↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の事なんて  作者:
2/65

不信感

 私は父子家庭だった。

 母は私が小さい頃に病気で亡くなり、私は父親に育てられた。


 父は女の人にだらしない人で、家に連れて帰る人は取っ替え引っ替えだった。


 私の家の中での当番は、洗濯物を取り込みたたむ事とごはんを炊く事。

 学校から帰ったらしておくお手伝い。

 父が仕事から帰ってくるまでの数時間、家で宿題をして、洗濯物をたたみ、ごはんを炊いて、近所の友達と遊んだり……何とかして父の帰りを待っていた。


 夕方になると、一緒に遊んでいた友達もお母さんが迎えに来て一緒に帰っていく。

 手を繋いでお母さんと何やら話しながら帰って行くのを後ろから見るのが辛い時もあった。


 そんな時は父の帰りをいつもより待ち侘びていた。

 帰ってくる父を待ちに待った私は飛んで喜んだ。

 帰った父がおかずを作り、すでに炊けているごはんをお茶碗に盛りテーブルに並べる。

 一緒にごはんを食べ、お風呂に入り、そして寝る……。


 ……でも、私が寝た後、父はこっそり出て行きしばらくすると一緒に女の人と帰ってくる。

 帰ってくるなり自室に篭り……まぁ、中でしてる事は大きくなるに連れだんだんとわかってきた。


 そんな父だったが、私の面倒はちゃんと見てくれた。

 仕事もちゃんとしていて、小学校の時の遠足や運動会の時はいつもより早く起きて私のお弁当をちゃんと作ってくれる様な人だった。

 そんな、父子二人の生活だったが私が大きくなるにつれ、少しずつ私が自立していくと父との距離か広がっていった。

 高校に入るとバイトを始めた私はなおさら。

 帰る場所の同じなだけで、お互いを干渉しなくなった。

 相変わらず、父は女の人との時間を楽しんでいた。

 父は大きくなった子供の私に隠す事はしなくなった。


 もうそれくらいの事はわかる歳だろ?


 そう言われている気がした。

 父からの少しの配慮もないそんな生活から早く家を出たくて高校を卒業して短大に入学してからは一人暮らし。

 一人の方が気が楽だった。

 今は年に何度か父のいる実家に帰るくらい。

 母方の祖母とも母が亡くなってからは疎遠になっていてもうずいぶん会っていなかった。

 たまに会う同い年のいとこから祖母の話を聞くくらいになっていた。


 私の事、覚えているのかな……。


 いとこの話では祖母は元気そうだった。

 生きているうちに、一度は会っておきたいな……そう思っていた。



 父の影響もあって【男の人】は不信感でいっぱいだった。

 母が亡くなってそんなに経たないのに違う女の人と楽しくしている。

 その人とも長続きもせず、また違う人がやってくる。


 結婚って何だ?


 一生愛する事を誓って結婚するものじゃないの?


 母は早くに病気で死んでしまったけど、だからってこんなに早く別の人と……。

 母はどう思ってるんだろう……。

 子供ながらにそう思っていたが、女の人の事以外はちゃんと面倒見てくれていたのもあるし、見て見ぬ振りをする事で自分を保っていた気がする。


 男の人をそう思っている私でも、恋愛を全くしなかった訳ではない。

 初めてできた彼は同じ大学に通う3年生だった。

 同じサークルの先輩で飲み会の席で隣同士になったのがきっかけだった。

 飲み会の席で横になって話するのと、実際付き合ってみるのとでは全然違って一緒にいてもあまり楽しくなかった。

 何となく付き合っているのがわかっていた。

 そんな事を思っているのは相手にも伝わるのか、彼が二股をしている事が発覚する……。

 相手は同じクラスの女の人。

 短大部の私とは講義棟は違うが学食で一緒になる。

 綺麗な人だった……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。