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20話 学園への旅路

俺が入学する学園『メッタルム』は、独立組織『ギルド』が運営している学園だ。『ギルド』とはある目的を持った人間が集まり組織した団体で、多くのギルドがあるのだが大きく分けると「冒険者ギルド」と「商業ギルド」の二つに別けられる。詳しい事は、学園で習うとシリウスが教えてくれなかった。

いつの間にかギルドの話になっていたが、今は学園についてだ。俺が入学する学園は冒険者や騎士を教育する施設で、『知識』『魔法』『戦闘技術』を10年をかけて学ぶ。低級生・中級生・高級生・終生の四つがあり、三年事に筆記試験と実技試験で進学する。終生は一年間ギルドでクエスト自由に受けることができるが、一年でランクを黒星に上げることが卒業する権利らしい。ちなみに、ギルドではランク付けされていて、赤→青→緑→黒→白→銅→銀→金→プラチナとなる。黒で一人前らしい。


そして、現在城から出て、真っ暗な道を歩いている。城下町の商店街のようだが、どの店もやっていない…暇な俺は脳内アナウンスさんと絶賛会話中だ。最近話し方が砕けて来たので、試しに会話してみたがかなり話が聞けた。


『お答えします。私の存在は言うことはできません。』


なら、答えるなよ…

質問を変えよう。みんなも同じように君の声が聞こえるのか?


『お答えします。聞こえません』


なんか、適当になってきたな…なら聞こえる奴はいるのか?


『お答えします。はい。』


うーん…どんな奴だ?あー答えられなさそうだな…ざっくりでいいから話してくれ


『…お答えします。特別な存在です』


なら、最後だ。君は…この世界に存在しているか?…


『……お答えします…はい…』


そうか。ありがとう…いつか会える時が来るかもな…


『お答えします。ありません』


つれないね〜。まあ、いいさ。

それからは、返事が来なくなった。一体何を基準に返事をするのだろうか…わからない事ばかりだ。

頭が回らなくなりそうなので、いったん考えるのをやめ学園までの地図を出す。みんなには馬車で向かうといったが、ウォッカが歩いてもいける距離だと聞いたので今回は歩いていくことにした。どうせバレやしないだろう…

歩き始めて、いつの間にか門についていた。かなり大きく、しかも鋼鉄で出来ているそうで圧迫感がある。俺はその門の横にある小さな小屋に入る。

中は明るくなっており、前世の空港での入国審査のように一人だけが進めるように細くなっており、その脇に男が立っている。


「あの…通りたいんですが…」


「ん?通りたいのか。身分を証明できるものは持っているかな?」


「あります。これで…」


俺は懐から一枚のハンカチのような布を取り出して男に見せる。この布は、ローズから貰ったものでローズの家の紋章が縫い付けられている。男は驚いた顔をすると、すぐに布を丁寧に畳み俺に返してくる。


「失礼な態度、申訳ございません。どうぞ、お通りください!」


「あ、ありがとうございます…」


男は大げさな敬礼をする。とても恥ずかしいので、そっと通り抜ける。通り抜けた先の質素な扉を開けると外に繋がっていた。外は、すこし太陽が出てきているようでうっすらと明るい…

外から見る門は、内側からみた以上に威圧感があった。しばらく、門を見た後は、まっすぐ門から伸びている道を進む。多くの人や馬車が通ったのか草木がハゲてわかりやすく道になっている。たびたび地図を見ながら現在地を確認する。

しかし、まだ朝が早いので誰も通らない。ここまで静かなのも逆に怖いな…虫が鳴く声や、風が吹く音を聞きながら道を進んでいく。鞄邪魔だな…黒い吃驚箱ブラックボックスに入れておくか…

赤ん坊の頃から無詠唱で魔法を使っていたので、今でも無詠唱だ。いや、もう慣れてしまい頭で唱えるのもしなくなった。ただ、使おうと考えるだけで自然とできる。

右の手のひらに右回りに渦巻く黒い闇に鞄を近づける。すると、あっという間に鞄が吸い込まれていった。出すときは手を入れ、出したいものを思い浮かべればいいだけで非常に便利な魔法だ。今入っている物は、料理や食料だけだ。時間も止まってるので出来たてだ…余計ありがたい。

のんびりと、歩いているとだんだんと草木が多くなり、両脇が林になってきた。なんだろう…どこか見たことがあるな…スライムが三体出てきたりしてたよな。この世界もファンタジーなら出てきてもおかしくはないな…警戒しながら、歩いていく…が…


「なんで、出てこないんだよ!普通ここで、エンカウントだろぉぉぉ!」


大きな声で魂の思うがまま叫ぶが、林に声が吸い込まれていく。てか、早く闇魔剣術使いたい…レベル9なのに…試せる相手が居ない…いっそ、辻斬りでもやろうかな…って、人も居ないか…

のんびり歩いていると、完全に日が出てきた。薄暗かった道も完璧に明るくなりようやく、一番鳥が鳴いたようで、あたりで鳴き声が聞こえる。俺は木の葉のついた枝を口に加え腕を頭の上で組んで歩いていく。


「暇だ〜暇だ〜」


暇つぶしに歌を歌ってあるいているが、まったく面白くない…これなら馬車に乗ればよかったな〜と後悔していると突然ガサガサと茂みが揺れる。俺はその茂みを見つめていると、大人の身長…アクィラ程か?2mあるかないかの身長の人間のように二本足であるく豚面が出てきた。こいつ…服着てねーぞ…大丈夫か?

あれ?こいつってモンスター?でも、亜人でした〜って落ちかもしれん…とりあえず話しかけてみようか…


「お、おはようございます…?」


すると、豚面が俺の存在に気づいたようで見つめてくる。気持ち悪…何こいつ…頬や瞼に脂肪がついているようで皮が垂れてるし、どこからが顔で、どこまでが首だよ…

豚面は、突然大きく笑うと俺にとびかかってきた。しかし、速度が遅く飛び退きで回避する。豚面は勢い余って顔面から地面に激突する。


『説明します。あれは、オークという魔物です。鈍感で遅いですが、捕まると骨まで噛み砕く歯で生きたまま食い殺されます。コロニーを形成し、人間の女を捉えては集団で襲い掛かり孕ませ数を増やします』


それなら、殺しても構わないよな。


『お答えします。はい』


こういう時に返事はいらないって…まあ、仲良くなってるみたいだからいいか。

俺はそっと腰の剣を抜くと構える。デブを斬ると刃物が悪くなるんだよな…油で…まあ、後で洗えばいいか。

地面に突っ伏したオークの脂肪で首がわからなくなっているが、大体の当たりに剣を振りおろす。すると、何の抵抗も見せずに剣がオークの首が刎ねた。


「ブヒィィ…」


首だけになったオークが最後に一鳴きする。実に気持ち悪いが、斬ったときは気持ちよかった。

剣を見ると一切血がついておらず、綺麗なままだった。なぜだ?…まあ、いいか。返り血に気を使って斬ったので衣服には血はついていない。

さて…死んだのなら、俺の糧になれ…ふふふ…

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