魔族戦争編 86話
遅くなってしまって申し訳ありません。そして、今回は補足的な感じです
「さあ!始め!」
楽しそうにニコニコしながら叫ぶ少女…ヒルを横目で見ながら俺は目の前の黒い三体の化け物と対峙する。不気味に首や肩などをカクカクと震わせながら俺を見てくる三体。
どうやら自分からはこないようなので腰に差してある星斬りを抜く。正直、威圧だけでも相当強いことがわかるので、こっちも最初から本気でいかせてもらう。
一番近くの一体に素早く近づくと、試しに追加スキル『スラッシュ』を発動させた斬撃を叩き込む。
「っ!…」
完璧に異常の肩から腰まで振り下ろした剣は何の手応えもなく体をすり抜ける。その瞬間さっきまで動かなかった異形が拳を振り回してくる。その拳は予想を超えて早く風をきる音ともに迫ってくる。完全に当たると覚悟してが、追加スキルを使ったおかげか、体が勝手に拳を剣で逸らすと共にバックステップで距離をとった。
「おい!攻撃が当たらないってフェアじゃねーだっろっ!」
「フェア?なにそれ!ははっはは!」
ヒルは可愛らしい笑顔で笑始める。反応を見る限り、マジで言葉を知らないみたいだな…
話している間も、異形の攻撃は止まない。辛うじて、かわすことはできるが攻撃ができない以上は反撃に出れない。
『冷静に考えればすぐ終わると思うのですが…』
は?ロット!詳しく話せ!
『精霊は魔力で存在しており、攻撃手段も魔力を利用した魔法です。何の魔力で召喚されましたか?』
闇魔法を召喚陣に流したな…ん?闇魔法!?
俺は素早く闇魔剣士を解除し、小さな背丈のディルに戻る。
「すごいすごい!変身魔法!?…あ」
俺の姿を見たヒルはアホのように口を開き俺をみてくる。俺は星斬りに聖魔力を流しながら、異形の一体に斬りかかる。すると、スライムを切ったような刃に粘り着く感覚で、異形を着ることができたが、異形はバックステップ距離を取り警戒してくる。
「『スラッシュ』」
俺は一気に遠く離れた異形に聖魔法をかけたスラッシュで攻撃をすると簡単に首が飛びその場で倒れた。1体が死んだことで他の二体も動きが止まった瞬間にスラッシュを二発当てる。異形は紫いろの煙を立てながら溶けていった。
「さて、終わったな」
『ギリギリでしたけどね』
最近ロットが冷たいように感じるな…いや、ピリピリしているといった方がいいか?まあいい。
俺はそっとヒルと向かい合うと、ヒルはむむむと唸りながら俺をみてくる。
「さあ、倒したぞ。俺と契約しろ」
「はぁ…わかったよぉ。」
そういうとヒルはちょこちょこと空を歩きながら俺の目の前に来ると、俺の額に軽く口付けをしてくる。柔らかな唇の感覚を感じると、ヒルの額に赤い線が浮かんできた。
「これで契約成立だよぉ〜主さま〜それで、何かようなの?」
「えーとな…」
『オリオンをパペット・マルペットの固有スキル『操り人形』でオリオンの魂を封印し意識を共有させれば終わりです。』
「お前の『操り人形』ってスキルを使って欲しいやつが居るんだが」
「いいけどぉ…悪いことにはつかわない?」
「使うか!さあ、行くぞ!」
「はーい」
△翌日
「ラスティ。カフによろしくな」
「うん…絶対に学園に来てね」
「わかってる。とりあえず、道中はその二人に頼め。頼むぞ?オリオン、フルーク」
△
燃えるように真っ赤なカーペットにキラキラと輝き部屋を明るく照らすシャンデリアと、豪華な装飾の施された一室に二人の男がいた。一人は椅子に腰掛け、もう一人は立ちながら話をしている。一人は魔族、もう一人は人間のようだ。
「カーミラ様。本当にこれでよろしかったので?…サリバンを引き込めれば確実にデュークを殺せたと思うのですが…」
「最初からサリバンを味方に引き込むつもりはない」
「そ、それはどういうことでしょうか!?」
「貴様は本当に頭が回らなぬな。奴は父と仲がいいがあいつは戦争自体好まぬ性格だ。仲間になる可能性はほぼない上にどちらの味方でもない。とりあえず、サリバンはデュークもどきと必ず接触する。その上で、我々はサリバンを討つのだ。さすがのデュークもどきも元魔王が殺されれば少しは脅威に思うだろう」
「元魔王を殺さなければ脅威に思わないのですか?」
「貴様は本当に吸血鬼を知らぬな。貴様は私の言うことを聞けば良い。それに、後2週間でサリバンがここに来るだろう。我々は、父をからかいにでも行くとするか」
今回の話から1週間後に学園に着くので、小説でいうと80話につながることにしてます。




