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第97話 査問会?

 左の腕に、小さく風があたる感触を覚えて、

うっすらと目を開けると、まだ薄暗い夜明けの時間であった。


 いつの間にか寝床に収まっていたソーンの目の前にある、艶やかな黒に少し白のメッシュがはいった髪に隠れた耳がときおりピクピクと動いている。

そのまま視線を腕のところに移すと、しっかりと両手で抱きかかえるようにして密着するアルフの姿がみえる。


 なるほどと思いながら少し姿勢を変えようと左側に体をかたむけると、今度は、右側にぎゅっと服が引っ張られる感覚があった。

その発生源をたどっていくと、どうやら服の背中側で裾のあたりを掴まれているようだ。


 首を捻って右側をちらりと眺めると、ふわっと広がった赤毛の髪とすやすやと眠る吐息にあわせて綿の生地がずれた隙間からのぞく肩口が上下している。


 そのがっちりと身動きがとれない状態を確認した銀色の髪の少年は諦めたように再び目を瞑り、少しくすぐったい腕の感触にときおり反応しながら日が昇ってくるまでのまどろみの時間を過ごすのだった。



___朝がくると同時に、呼び出された2人の間へちょこんと座る形でベッドの端に並んだ3人に、矢継ぎ早に声をかける姿があった。



「ちょっと、ちゃんと話を聞いてるのソーン。それと、アイリさんとマイさんの説明も聞きたいんだけど」


そう言って、白いローブにはいっている赤とオレンジの模様の如くメラメラと燃えるように質問するミリアとばつが悪そうに目線を合わせない3人の内から、勇気をだして女騎士アイリが答える。


「まあ、なんていうか。ソーン君が夜中に出かけるのはそんなに気にしなくてもいいんじゃない」


それに続けて、そっぽを向いたまま、髪留めをつついていたマイが答える。

「無事に戻ってきているわけだし、問題はないでしょ・・・向かった場所がミリアちゃんはすごく気になるんだろうけど」


何やら含みがある言い方をするマイの言葉に、アルフが食いついた。


「何ダ、そういえば。ソーンは何処に行ってたんダ。昨日はバタバタしてて聞いてなかったゾ」


続けて、ミリアも質問する。

「そっ、そういえば詳しく聞いてなかったわ。ソーン、昨日は何処に行ってたの?クーマと帰ってくるまで、部屋に居ないって気づいて、皆慌ててたんだからね」


 その幼馴染達がソーンに質問する様子に、ごめんねって仕草をしたマイが興味津々って顔で聞き耳を立てている。


 その時、ベッドの片隅でもぞもぞと動いた後、ゆっくりと浮かびあがった毛玉クーマが大きく伸びをした後、唐突に爆弾発言を投下した。


「ふむ、女の人に会いにいっておったようじゃぞ」

そう告げると、朝日が差し込んでいた窓からするりと抜け出していった。


「えっ!」


一同の視線が一斉にソーンに集まる。


思わず、ソーンも声をあげた。


「えっと、クーマそれは・・・わわわ、ちょっと落ち着いてミリア」


 あらあらと悪い顔でその様子を眺めるマイと、へぇーって関心するようにアイリがまじまじとソーンの顔を見つめている。


不思議そうな顔でアルフがソーンに尋ねる。


「この街に知り合いがいたのカ?ソーン」


「えーと、ちょっと説明するから。わっ、ちょっとミリアを止めてアルフ」


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