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第16話  ツヤツヤ(★)

改稿に伴い、すごく短くなってしまいました。すみませんm(__)m




 「アシュラ! フォルテュナさん! ククルさん!」


 「あ、ミテュ……母さん、本当に色々とありがとうございました!」


 「「ありがとうございました(ですぅ)!」」


 ミテュラの計らいによって本音で話す機会を得た3人は、どうやら良い方向へと進んだようだ。

 淀んでいた空気が嘘のように清々しく、3人とも顔つきが見違えるような変貌を遂げている。


 フォルテュナとククルに関しては、肌がツヤツヤとしている。ツヤツヤと。


 「そ、そう? それは良かったわ……って今、母さんって」


 ミテュラはアシュラの一言に感動し、言葉を失った。

 例え再会できても、母と呼ばれるとは考えもしていなかったのだ。

 アシュラは目を泳がせながら、テレテレと答える。


 「だってほら、血の繋がった母さんを、他人行儀で呼ぶのはおかしいなって……まだ凄く恥ずかしいけど、ちゃんと気持ちを伝えたいと思って……って母さん!?」


 気がつくと、ミテュラの頬を涙が伝っていた。


 「……グスッ、ご、ごめんね。つい感極まっちゃって……」


 「母さん……俺を生んでくれてありがとう」


 「アシュラ……」


 ようやく親子としての時間を取り戻した瞬間である。


 「ところで、どうしてあちらのお2人さんは肌がツヤツヤしてるの?」


 しかしミテュラの観察眼は何一つ見逃さなかった。


 「えっ!? いや、お互い本音を確かめた事でスッキリしたというか」


 「どうスッキリしたの? ねぇこの短時間で何をしたの!?」


 「黙秘します!」


 「これが反抗期ってやつなのね!?」


 「「いえ、違うと思います」」


 アシュラが黙秘を貫き、ミテュラは母親感を実感し、フォルテュナとククルは頬を赤らめつつ反抗期を否定するという、ちょっとしたカオスがそこに出現した。


 ちなみにこの肌ツヤツヤ現象について、彼は生涯ノーコメントを貫いている。



 *****



 「……って感動してる場合じゃないのよ私!!」


 「「「!?」」」


 我に返ったミテュラは、ひとりでツッコむ。

 3人は突然の事に何が何だかさっぱりだ。


 「アシュラ!!」


 「な、何? 母さん」


 「はうぅ!? も、もう一度……」


 「もうそのくだりはいいのですぅ」


 まさかのククルからの駄目出し。

 これによってミテュラは今度こそ我に返った。


 「た、確かまだ覚醒してなかったわよね?」


 「あ……それがその、覚醒した…………かも知れない」


 アシュラはド忘れしていた。

 謎の声、圧倒的な技能、そして熱かった背中の事すらも。


 だがそれだけ盗み聞きした話から今に至るまでのインパクトの方が強すぎたのかも知れない。


 「「「それを早く言えぇ~~~~~~!!!」」」


 今度は3人の女神達の怒号が大森林に木霊した。



 *****



 「銀色の五芒星……これは間違いなく覚醒してるわね」


 アシュラは、村を出てから今に至るまでの顛末を包み隠さず話した。

 だがその反応は様々だった。


 フォルテュナは、小首を傾げながら頭頂部に疑問符を浮かべている。

 ククルは、すごいすごいと尊敬の眼差しをアシュラに向ける。

 そしてミテュラは、眉間に皺を寄せてブツブツと独り言を呟いている。


 「五芒星は森羅万象の象徴……間違いなく私の血が色濃く出てる証拠。能力を加減できなかっただけならわかるけど……声って何なのかしら……そんな事象聞いた事ないわ……可能性があるとすれば私が受けたあの……いえ、そんなハズは……でもそれ以外に考えられない。でも肉体的影響はなさそうだし……かといって放置するわけにもいかないわ……ここはゴリ押しするしか……だとしたら……う~ん……ぬふふっ」


 「あの……母さん?」


 もはや誰の声も届いていない。

 ミテュラが考えを巡らせるのはアシュラの為。それは全員が理解しているが、今この場で怪しく呟かれるのはどうなのだろうか。特に最後の変な含み笑いとか。


 「なぁ、2人は覚醒した時に誰かの声は聞いた?」


 アシュラの言う声……それは誰も覚醒時に経験のない事象だった。


 「私はなかったよ」


 「ククルにも身に覚えはないのですぅ」


 「…………そうね、やっぱりこれが一番ね」


 「母さん、さっきから一体どうしたの?」


 アシュラが不安そうにミテュラに問い掛ける。

 ようやく現実に戻ってきたミテュラは、何かを決断したようだ。

 呟いていた時の淀みきった目に輝きが戻っている。


 「……ねぇみんな、全然違う話するけど、いいかしら?」


 何か思いついたらしく、ミテュラは突然話をし始めた。

 ちなみに、誰もいいとは言ってはいない。ゴーイングマイウェイ。




 「ねぇ、アシュラ」


 「はい?」


 「勇者、やってみたくない?」


 「……はい?」


 「だから勇者、やってみたくない?」


 「勇者? 勇者って世界を救うあの勇者?」


 「そう、あの勇者、やってみない?」


 「その、急にそんな事言われても……」


 「……やれっつってんだよ」


 「は、はいっ!!?」





 母親の(したた)かさに恐怖するアシュラであった。



 2020.1.2 改稿しましたm(__)m


 曖昧だった部分の修正を試みたら、結果的にほぼ差し替えとなりました。

 改稿するに従い、生じてきた話のズレも少し取り戻せたと思います。


 それでもまだ★マークのついていない改稿前の部分とは噛み合わない部分が多々ありますので

、改めてお読みになる際はお気を付けください。

 順次改稿していくのでご理解いただければ幸いです。


 

 いつもお読みいただき本当にありがとうございますm(__)m

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