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学園編 86話

かなり時間が空いてしまって申し訳ありません

「い、行くのだな…本当に…」


「いやならいいぞ?」


「行くに決まっているだろう!」


学園では週に二日休みがある。休みは基本何をしてもいいのだが、多くのものは勉強やスキル上げなどをして過ごすのだが、今私は制服ではなく私服で中級生の森にを進んでいる。きちんとした装備もなく森を進むのは自殺行為であり、学園でも校則になっている。なぜ私がそんな危険な真似をしているのかというと、この学園から出て魔剣というものを手に入れに行くからだ。私は前を進むオリオンの後を必死についていく。険しい森だというのに、平然と進んでいくオリオンはやはり同級生とは思えない。そして…


「オリオンくん。少し早いのでは?カフくんが大変ですよ」


「大丈夫です…フルーク先生」


「そうですか…」


「ったく、カフは体力がないな。って、ラスティは!?」


「ここだよー」


フルークの背中から顔を出し、手を振るラスティ。ラスティは早々に体力が尽きたのでフルーク先生が背中に背負っている。なぜ、ここにフルーク先生がいるかはわからないが、オリオンにも考えがあるのだろう。


「さて…ここでいいだろう。全員集まれ」


少し開けたところに出ると、オリオンが立ち止まる。オリオンはブツブツと何かを詠唱すると、オリオンの影が形をかけ大きな円になる。これは…体感できるほど濃い闇魔力…


「さあ、中に入ってくれ。フルーク、ラスティを魔力で覆ってから入ってくれ。魔法を消されちまう」


「わかっておりますよ。今現在『聖の魔力』で逝きかけておりますよ。ははは…」


「同情はする…」


遠い目でフルークを見つめるオリオン。しかし、その聖の魔力とはどういうことだ?…


「おい、オリオン。その聖の魔力とはなんなのだ?…」


「あー…説明してなかったか…なぜ俺がラスティと一緒にいたかにもつながるんだが。まあ、今度詳しく話す。今はいいだろう。さあ、入れ」


「待て。今説明しろ…」


「説明してやってもいいが、魔剣はいらないってことでいいな?」


「な、なぜそういう話になる!」


「なぜって、長くなるからだ」


「それでも今話「では、私から行かせてもらいます。行きますよ、ラスティさん」


私とオリオンの間をフルークが通りすぎる。そのせいで、会話がかき消された。

フルークはラスティをおんぶしながらそっと円形になった影に片足を入れると、片足は地面を掴むことはなく膝下までゆっくりと沈んでいった。もう片方の足も影に入れると、徐々に沈ん行く。まるで、底なし沼にはまったように影の中に入っていく


「お、おい!これは本当に安全なのだろうな!?」


「大丈夫だ。早くしろ」


「う、うう…」


「何なら、ラスティのように俺がおんぶしてやってもいいぞ?」


「だ、黙れ!不埒者!一人で行く!」


何を考えているのだ、こいつは。同級生での異性をおんぶする!?そんなことされてたまるか!

ラスティが先に行ったのだ…私も行くしかないだろう…ふぅー…はぁ…

そっと影に足を入れると、地面の感触はなくひんやりと冷たい何かが足にまとわりつく。純度の高い魔力…だが、どこかこの魔力に心あたりがあった。私が魔族に殺されかけた時に感じた温かな魔力と似ている気がする…

考え事しているといつの間にか足元に感覚があったので、ゆっくりと前に進んで行く。未だに視界は真っ黒であたりが見えない。突然足にとっかかりを感じ、転びそうになり手を着くとどうやら階段になっているようでゆっくりとその階段を上っていく。徐々に上が明るくなってくる。どうやら出口のようだな…


「ちゃんと来れたようで安心しましたよ。ようこそ、ステップールへ」


登りきると笑顔で見下ろしてくるフルークが立っていた。その隣ではラスティが眠そうな表情で目をこすっている。


「ステップール!?学園からどれだけ…」


「ふふふ。驚くのはいいですが、そこを早く退いた方がいいと思いますよ。オリオン君が出てこれませんから」


「邪魔だ、カフ」


「す、すまない!」



学園の校舎前に多くの教員が一列に整列している。皆緊張した面持ちで会話もない。数分後、校舎前に一台の馬車が到着した。馬車を操縦していた男がすぐに降りて、馬車の扉を開けると一人の男が出てきた。男は馬車から出ると、待っていた教員を見渡す。すると、一列に整列していた教員の先頭に立っていた男が作ったニヤニヤとした笑顔を浮かべながら近づく。


「お待ちしておりました、ティコ様。私がメッタルム学園の元理事長のキュー…「知っておる。キュールといったか。」


「え、ええ。ささ、学園へどうぞ!」


「その前に我が子たちの顔を見たいのだが?」


「えー…現在授業中でして…はい…え…」


「それは私の出迎えより授業を優先したということか?それは我が子の意思なのか?それとも…」


「それは、ご子息の意思であります!」


「いいではありませんか、父上。時間もあることですし。カシオペア家は夢中になりやすい血ではないですか」


「それもそうだな、ツィーよ。キュールよ、案内してくれるか?」


「は、はい!」




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