プロローグ
初投稿です。温かい目で見ていただければ幸いです。
「なんでこうなった」
空港でつぶやく男げんきはどこにでもいる21才の大学生である。
「もういい加減諦めな」
笑いを堪えながら幼馴染のコウが言うと空港まで送ってくれたコウ含めた幼馴染3人が小さく笑いながら肩を叩いてきた。
「スロットの新台が……」
「げんくんは私達よりスロットの方大事なんだ」
つぶやいたげんきの後ろから抱きつきながら妹の椿(17才)が言ってきた。
「げんくんは私達の誕生日なんてどうでもいいってパパとママに報告しないとな〜」
もう一人の妹の楓(17才)がニヤニヤしながらげんきに抱きついてきた。
「いや、それは……」
げんきの一言を聞いてコウが笑いだすと周りも笑いだした。
「おっと、そろそろ時間みたいだし、旅行楽しんでこいよ……俺はスロットの新台楽しむからよ」
「コウ最後の一言はいらないだろ」
「いやいや、げんきほどじゃないが楽しみにしてんだ」
「俺が帰ってくるまで待ってくれないのかよ」
「わかってて言うなよ」
いつもどおりの軽いやりとりをして幼馴染に見送られげんき達は搭乗ゲートに歩いて行った。
パリ行きの飛行機が飛んですぐに寝たげんきは少ししてから楓に起こされ2人とパリに着いた後のおおまかな予定の確認をしてからのんびり話していた。
「それにしても2人ともよくもまぁ3年近く芸能活動やってたよ」
「まぁね〜」
「なかなか頑張った」
「途中からの2年近くは俺も巻き込まれたけどな」
げんきが軽く悲壮感を漂わせながら2人に言うと2人は急いでげんきから顔を背けた。
双子の姉の楓と妹の椿は中学3年の夏過ぎから小さな芸能事務所からモデルとして芸能活動を開始して、高校3年になった12月の末まで活動していたが俺と同じ大学に通うために芸能活動を休止した。
巻き込まれた2年近くというのは2人が活動しだして1年近く過ぎた頃、高校生になってたまにテレビに出てり、雑誌のグラビアをしたりとモデル以外にも忙しくなってきていた頃、担当のマネージャーが疲労から倒れて入院することになり、2人に甘い両親と芸能事務所のお偉いさんに頼まれ退院するまで2人のマネージャーをする事になり、退院するまでのはずが2人に泣きつかれ、大学2年から休学して2人が休止するまでマネージャーとして頑張っていたからである。
「ハハハ、あの時のパパとママはチョロかったよね〜」
と楓が言うと
「確かに、楓と椿のお願いって言ったら2人とも喜んでげんくんをマネージャーにって事務所の社長さんに電話してたもんね」
と椿が続いて言った。
やっぱりか、ちゃんと聞いたことはなかったげんきだが、両親が2人に甘いのはわかっていたのでガクッと顔を下げた。
そんな話しをしていた時
急に機内が真っ暗になり、周りから悲鳴が聞こえてくる
げんきは反射的に2人に覆い被さるように身体を動かそうとしたが力が入らず動けず、声をかけようにも声もでず、それでも妹たちに目を向けようとした時
白い光に包まれ意識が途切れた。