40話 スキルと看破
部屋に帰ると、俺はベッドにうつ伏せで倒れブラッディピクシーにつけられた切り傷をラスティに治療してもらう。
それにしても、聖魔法が使えると聞いてはいたがまさか治療ができるとはな…聖魔法か
『聖魔法とは、魔を払う力のある魔法です。魔力の色は月明かりのような白。光魔法と似ている部分がありますが、かなり違い、神に関する祝福を受けたもののみ使用できる魔法』
ふーん…まあ、奪っちゃえば使えると思うし。いつか手に入るだろう…それにしてもさっきの女性はなんだったのだろう…何かがない…うーん…
『報告します。先ほどの女性に触れた時、若干ながら黒魔法の残留魔力がわずかに反応しました。』
黒魔法…ってことは悪魔か。もしかして、悪魔が入り込んだっていうのはその闇魔法のやつじゃないか?…いや、それだと時間的におかしいか?悲鳴が聞こえたのは、放送があって風紀員が森に行ってからだ。つまり、悪魔が見つかって放送が流れ、森に森の警備をした。なのに悲鳴は後から聞こえた…違う。悪魔が逃げて、その時女性に接触しピクシーを?…うーん…わからん。情報が少なすぎる。
そうだ、スキルを見てみるか…
☆スキル
・魂記録
・闇領域
・疾走
・空走天駆 lv2
・揮連携コマンダー
・闇魔剣術 lv9
・闇魔法 lv9
・火魔法 lv2
・闇触力得 lv3
・詠唱破棄 lv3
・剣術 lv7
・槍術 lv7
・弓術 lv3
・偽装 lv6
・悪事 lv1
・威圧 lv2 new!
・筋密度 lv5 new!
・筋力強化 lv6 new!
・狂言 lv5
・無表情 lv6
・自然治癒 lv4
・身体強化 lv7
・物理耐性 lv6
・魔法耐性 lv5
・苦痛耐性 lv5
・悪臭耐性 lv3
・精神攻撃耐性 lv4
・野性的格闘 lv5 new!
・鬼人体術 lv2
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おお!かなり上がってるぞ!やはり強いだけあったな!筋密度?筋力強化?…これがあのブラッディピクシーのサイズに似合わない力の原因か…
『説明します。「筋力強化」とは体を鍛えた際、筋力が上がりやすくなるスキルです。「筋密度」とは筋肉の密度をかなり上げるスキルです。筋肉とは鍛えると大きくなり重くなりますが、このスキルでは筋肉の量を増やすのではなく密度を上げることで見た目以上の力を出すことができます。ステータス上の攻撃力は肉体のレベルと噛み合っていないと発揮できません。』
え?まさか、ステータスに描かれている攻撃力って俺全然発揮できてなかったっぽい?…すると、ステータスの画面が突然変わりステータス欄のみがアップで表示された。
『お答えします。はい。現在発揮できている力は()表示です
攻撃 4200(800)
防御 3314(1100)
魔力 3099(3099)
速さ 4035(1300)
知 3367(3367)
運 350 (350)』
うげっ!全然使いこなせてないやん…ってここまで何不自由なく。いや、逆に強すぎたくらいなのにこれだけしか使ってないのか…これから体をどんどん鍛えていけばいいんだな。まあ、平均がわからないけどいいか…
「終わった…疲れた…魔力ない…」
「おお!ありがとうな。寝な」
「ん…」
カフがそのまま横に倒れるように寝た。今日は色々なことがあったからな…かなり疲れているだろ…俺も疲れた…少し寝るか…
▽
目をさますと、すでに太陽が高く登っていた。初めての寝坊だ…まあ、今日は休みなのだが…軍隊が城に着くまであと二日か…明日の朝になったら移動か。ラスティになって言おうか…
「起きた?…」
「お、おう。ディル…おはよう…」
俺が体を起こすとベッドの脇に正座をしたカフがいた。何かもじもじとしていて気持ちが悪い…
「おう、おはよう。トイレならあっちだぞ?」
「ったく…そんなことではない!ウルサ様が起きたら呼んで来いと言われて…」
「そうか。待ていてくれ…すぐ支度する。」
俺はすぐにベッドから出ると、実家から持ってきた衣服を入れてあるタンスに向かうとその場で着替え始めた。すると、カフが顔を真っ赤にして慌てる
「ま、ま、待て!ど、ど、どこで着替えている!」
「ん?…なんでだ?男同士だからいいじゃんか。ラスティの前でも普通に着替えているぞ?」
「ディル…ばか。カフは…女の子」
「は!?だって…お前…あれ?」
顔を真っ赤にしてそっぽを向く、カフ。マジでか?…まあ、妙に声の高いやつだな。と思ったが…そうか。女か…
俺はそのままズボンを下ろし着替え始める。それがなんだって言うんだ。関係ない。
「着替え終わったぞ。おい、カフ!案内しろよ」
「あ、ああ!わかっている!」
カフが早歩きで前を行くので、その後をついていく。もちろん俺の隣にはラスティがいる。
しばらく歩いていると職員室と書かれた部屋でカフが立ち止まる。数回ノックをすると、扉を開けて中に入っていく。
「ディルを連れてまいりました。」
「ご苦労…ディル。そこの席に座りなさい」
中に入ると、コの字型に机が移動され多くの集会の時集まっていた人たちが座っていた。俺は取り囲まれるように一つ置かれた椅子に腰掛ける。正面にはシリウス、その脇に筆記テストの時の老人が座っていた。俺は黙って腰掛けるとシリウスが声を声を出す
「昨日の出来事じゃが…ブラッディピクシーを倒したのは間違いないな。」
「はい。」
「そうか…では扉を壊したのも間違いないな」
「はい」
「そうか…では、最後に現在の剣術のスキルレベルを言ってみろ」
「はい…」
確か、扉を破壊するにはスキルレベル6以上の攻撃だったか…嘘はつけないか…
「7です」
『14名からスキル「看破」が行なわれました。』
うわっ!14人から看破されてるよ…信頼がないのか…それとも俺が相当怪しいのか…まあ嘘はついてないしな。
「そうか。どうやら本当のようだな…皆、聞いてくれ。ディルは昨夜話した通りじゃ。生まれた時から剣術lv5を所持し、その後も聖騎士のウォッカに剣術を、学んだ。これほどのレベルに到達してもおかしくはない。」
シリウスがそう言おうと皆が静かになる。すると、突然机に足を乗せた坊主頭の男が舌打ちをすると椅子から立ち上がる・
「そうかよ…だったら、おい!テメェ…剣を抜けや。俺は剣術スキルレベル4だ。お前が本当なら俺を瞬殺できるよな?」
「やめないか!ラージアス!席につけ!終生の恥だぞ!それにお前もあの部屋を見ただろう!バカなことはよせ!」
横に座っていたウルサが止めるが、坊主頭の男は机を乗り上げ、俺に向かってくる。すでに腰からは剣が抜かれ両手で持っている。
「あ?びびってんのか?」
俺は黙って剣を抜くと片手で壁を薙ぐ。昨日女性の部屋で追加スキルを検証したが、追加スキルは魔法などと違って詠唱しなくても頭で念じれば発動できるそうだ。横で薙ぐと同時にスキル「スラッシュ」を使った。
すると、ブワッと風が動く音がすると、不可視の刃が飛んでいく。
ザシャッツ…
不可視の刃が壁に当たり大きな斬り跡をつける。大した抵抗も見せずに壁が切れる。昨日の部屋と同じだな…
俺はゆっくりと剣を坊主頭の男にむける。
「さあ、やりましょう?。先輩」
「ディル…大人気ない…」
「俺は子供だ…」




