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1話 プロローグ

腕が切り落とされ、胸の深い切り傷から真っ赤な液体が流れ倒れている俺を拾った男。今、数人の人間が倒れている男の首をはねた。すでに死んでいる男の首をわざわざ刎ね。綺麗な白髪を血の付いた腕で掴みそのまま城を出ていく。その姿は月光に照らされ、勇ましい姿だろう。しかし、俺の目にはただの平和を害する魔王にしか見えなかった


俺は最近覚えた「ハイハイ」という腕と膝を地面につけ、小さく弱い体でも十分な速度で移動できる移動術を駆使し首を刎ねられた男のもとに向かう。男の黒い鎧の隙間から裏地の青い布が見える。そっと男の体に触れると、胸の辺りから黄色い光がゆらゆらと浮かんできた。俺はしっかりと左手と両膝を支えると、短い右手を伸ばしその光を掴む。その瞬間、頭に声が響いた。その声は抑揚がなく、まるで作られたような機械質な声色だった。


『《魂記録》を吸収しました。初回特典《初回時の魂記録をした際、スタータス録を受継》を実行。完了しました。《魂記録》からスキルを複製。完了しました』


俺はステータスを見て頬がにやけるのを止めることができなかった。なんせ先ほどのステータスと比較すれば1000倍ほど差がある。これでハイハイを脱却し、自身の2本の足で立つことができる!ゆっくりと、両足に力を入れ体重を乗せていく。バランスが取れてるのを確認しそのまま両手を地面から離していく…

ふらふらになりながらも、何とか立つことができた。しかし、すぐに体重が支えきれずしりもちをついて倒れた。ステータスじゃなく、肉体の成長がないと立てないのか…


「なんじゃ、この子は…」


すぐに声の方に振り返ると、そこには先ほど男を殺した仲間の一人だ。しわが多く、髪色も白い。男の髪色も白かったが、男の髪は金色などのが入っていて綺麗だが、この男…いや老人か。老人の髪は、ただのシラガだ。姿は背が曲がり、なんとも弱弱しい。杖を突いているくらいだ。

しかし男との戦闘を見ていたが、どうやら魔法使いのようで爆炎を出したり、仲間を回復させたりとかなり強いみたいだ。

老人はゆっくりと俺に近づいてくる。俺はハイハイで逃げようとするが、流石に老人の方が歩幅が広いようですぐに追いつかれた。老人は俺の後首をヒョイと掴み上げマジマジと俺を観察する。


「面白いのぉ。まさか、ロードの子かの?いや、それにしては濁りがないのぉ…真っ直ぐワシを見ておるな…しかし、泣かぬとは恐怖を知らぬか…はたまた恐怖ではないというのか」


何を言ってんだ?…俺は必死に老人の掴む手を払おうとするが届かない。俺の意図が分からないのか、今度は俺をそっとだっこしてくる。そのまま老人は俺を抱えたままどこかへ、歩いていく。老人の胸の中で必死に暴れるが、やはり体格差がありすぎる。


これだから、赤ん坊の体は嫌なんだよ…

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