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第三話 『決断』

本作はフィクションです。

喧嘩、暴力、いじめなどの表現や、それに伴う精神的苦痛を含みます。

登場する人物・団体・出来事はすべて架空のものです。

2017年4月 白波学園高等学校


新しい生活がスタートした


たくさん友達を作って、趣味の合う友達もできた


偽りの自分を入学するまでに仕上げた甲斐があった


この調子で楽しい人生を送っていくんだ


そう、思っていた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2017年6月 商店街


今日は部活がなかった

時間があったからいつもと違う道で帰ってみた


だがそれが大間違いだった


「おいっ!」


聞き覚えのある声が聞こえてきた

吐き気がした

足が動かない

助けて


「え?なにお前の知り合い?」

「中学の頃、ちょっとな(笑)」


あいつだ

また周りの人たちを引き連れてこっちへ向かってくる


「なんでまだ生きてんだよ(笑)」

「…」

「なんか喋れや」


ゴッ


腹に鈍い衝撃が走った


いじめっ子がみんなに聞こえないように耳元で話してきた


「お前が生きてるとイライラすんだよ(笑)俺の為にも早く死ねよな(笑)」


なぜ、またこいつと出会ってしまったのか

神も俺を見放しているのか


「おい、お前動画撮っとけ(笑)」

「おっけ」


たくさん殴られた

息を吸う暇もくれない

なにも聞こえない


もう


もういい


逃げ場はない


死のう


死んで全て終わらせよう


ただ準備が必要だ


20歳


キリがいい


20歳までに準備を終わらせて


地獄で"あいつら"を待とう


ーーあの後、必死に泣くのを堪えて家に帰った


泣いている姿が恥ずかしいと思った


いじめられている自分が恥ずかしいと思った


だから泣かないように我慢できる自分を生み出した


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2017年6月 自宅


「…お、お母さん」

「なに?」

「えっと…その…」

「なに?早くしてよ。時間ないの。なんもないならもういい?」

「あ、いや…その…もう…いいよ…」


いえなかった

偽りの自分が言うことを拒んだのだ


ーーその後、部屋に戻ってネットに潜った


あいつらは"いじめ現場"を撮影していた

ネットにその映像が上がってないか長い期間ずっと確認した

心が治るまで、安心するまで

ずっと、ずっと、確認した


作り上げてきた自分が無駄になると思った


壊させない


絶対に


自分を守るために


読んでいただきありがとうございます。

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