第1話 あなたといるとね。とっても幸せな気持ちになれるんだ。
なんだかとっても嫌なことがあった日は、大きな白い幸運の獣のキャメロットのおなかの上でぐっすりと眠る。
あなたといるとね。とっても幸せな気持ちになれるんだ。
小さな女の子のつきが泣きそうな顔をしながら家の中に入るとそこにはいつものように大きな、大きな獣の真っ白でもふもふしている、とっても不思議な生きもののキャメロットがいました。(はじめてキャメロットを見た人はきっとその大きさにすごくびっくりするでしょう)
海のような青色の瞳と真っ白な毛の先っぽが桃色になっている耳とふさふさのしっぽ。それにやっぱり先っぽが桃色になっている小さな白い翼がキャメロットにはありました。
キャメロットはいつものように呑気な顔をしてぐーぐーと床の上で丸くなって気持ちよさそうに眠っています。(きっと、とっても幸せな夢を見ているのでしょうね)
つきは背負っていた荷物を床の上に置くと、そのままぼふっという音を立てて、キャメロットのもふもふした毛並みの柔らかい体の中にうまるようにして抱きつきました。(つきの小さな体の半分くらいが白い毛並みの中にうまって見えなくなりました)
それからつきはそのまま大きな涙をぽろぽろとこぼして泣いてしまいました。ずっとキャメロットのところにくるまで涙を我慢していたのです。
しばらくの間、そんな風にしてつきが静かに泣いていると、ゆっくりと目を開けて、鼻をぴくぴくとさせながらキャメロットが目を覚ましました。(それからキャメロットは大きな、大きなあくびをしました)
キャメロットはそのまま自分の体の中にうまって泣きているつきのことを見てから、やさしくなぐさめるようにして、その大きな顔を優しくくっつけてきました。
「ありがとう。キャメロット」
キャメロットの体の中にうまったままでつきは涙声で言いました。
そんなことをしていると、それから少し時間がすぎたあとで、ずっとおとなしくしていると思ったら、いつのまにか、すーすーとつきは泣きつかれてしまって、そのままキャメロットのおなかのところにうまったままで、ぐっすりと(きっとすごく安心して)眠ってしまいました。
つきが眠ってしまったので、キャメロットは『いつものように、つきのことを守るようにして』、つきの小さな体を包み込むようにして床の上に丸くなると、まだまだとっても眠かったのか、そのままもう一度、目を閉じてつきと一緒に眠ってしまいました。
この地方の神話に伝えられている伝説の生きもの、『幸運を運んでくるといわれる白い獣』のキャメロット。
つきはキャメロットが伝説の生きものと知らないままで、森の中で迷っているときに『偶然(もしかしたら運命だったのかもしれません)』出会ってお友達になってから、ずっとこんなふうにして、キャメロットと一緒に『二人だけ』で森の中にある家で暮らしているのでした。




