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魔族戦争編 87話


ラスティ一向を見送ったところで、俺とじぃと向き合う。俺の真面目な表情にじぃは真顔で俺の話を待つ。


「俺はこれから少し出る。時間でいうと2週間といったところだ。その間、屋敷のことは頼む」


「承知しました。なるべく早めにお戻りください」


「わかってる。」



俺は指笛を鳴らすと、城の裏から黒馬が走ってくる。俺は黒馬が横を通るのに合わせて手綱をつかみそのまま跨る。そして、俺は振り返らずに軽くじぃに手を振る。



「ロット、案内を頼む。」


『了解です。時間が少ないのでかなりハードになると思います。帰りは影渡りを行いますので』


「ふっ‥上等だ」


魔族の地を抜けると、同時に姿が元に戻ってしまった。しかし、そこで終生の森で倒したブラックゲンガーの持っていた『変身』を使う。見た目だけだが、闇魔剣士の時のように姿をデュークに変える。元の状態だと、もし俺の知人やウェッタ関係者に会うとまずいことになると思うし、視点が低すぎる。まあ、この状態でなら聖魔法も使えるからな。整備されていない獣道をものすごい速さで黒馬が駆けていく。体感だが100キロ以上は出ているのではないか?

たまに魔物が出てくるが全て黒馬の足蹴りで吹き飛ばされ踏み潰されていく。ゴブリン程度ならまだわかるが、黒馬が吹き飛ばすのは熊の魔物などで結構高ランクなのだ。魂を保存したかったが、黒馬をいちいち停めてからスキルを奪うのも面倒なので俺がスキルを上げる時は徹底的に奪っていこうと思う。


『このまま走っていき、近くにあるダンジョンでスキル上げを行います。ダンジョンを制覇していただきます。』


「は?ダンジョン?」


この世界にもダンジョンというものが存在する。ダンジョンはいろいろな種類があり、未だ謎が多いそうだ。入り口が洞窟や扉だったりとその形もバラバラだ。とりあえず階層があり、最深部までたどり着けばダンジョンを制覇したことになるのはどのダンジョンも同じだ。ダンジョンにも魔物が生息し、奥に連れて強さが変わるがダンジョンには宝箱が多数あり価値も高いそうで多くの冒険者がダンジョンにアタックするそうだ。

ちなみに俺はダンジョンには入ったことがない。学園で習うはずだったのだが、その前に行かなくなってしまっている


「学園か…いつか戻れたらいいな…」


短かったが、楽しかった日々を思い出す。懐かしいな〜

なんてことを考えていると、木々がまばらになっていき、足場が悪くなってきた。溶岩が冷えて固まった地形のようだ。さすがの黒馬も速度が落ち始めてきた。


『ここからは足場が悪いので黒馬から降りて移動してください。黒馬なら一匹でも二、三日なら生活できます。』


「ああ」


俺はそっと黒馬の手綱を引き、黒馬を止めるとおりる。黒馬はじっと俺を見つめてくる。俺はそっと頭をくしゃくしゃと撫でてやる。


「俺は少し行ってくる。お前はそこらへんで遊んでおいてくれ。できるだけ早く帰ってくる」


そういうと、黒馬は鼻をならし森の方に走り出す。俺は黒馬を見送ると、先に進む。足場があるいが鍛え上げた脚力のおかげで難なく進める。見る限り生息している魔物も変わっており、二足歩行で歩く蜥蜴人間や炎を背負うリスなどがこちらを伺っている。しかし、どれも襲ってくる気配もなく遠くから見ているといった感じだ。

なぜ襲ってこないんだ?


『ダンジョンに入るまえだからです。ダンジョンから出てくると、襲ってきます」


それはダンジョンから帰ってきた冒険者はボロボロだからそこを襲うってわけか…頭がいいな。俺大丈夫かな?…

まあ、なんとかなるだろう。そういえばなんのダンジョンなんだ?ダンジョンにも生息する魔物の種類が決まっていると聞いたが


『アンデッド系等です。聖魔法の結界を発動させながら進んでいけば序盤では結界に触れただけで浄化されます。』


そういうことか…って浄化したらスキル奪えなくないか?


『はい、序盤ではゾンビなどが主なのでスキルを得れますが、帰る頃には解決します』


どういうことだ?まあいい。

しばらく歩いていると、地面に裂け目が出来ていた。地割れのようなだが、ここから魔素が溢れているのでここがそのダンジョンの入り口だと思う。さあ、入るか…



白を基調とした一室、そこには至る所に分厚く古そうな本がばらまかれ、多くの紙が散乱している。床と同じ状況な机の上で突っ伏す老人がいた。真っ白なヒゲに深い皺、そしてひどい隈がある老人は静かに寝息を立てている。そんな一室の扉がものすごい勢いで開けられる。あまりの衝撃で開いた扉の風で書類が吹き飛び、積まれた本が崩れる。そして開けられた扉からフル装備の男たちが多く入ってくると、最後に一人の老人が入る


「な、なんじゃっ!」


「プロキオン殿。バルボッサ国王がお越しです。」


「プロキオンよ。吸血鬼の皇帝の心臓を持ってきたぞ。」


最後に入った老人は、手に持っていた布を解いていく。隈の老人はいそいそと着ていた白衣のポケットからメガネを取り出しかけると、同時に布が解けた。老人の腕には真っ赤な拳大ほどの心臓が載っていた。


「ま、まさか…本当に持ってくるとは…バルボッサ様…本当に堕人にられるのですのか」


「そうじゃ。ワシがこの世界を支配するのもあと少しか。はははは!笑いが止まらぬわ!」


「恐ろしい…」


「うるさいぞ。プロキオン。」


「も、申し訳ありませぬ…それで肝心の聖女は見つかったのでしょうか?…」


「それがまだ見つかっておらんのじゃ。だが、目星はついておる…」



あれ?プロキオンって前に出て来たけどおかしくない?と思うかもしれませんが安心してください。あってますから!



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