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君の事なんて  作者:
28/65

マネージャー

 はっちゃんから聞いた柏木さんとの話。

 はっちゃんは柏木さんの事をいいなと思ったのかな……。

 そっかーー……。


 明日は初めてのマネージャーの仕事が始まる。

 柏木さんはもちろん、黒木さんや名前だけ知っている菊池さんも集まるんだろう……。


 菊池さんと言えば……、柏木さんに言うの忘れてた……。

 明日そんな話になるのかな。

 明日は橋田さんも来てくれる様になっている。

 引き継ぎ頑張ろう……。



 初めてのマネージャーの仕事の日はいつもの様に定時で上がり小学校の体育館へ急いだ。

 体育館へは電車は一駅。

 改札を降りて少し歩くと小学校が見えてくる。

 最初なので校門前で待ち合わせ。

 そこへ車が入ってきた。

 黒い大きな車。

 いかつい車ではあったが意外にも……と言ったら失礼だがとても丁寧な運転だった。

 運転手のその人と目が合い、軽く会釈された。

 誰だろう……?

 でも、バスケの人なのかな……。

 そんな人が数人、校門前で立っている私に会釈をして中に入って行った。

 しばらくして橋田さんがやってきた。


「おまたせー! 待った? じゃあ、行こっか!」



「お疲れ様です。 さっき、何台か車の男の人が入って行って会釈してくれたんです。 バスケの人たちですかねーー?」



「たぶんそうかもーー!」



「なんか、いかつい黒い車の人もいました……」



「いかつい黒い車……あ、菊池だ……!!」


 出た! 菊池さん!!

 噂の菊池さんだったんだ……。

 でも全然顔見てない……。



 体育館に行くと近くにさっき私の前を通った車が停まっているのがみえた。

 もちろんあのいかつい黒い車も……。

 やっぱりバスケの人たちだったんだ……。


 体育館に行くと数人の男の人がストレッチをしているところだった。

 橋田さんに後で紹介するねと言われたので、会釈だけしてして通り過ぎた。

 着替える場所は更衣室はないので体育倉庫を借りたり、体育館の鍵を返す場所を教えてもらった。

 救急箱は今日橋田さんが持ってきてくれたけど、これからは私が持ってこなくちゃいけないから今日持って帰る事になる。

 それを持って出社しないといけないしそれが大変……。

 引き継ぎメモを取りながら橋田さんの話を聞いていたら、ある程度の人数が集まっていてその中に柏木さんも黒木さんもいた。

 メモを取るのに必死で人がこんなに集まってる事に気付いてなかった……。


「はーーい、紹介しまーーす! 私の後任の永井さんです!」



「永井萌です。 よろしくお願いします」



「あのーー、私みたいにバスケ経験者じゃありません。 なので、言いたい事はわかりますよね? みんながいろいろやってね!! 頼んだよ!! 無理はさせちゃダメ!!」



「はーーーーい!」


 そう言って大きな声で返事をした人に橋田さんが喝を入れた。



「菊池ーー。 あなたのお世話は結構してます……。 頑張ってできる事はやってくださいね……」


 この人が菊池さんだったんだーー。

 橋田さんメモには、【黒木の後輩、犬みたい】と書かれていた。

 どういう意味なんだろうか……。

 橋田さんに聞いてみないとわからない……。

 元気な後輩って一人はどこにでもいると思うけど、まさにそんな感じの人で、誰にでも愛される人っぽい。


 練習は練習メニューがあってそのメニューを一通りやって見せてくれた。

 覚える事もたくさんあって大変だと思うけど、それくらいがちょうどいい……。

 何かに必死になってる方が今はいい気がする。


 バッシュのキュッ、キュッという音が響く体育館。

 ボールをつく音、シュートした時の音、何もかもが新鮮だった。

 結構激しめのスポーツで当たって吹っ飛んだりしている。

 けど、何事もなかったかの様にスッと立ち、またコートに戻る……。

 みんな趣味の一環みたいで真剣なんだけど楽しく練習してるのがわかる。

 柏木さんももちろん楽しそうに練習している。

 この前この同じ場所で見た柏木さんとは別人みたい。

 柏木さんの横顔を見ながら、はっちゃんとメッセージのやり取りをした事を思い出した。

 どんな事話すんだろう……。

 はっちゃん、話すの上手だもんね……。


 柏木さんははっちゃんがタイプだったりするのかな……。


 覚える事が目の前にあるのに私は邪念だらけだった……。

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