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第九話 『向き合う』

本作はフィクションです。

喧嘩、暴力、いじめなどの表現や、それに伴う精神的苦痛を含みます。

登場する人物・団体・出来事はすべて架空のものです。


「…遅くなったけど、ちゃんと話そう」


「そうだね」


「俺は…君を繭で包んで存在を隠そうとした。そうしないと過去に囚われて次に進めないと思ったから…」


「その繭を作り続けていった君は"偽りの自分"を作り上げいき、"本来の自分"とはかけ離れた人になってしまった」


「…」


「ただ、人間はどんなに"偽り"を作り出そうとどこかしらの部分で"真実"が出る。その影響で生まれてしまったのが"怨みの自分"。多分、君にとって"偽りの存在"が"理想の自分"であり、その理想の中に"怨み"は不要なものとして見て見ぬふりをしていたのだろう」


「そうさ…その見て見ぬふりのせいで忘れていた頃に過去に受けた奴らへの"怨み"が自分の顔をした姿で現れ、忘れさせないようにし、突発的なトラウマによるダメージで彼は僕を死に近づかせていた」


「君は今後どうしたいんだい?」


「…まだ答えは出てない」


「けど君は様々な経験をして、どんな道も1歩ずつ歩いてきたんだろう?その歩いてきた形跡を無駄にするのかい?」


「…」


「それにまだ答えは出さなくてもいいんじゃない?それよりもまずは、僕を、彼を受け入れ、未来に進むしかない。繭を壊すんだ。繭を壊して、また1からやり直そう。まだ間に合う。」


「…けど、君らを受け入れたとしてもまた同じようなことが起こるんじゃないかって不安だ…」


「大丈夫!とは確証持って言えないけど今の君には友達の"彼ら"がいるだろう?"以前"とは違う。君は1人じゃない。何かあれば相談したっていい。彼らはちゃんと聞いてくれるはずさ。」


「…わ、わかった…やり直そう。君らを受け入れる。」


「よかった。それでこそ僕だ。また"僕"を生み出してはいけないよ」


「あぁ…ありがとう。そしてごめん。」


自分の中から2つの存在が消えた感覚があった


さぁ、また1からのスタートだ


一歩ずつ


一歩ずつでいい


ゆっくり歩いていこう


読んでいただきありがとうございます。

次回最終回です!

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