観察日記
7月24日
今日から観察日記をつけることにしました。
夏休みの宿題に観察日記をやりたいな、と言ったら父さんが捕まえてきてくれました。ぼくはチョコと名前をつけました。目の色がチョコレートみたいだったからです。ぼくはひと目でチョコが大好きになりました。
7月25日
チョコは檻のすみに丸まったまま全然動きません。あげた餌も食べていないみたいです。「怖がっているんだろ、そのうち慣れるさ」と父さんは言っていました。
7月26日
チョコは今日も動きません。餌も減っていませんでした。ぼくは少し心配になりました。「チョコ、大丈夫だよ心配しないで。ごはんを食べて」と声をかけましたがチョコには聞こえていないみたいでした。
7月27日
チョコが動きました。いつもとは違うところで丸くなっていました。餌も少し減っていました。ぼくは嬉しくなって「チョコ、ごはん美味しかったかい?」と聞いたら、ちらりとこちらを見ました。チョコレート色の目がとっても可愛らしかったです。
7月28日
チョコはだいぶ慣れたようです。檻の中をうろうろと動き回るようになり、ぼくが呼ぶとこちらをじっと見るようになりました。餌もだいぶ食べるようになりました。父さんがもう大丈夫だと言ったので、ぼくはほっと安心しました。
7月29日
今日は父さんが用事で出かけたので、家にはぼくひとりだけでした。出かけるときに父さんが「気をつけろよ。逃がすなよ」と言ったので、ぼくは「分かった、大丈夫」と答えました。チョコのようすを見に行くと、チョコはぼくのそばに寄ってきて言いました。「お願い助けて! 家に帰して!」。ぼくはチョコに言いました。「大丈夫だよ心配しないで。ごはんを食べなよ、美味しいよ」
7月30日
今日は何もありませんでした。
7月31日
今日は何もありませんでした。
8月1日
今日は何もありませんでした。
8月2日
チョコが死んでしまいました。
父さんが餌を替えようとしたときにチョコが腕に噛みついて、怒った父さんが殴ったらそのまま動かなくなってしまいました。ぼくはとても悲しくて泣いてしまいました。父さんはチョコの死体を裏山に埋めました。ぼくはそこに小石でお墓をつくりました。
8月3日
観察するものがいなくなってしまったので観察日記が終わってしまいました。夏休みはまだあるのに困ったなあ。父さんにお願いしてまた捕まえてきてもらおうかな。