしてくるんだったっけ?」

「はい!直接攻撃に弱く、魔法も効きにくいと書いてありましたので、接近するときに必要かと」

「了解した。この象皮の盾でいいなら、後で、出しとくから、明日の朝にでも、みんな取っといて」


げんきは、マジックバッグから、象皮の盾を取り出して、マリアに付加を説明した。


象皮の盾ーダメージ吸収、衝撃吸収

(ダメージ吸収ー防御力に応じて、盾で受けたダメージを吸収する。衝撃吸収ー防御力に応じて、盾で受けた衝撃を吸収する)


「はい!これなら、大丈夫なはずです」

「了解」


その後、マリアたちが、本と資料を見て、気になった細かいところを、マリアが質問して、げんきが答えていった。



「今回のパーティーなんだけど……」


メインパーティーは、

げんき、楓、椿、アスカ、ミカ、シャル。


第2パーティーは、

マリア、レイラ、シャーリー、イリー、エリー、ドリィ、アリソン、チャイ、

のシャル以外のオークション組。


第3パーティーは、

ピーチ、ハク、クロ、ショコラ、ルビー、ホワイト、マロン、クルル、

の従魔組。


第4パーティーは、

セラたちメイド8人組。


「このメンバーで行くつもり」

「ボスは、どう分けるのですか?」

「メインパーティの俺と楓、椿を分けて、俺と第4パーティー、俺以外のメインパーティーと第2、第3パーティーに分けるつもりだけど、ボス部屋の仕組み次第では、少し変える可能性もあるかな」

「ボス部屋の仕組みですか?」

「そう、もし、ボス部屋に3パーティーで、入って、1つのパーティーが階段で下に行けて、もう2つのパーティーが、ボス部屋の前に戻れるなら、次に進む時により安全に行けそうだと思ったんだ」

「なるほど、確かに、それが可能なら、安全性は上がりますね」


マリア以外のメンバーもげんきの話しを聞いて、関心していた。


「みんなで、行くとなると、一気に115階層のボスまで進むのですか?」

「そのつもりだよ。でも、総合ギルドオークションに参加するつもりだから、最低でも、オークションの前日には、戻ってくるつもり」

「オークションは、月末ですから、えーと、9日後ですから、神ダンジョンの攻略に7日しか時間ぎないですよ?」

「まぁ、そういう事だな。本に載ってないレアボスの確認もあるから、予定通りに行くかわからないけど、希望としては、6日で115階層のボスを攻略して、ボスの周回をしたいところだな」


マリアは、げんきの計画に、口を開けて固まってしまった。


通常の場合、神ダンジョンの攻略は、攻略済みで、転移陣があったとしても、最低一カ月はかかるのだ。


「まぁ、予定通りに行かなくても、今のみんなの力なら、1日あれば51階層の転移陣までは行くだろうから、オークションの後に攻略に戻ればいいよ」

「そ、そう、ですね」


その後、げんきたちは、明日からの予定がまとまったので、

ミーティングは解散となりみんな、明日に備えて、休養をとることになった。


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