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115.メタルカメレオン戦終了


「残るは、メインのカメレオンだけだな」


げんきたちは一斉に、白い塗料で、バレバレなのに、未だに最初にいた壁から動かないメタルカメレオンを見た。


「あれも、採掘出来るのでしょうか?」

「わからない。でも、子供で出来たら、大人も出来ると思いたいところだな」

「あれも捕まえるのでしょうか?」

「とりあえず、動けなく出来たらしてみて、無理なら檻に捕獲してみるよ」


げんきは、メタルカメレオンが、採掘出来た場合に、サイズが3メートルくらいと大きいので、檻に捕獲すると、メイドたちが採掘しにくい、もしくは、出来ないので、出来る事なら、檻以外の方法で、動けなく出来たら良いな、と思っていた。


メタルカメレオンは、げんきがゆっくり近づいてきているのに気づいて、長い舌を伸ばして、200メートル以上離れたげんきに攻撃を開始した。


げんきは、舌の攻撃を避けながら、眼で、メタルカメレオンを深く観察して、何か方法は無いかな、と考えながら、近づいていった。


「あー、もう、鬱陶しい!」


メタルカメレオンは、100メートル圏内にげんきが近づくと、扇状に広がる移動阻害の粘着性の液体を2体が吐き出して、げんきを攻撃し出し、げんきとの距離を100メートル以上取るように、移動し始めた。


げんきは、攻撃の範囲が無駄に広くて、液体を避けても、地面に残る液体に、移動し辛くて、イライラしていた。


常に、距離を置いて、攻撃して来たので、

げんきも、接近する為に、攻撃することにして、軽く重力魔法を2体に使うと、2体はその場から動けなくなった。


「うーん、これなら、動きは止められるけど、みんなも近くにいくと、重力魔法の影響を受けるしな……」


重力魔法を使っているげんきや、ステータスの高い楓や椿なら、重力の影響をほとんど受けずに行動できるが、今のメイドたちだと、ツルハシを振ることが難しいだろうと思っていた。


げんきは、メタルカメレオンが、重力魔法で、どのくらいダメージを受けているのかを観察しながら、一体ずつ近づいていき、結界魔法で、結界の中に閉じ込めて、一応、捕獲することができた。


捕獲出来たので、重力魔法を解除して、メタルカメレオンの半分以上のHPが重力魔法で削れていたので、

ヒールで全回復してから、みんなのところに戻った。



「げんき様、お疲れ様です」×メイド

「ん?ただいま」


げんきは、メイドたちの出迎えを受けて、セラに差し出された果実水を飲んだ。


「一応、結界の中に閉じ込めたよ」

「おめでとうございます」×メイド

「でも、今のままだと、採掘出来るか、わかんないんだよな。俺が攻撃して、一撃で死んだら、勿体ないしな……」


げんきが、悩んでいると、

セラがメイドたちより、二歩ほど前に出て、話しかけてきた。


「その、つかぬ事をお聞きしますが、げんき様は、結界魔法がお使いになられるのでしょうか?」

「使えるよ」


げんきは、何を今更、と軽く答えた。


「えーと、では、この結界も、カメレオンを捕まえている結界も、げんき様の魔法ですか?」

「ん?そうだよ。結界魔法が使えるの言ってなかったっけ?」

「あ、はい。今知りました」

「そっか、ごめんね。今は、捕まえたカメレオン2体以外の敵は居ないから、結界の外に出ても平気だよ。てか、この結界要らないな」


げんきは、パン、っと手を叩いて、げんきたちを守っていた結界を解除した。


セラは、げんきが結界魔法と言う、選ばれた者しか使えない魔法を使えることに驚いていたが、

げんきが、手を叩いただけで、結界魔法を解除したので、口を開けて、固まってしまった。

他のメイドたちも、セラと同じように固まっていた。


「それで、カメレオンを結界の中に閉じ込めたんだけどさ、何か動かなくなるような方法ないかな、金属だから毒系の状態異常には、ならないんだよなー、って、おーい、セラ」


げんきは、セラたちが固まっているのに途中で気づいて、独り言を言っている感じになっていたので、

何か、恥ずかしくなって、セラたちを揺すって、正気に戻した。


「あ、あっ、はい!大丈夫てす!」

「そうか、良かった。それで、話を戻すけど、金属が動かなくなる方法とか知らない?」

「うーん……私は、知らないですね」

「みんなも、何か方法知らない?」


げんきたちは、全員で、メタルカメレオンが動かなくなるような方法を考え始めた。


みんなで、考えた案は3つ。


1.雷魔法で、電気を流して、麻痺状態にする。

ただし、メタルカメレオンの弱点の雷魔法を使うことになるので、威力の調整が必要。


2.氷魔法で、身体の内側を固めて、凍結の状態異常にする。

これは、メイドの1人の意見で、金属系のモンスターでも、凍結の状態異常になることがある、と聞いた。


3.重力魔法で、押さえつけている中で、メイドたちが、重くなったままの状態で、メタルカメレオンを攻撃する。

これは、げんき的に最終手段だが、セラたちは、構わないと何故かやる気。


話し合いの途中で、げんきが、重力魔法を使える、と言ったら、また、セラたちが固まったので、げんきは、苦笑いしながら、正気に戻した。


他にも、呪魔法や邪魔法でメタルカメレオンの能力を下げるや幻魔法で動きを封じる、といった案もあったが、げんきは、今まで、弱体化させる系の魔法を使って来なかったので、出来るか不安があったので、使えないような感じに話しを濁した。


「とりあえず、1と2の案を試してみよう」

「はい!」×メイド



げんきたちは、話し合いが終わると、

全員で、結界を攻撃しているメタルカメレオンのところに向かった。


「まずは、1から」


げんきは、結界に雷魔法を混ぜて、電気を流した。


メタルカメレオンは、結界を攻撃して、電気を受けて、感電して、見るからに分かりやすいバチバチと電気が流れている麻痺の状態になった。


「よし、成功だ!行くぞ、セラ!」

「は、はい!」


げんきは、麻痺したので、セラを連れて、結界の中に入った。


「セラ、ツルハシで、殴ってくれ!」

「かしこまりました!」


セラは、持っていたツルハシで、メタルカメレオンの足を攻撃した。


「どうだ、採掘出来るのか」


げんきが、セラが攻撃した箇所に注目していた。


ポン、ドン、

セラの足元に、チャイルドの時よりも大きな石がドロップした。


「げんき様!」

「よし!カメレオンめ採掘出来た!」


セラは、ドロップしたことをげんきに伝えて、

げんきは、メタルカメレオンも採掘出来ることに喜んだ。


セラは、ドロップした石を持ち上げようとした。


「くっ、早いな。セラ!」


げんきは、セラに向かって、走り出して、セラを担ぎ上げると、結界の外に出た。


げんきたちが結界に出た瞬間、その後ろから、バン、とメタルカメレオンの舌が結界にぶつかる音が聞こえた。


そう、セラがドロップを回収しようとした瞬間に、メタルカメレオンの麻痺が解けて、セラを狙って、攻撃を仕掛けて来ていたのだ。


「げんき様、あ、ありがとうございます」


げんきは、何故か、顔が赤くなっているセラを地面に下ろした。


セラは、げんきに下されて、顔を赤くして、お礼を言ったが、

げんきは、考え事をしていたので、セラが赤くなっていることに気づいていなかった。


「カメレオンが、麻痺していた時間は?」

「はい!約15秒ほどかと」

「短過ぎだな……」


げんきは、メイドの1人に麻痺していた時間を聞いて、短過ぎる、とメタルカメレオンを眼で確認した。


カメレオンは、再度、結界に触れた事で、麻痺していた。

2回の結界に触れた事で、メタルカメレオンのHPは、3割くらい削れていた。


げんきは、採掘するとなると、この方法は、ダメだと、結界の雷魔法を解除して、メタルカメレオンにヒールをかけた。



「チャイルドよりも、サイズの大きい擬態石が、採掘出来ることがわかった」


げんきは、みんなに、伝えた。


「ただ、1だと、麻痺している時間が、短くて、採掘どころじゃないし、ダメージが高くて、採掘し終わる前に、カメレオンが死んでしまうから、2を試す」

「はい!」×メイド

「ハク、手伝ってくれ」

(はい!)


げんきは、ハクを連れて、結界を攻撃しなくなったメタルカメレオンのところに行った。


「学習能力は、あるみたいだな」


メタルカメレオンは、結界を攻撃すると、ダメージを受けるとわかって、結界を攻撃しなくなっていたが、げんきたちに舌を伸ばして攻撃する準備は整えていた。


げんきは、結界の中に、氷魔法と空間魔法で、極寒地帯と0度以下、氷点下の冷気を作り出した。


げんきが結界の中を変化させて、1分ほどで、メタルカメレオンの動きが、鈍くなってきて、3分経った時には、全く動かなくなってしまった。

眼で確認したら、凍結の状態異常になっていた。


げんきは、ハクを連れて、結界の中に入って、あまりの寒さに身体を震わせて、ハクに抱きついて、自分の魔法で固まるのは嫌だと、魔法を解除した。


「ハクー、温いなー」

(あるじ、恥ずかしいです)


げんきが、ハクに抱きついて、温もりを感じて、ハクを撫でたら、

ハクは、恥ずかしいと言いながら、嬉しそうにしていた。


「こっちは、溶けるまで時間がかかるみたいだな」


ハクに抱きついたまま、1分くらい経ったが、メタルカメレオンは、動く気配は無く、状態異常も回復しなかった。


ただ、げんきの眼で確認すると、メタルカメレオンの身体の中心から順に、凍結から回復していっているのがわかった。


今回のダメージに関しては、メタルカメレオンのHPを4割くらいで、継続して凍結状態に出来るなら、採掘出来そうだった。


「ハク、カメレオンは内側から、回復してるから、内側だけ凍らせれる?」

(内側に触れたら出来そうです)


げんきとハクは、さっきセラが攻撃して、皮が剥がれて、内側が剥き出しになっている足に向かった。


「ここなら、内側に触れられる筈だ。外側を凍らさないように、試してみて」

(了解です)


外側を凍らせると、氷で覆われて、採掘出来ない可能性があるから、内側だけを凍らせたかった。


ハクは、白い塗料がなくなって、黒くなっている場所に、前足を置いて、氷魔法を発動させて、メタルカメレオンの内側に冷気を流し始めた。


「おー、いい感じ、いい感じだよ」


げんきは、眼で、メタルカメレオンの回復してきていた内側が、また凍りついたのを確認して、ハクを撫でた。


ダメージは、ハクの冷気で、5パーセント。

凍結の状態異常で、30秒ほどで、1パーセント。


「これならいける!ハク、この状態をどれくらい持たせることができる?」

(これだけなら、1日は持ちます)

「よし!なら、採掘が終わるまで頑張ってくれ」

(了解です)


げんきは、メタルカメレオンにヒールをかけて、回復して、凍結状態のままなのを確認して、結界の外に出た。



「みんな、カメレオンを凍結状態にした。それに、異常が治らないように、ハクが凍らしてくれてる。今から採掘を始めよう!」

「はい!」×メイド


げんきは、セラたちの返事を聞いて、凍結状態のメタルカメレオンの結界を解除した。


結界の解除をして、凍結状態なのを確認すると、

げんきは、セラたちに、開始を指示して、ピーチたちをハクのいる場所に集めた。


「ハク、クロ」

((はい、あるじさま))

「ハクは、3分おきに、カメレオンに冷気を流して、カメレオンを凍らせてくれ。クロは、その都度、ヒールで、カメレオンを回復させてくれ」

((了解です!))


クロは、ハクの背中に乗って、メタルカメレオンの回復に備えた。


「ルビーとホワイトは、セラたちの採掘の補助に回ってくれ。他は、セラたちが、採掘した大きな擬態石の回収して回ってくれ」


ピーチたちは、一斉に、げんきの指示通りに動き始めた。


げんきは、メタルカメレオンの全体が見える位置に下がって、メタルカメレオンの状態と採掘の進み具合を観察を始めた。


それから、30分、採掘は順調に進んで、メタルカメレオンの白い塗料の場所の採掘は終了した。


メタルカメレオンは、白い塗料の部分が無くなって、全身黒い金属が剥き出しになった。


一回、セラに黒い部分もツルハシで、攻撃してもらったが、採掘のドロップはなかったので、

げんきが、雷魔法のライトニングで、メタルカメレオンを倒した。


その後、20分程、みんなで、休憩をして、

残りのメタルカメレオン一体も、同じように、凍結させて、全身採掘してから、げんきが倒した。



「みんな、お疲れ様」


げんきは、もう一体のメタルカメレオンを倒して、

みんなの方を向いて、言葉をかけた。


そして、部屋の中央に、3つの普通サイズの金製の宝箱が出てきた。


げんきたちは、みんなで、宝箱の方に歩いていき、げんきがみんなに急かされて、宝箱を開けていった。


1個目は、メタルカメレオンの素材、金貨、宝石など。

2個目は、武器や防具、装飾品。

3個目は、魔道具、本、魔法アイテムなど。


セラたちメイドは、今までと比べものにならない、宝の数々に目を輝かせて、興奮していた。


セラたちが、落ち着いたところで、

げんきは、宝箱の中身をマジックバッグに入れていった。


「予想以上に、カメレオンに時間かけちゃったから、一回、ボス部屋の前に戻って、晩ごはんを食べよう」

「かしこまりました」


げんきたちは、ボス部屋の前に戻って、みんなで、晩ごはんを食べることにした。



げんきたちが、お昼ごはんを食べた時と同じように用意をして、晩ごはんを食べていたら、

げんきのマジックバッグに楓から、手紙が転送されてきた。


「みんな、楓たちは、今日、55階層で、泊まるってさ」

「はい。それで、私たちは、いかがなさいますか?」

「俺たちも、今日は、ここに泊まろうと思う。明日の朝にボスを倒して、明日の昼には、楓たちに追いつく予定かな」

「かしこまりました」×メイド


げんきたちは、晩ごはんを食べ終わると、

セラたちメイドは、2組にわかれて、

1組は、片付け、

もう1組は、この場所に泊まる為のテントの用意をしていった。


げんきは、錬金創造で、簡易のトイレやお風呂を作った。


セラたちの設置した迷彩テントに、簡易のトイレやお風呂を設置してもらい。


げんきは、ストーンウォールで、壁を二重にして、

結界魔法で覆った。


ある程度の安全を確保して、げんきたちは、今日の疲れを取る為に、休んだ。


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