第一話 『終わりの始まり』
本作はフィクションです。
喧嘩、暴力、いじめなどの表現や、それに伴う精神的苦痛を含みます。
登場する人物・団体・出来事はすべて架空のものです。
「⬛︎⬛︎は笑顔がとても素敵ね」
「⬛︎⬛︎っていつも笑ってるよな(笑)」
「それが君のいいところだ」
ノイズが混じった声がどこからか聞こえた
とても幸せな気持ちになれた
こんな気持ちがずっと続けばいいのに
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2015年6月 白波第一中学校
昼休み 人影の少ないある教室で、"それ"は起きた
「…お前、顔がムカつくんだよ!」
ゴッ!
ドサッ!
「うっ!…」
"いじめ"である
「いつもニヤニヤしやがって!」
「べ、別にそんな…」
「言い訳すんなっ!」
ゴッ!
それが始まりだったのかもしれない
僕が本来の自分を隠し始めたのは
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2015年9月 白波第一中学校
また同じ人たちからの"いじめ"があった
今回は周りの人たちを引き連れて
「ご、ごめん…」
「いや、誤って欲しいんじゃなくてさ(笑)」
「うっわ!男が泣くなよ(笑)」
「汚ねぇなぁ」
「おもれぇ〜(笑)」
「んで、いつ死んでくれるん?(笑)お前の顔見てるとイライラすんだわ」
「い、いや…うっ…」
「ゴニョゴニョ言ってんじゃねぇよ!」
ゴッ!
視界が揺れ、床に叩きつけられた
痛みで勝手に涙が溢れてきた
「うぅ…」
「うわぁ〜また泣き出したよこいつ」
「ちっ、きっしょいなぁ…」
「もう行こうぜ。つまんねぇ。」
「次までには死んどけよ!」
この日から自分の顔が憎くなった
この顔で産んだ親を自分は憎んだ
鏡を見ることが多くなった
鏡を見るたび、殴られる理由がそこにある気がした
親とはこの日以降全く話さなくなった
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2015年10月 白波第一中学校
「今日の授業では手紙を書いていただきます!」
「「「え〜」」」
「静かに!手紙を書くと言っても、"未来の自分に"です!」
未来の自分
どんな風になっているんだろうか
想像ができない
けど小学生の頃からの夢がある
"ゲームクリエイター"だ
昔からゲームが好きで、人を笑顔にするのが好きで、そう言った仕事をしたいと思っていた
だから書いてみよう
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2015年10月 白波第一中学校 職員室
「…なんでこんなぐしゃぐしゃにして、白紙のまま出したの」
「すみません…」
「君がそんなことをする子だと思わなかったからこそ、驚いてます。何か理由でもあるの?」
「…」
「黙ってたら何もわからないよ」
「…」
「…いい?新しい紙をあげるからもう一度書いてみて。それでも書けないなら君の今の夢だけでも書いて明日提出して。わかった?」
「…はい」
結局、未来の自分への手紙は書けなかった
ちがう。書きたくなかった
先生には偽りの夢を書いて提出した
本当の夢を書いたら、馬鹿にされると思った
いや、必ず馬鹿にされる
僕はこの頃から、逃げることを覚えた
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2015年12月 下校中
学校が終わり、家に帰っている途中だった
「おいっ!」
背中に叩きつけられるような衝撃が走った
振り向くといつものいじめっ子がそこにはいた
「な、なに…」
「お前汚いんだよ。ちゃんと風呂入ってる?(笑)」
「は、入ってるよ…」
「嘘つくなって(笑)入ってたらそんな汚くならないから(笑)」
「いや…」
「言い訳すんなって」
その時だった
突然、何かがプツンと切れてしまった
口から言葉が小さく出た
「死ねよ」
言ってしまった
我慢の限界だったのだろう
「は?」
ゴッ!
案の定、殴られた
もうどうなってもいいと反撃した
自分らの周りには人だかりができていた
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