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7話 ディルの運命

そして、デュークは勇者との死闘の結果…死んだ。それから冒頭につながる。


今俺は老人に抱きかかえられどこかに連れていかれる。必死に老人の腕の中で抵抗するが、老人も大人だ。赤ん坊の俺は無力だった。しばらく連れていかれ、初めて城を出た。歩いて出ていくはずだったんだがな…老人は外に出るとあたりをキョロキョロとあたりを見て、見つけたのかゆっくりと再び歩き始める。

老人の腕の中から、行く先を覗くとそこにはデュークを殺した連中…確か勇者一行が立っていた。清々しい表情だ。うぜぇ…

一行は老人を待っていたようで、老人の姿を見つけた青年が手を振ってくる。老人が近づくとすぐに話しかけてきた。


「遅かったですね!シリウスさん!どうですか?何かありましたか?教えてください!」


「聞いてもお前じゃ分からねーだろ。それで何か国王に伝えることはあんのか?」


青年が老人に嬉しそうに聞くが、拳を象った巨大なバトルハンマーに腰かけ煙草を吸っていた髭面の男がっ直ぐに割り込んでくる。その発言に青年が食い掛かり、口論になるが見るからにジャレているのが分かる。

後ろにいた女騎士が老人が何か抱えている(俺なんだが…)のに気付いたようで、怪訝そうな顔に腕組みをして近づいてくる。


「シリウス殿…何を持って…きゃっ!」


女騎士が老人の腕の中の俺と目が会うと、小さな悲鳴を上げた。その悲鳴を聞き、口論をしていた二人は悲鳴に驚き警戒しながら俺を覗いてくる。


「誰の…」

「なっ!」


二人が顔を合わせて俺を覗いてくる。男は怪訝そうな表情に、青年の方は驚きといった表情だ。そんな二人を押しのけて女騎士が顔を出してくる。かなり鬼気迫る表情でかなり怖い…てか、鼻息荒いっ!女騎士はワナワナと震えながら老人を睨むように見つめる。


「何しやがる!ローズ!」

「そうですよ!ローズさん!もしかしたら危険因子かもしれないんですよ!?」


「か、か…かわ…かわぃぃいいいい!」


突然女騎士が発狂しはじめ物凄い笑顔で俺の顔を見てくる。まるで空腹なライオンが丸々太ったシマウマを見たかのような獲物を狙う目だ…つーか、涎が垂れてるんだが…や、やめろよ…食うなよ…

俺が怯えているのに気づいたのか老人は、そっと俺を抱き上げ…え?


「どうじゃ?抱いてみるかの?」


「い、いいのか…」


「ああ。ワシの子では無いがの。ほれ」


老人はそのまま俺を女騎士に渡す。女騎士はガラス製品を扱うかのように慎重にゆっくりと、俺を抱きかかえる。少しへたくそだが、優しさは伝わってくる。女騎士は満面の笑みだが、二人の男は老人を問いただしていた。


「こいつは誰の子だ?どこから拾ってきた…」


「ロードの死体にくっついて居ったのを引きはがしたのじゃ。」


「では、この子供はヴァンパイアロードの?…先ほど保護した女性との子でしょうか…髪色はロードと同じようですが…」


「いや、それはない。ロードは魔族じゃ、その子どもは必ず魂が濁る。この子には魂の濁りはない、ワシの聖魔法の回復の呪文をこっそりかけたが、何もなかったからのぉ。じゃから、問題はない。まあ、この幼子の年では記憶も残っておらんじゃろ。」


「では、あの女性の連れ子という可能性がありますね!それじゃ、すぐに送らせた方がいいんじゃないんですか?」


女性…マリアか!そうだ!母親だ!会わせてくれ!

必死にアピールするように女騎士の腕の中で暴れるが、女騎士には伝わらず逆に無邪気な子とでも思ったのか「べろべろばぁ〜」をしてくる…


「いや、ロードの死体に触れていたのなら、国王に報告しなければならないだろ…」


「うーん…そうですよね…」


「ワシはどちらでも良いのだが、どうするのじゃ?勇者よ」


「勇者はやめてくださいよ!えーと…では、連れていきましょう。女性も審問会で裁かれますし。この子には赤ん坊ですから質問に答えられませんしやはり国王様に聞かなければ…」


「よし!決まりだ決まりだ。帰るぞ〜。おい、ローズ!聞いてるのか?」


「あ、ああ!聞いている!連れて帰るのだな!で、ではこの私がきちんと抱いておこう。」


鼻息荒く、興奮する女騎士に他の男たちはため息をつく。老人が目を閉じ杖を抱え何かを唱え始める。言葉の意味は分からない…いや、言葉なのかもわからない。まあ、しいて言うなら音か?

老人が唱え終わると、一瞬目の前に強烈な光が現れあまりの眩しさに目を閉じてしまった。



目を開くと城の外ではなく、どこかの部屋の中だった。俺はまだ女騎士に抱かれているようで、女騎士の顔が見える。女騎士は現在兜を外しているので顔がはっきりとわかる。マリアとは違い、金髪にロングヘアで外人のように整った顔立ちで、胸は鎧で分からないがかなり大きいのではないか?

どうやら移動しているようで、視線を前方に向けると青年が先頭に廊下を歩いていた。真っ赤なカーペットに窓から日差しが入り何か神聖な感じがする。そして勇者一行はみな顔を引き締めて歩いているので、余計にそう感じる。しかし、すぐに俺が起きたことに気付いた女騎士は声に出さずに「べろべろばぁ〜」とやってくる。が、一切笑えない

しばらく歩いていると、目的地に着いたのか歩みを止めた。目の前には木製に細やかな彫刻がされた大きな扉があった。


「失礼します」


青年はそういうと、両手で扉を押し開く。扉から徐々に光が漏れてくる。

完璧に押し開け、そして青年を先頭に悠々と部屋に入っていく。俺も女騎士と共に入っていく。

部屋にはデュークと同じように玉座に座った男がこちらを見ていた。鋭い眼光に彫の深い顔で、年はかなりいっているようだが、それより威厳の方が出ている。

勇者一行は玉座の男の前に立つと膝をついて頭を下げる。女騎士も同じく膝をついて、頭を下げるが俺に気を使ってあまり動かさないようにしてくれているようだ。

老人は一回勇者一行を眺めると、口を開く。


「ヴァンパイアロードを討ったようだな。これで民も安心できるであろ。民を代表して感謝する。ありがとう。」


「いえ。勇者として当然の事をしたまでのことであります。」


「そうか。これからも国の為、民の為頑張ってくれ。それで、先ほど魔法大臣から話は聞いた。ローズの抱えているのがロードの体に触れていた謎の子供とな?」


「はい。シリウスさんが聖魔法をかけましたが、何の反応もみせません。それと魂の淀み

は無いようです。」


「そうか…ふむ…」


男は手で顎の髭を触りながら、なにやら考えている。どうなるんだ?…俺は…最悪殺されるか…何故だろ…恐怖心がない…

しばらくすると、手を顎から外しまっすぐ俺を見てくる。俺も反らさず見つめる。


「ハハハっ!面白いガキではないか。よし!では、その子供はしっかりと国が教育する事にしよう」


「なっ…し、しかし…」


バトルハンマーの男が何やら反対意見を言おうとするが、すぐに青年が割り込む。その光景をニコやかな笑みで見つめる老人


「国王様がそう言っているんです。頼もしい騎士となるでしょう」


「フォフォフォっ!やはり、坊主は面白いのぉ」


老人は国王を見るとさらに笑になる。しかし、国王はため息をつく


「シリウス…もう私を坊主呼ばわりは辞めてくれないか…」


「無理じゃ」


「即答か…」


そんなこんなで、俺の事なのに俺抜きでドンドン話がすぎる…俺はどうなるんだ?…

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