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灯の在り処。  作者: 咲留
目を閉じたらあら不思議!
7/19

7

「‥‥‥‥え?」



しばらくして、恐る恐る固く閉じられた瞼を開けると、私は自分の目を疑った。

たくさんあった屋台は一つもなく、代わりにあるのは古びた‥というより時代劇でよくあるような建物。


数え切れないほどのたくさんの人がいたはずなのに、一人もいやしない。

直哉も‥‥いない。



「えっえっ何このプレイィィィ!?放置プレイ!?私だけ残してみんな先に帰ったのか!?え、さっきの一瞬で!!?」



私の頭はパニックを起こす!

空を見てもただ星がキラキラと輝いているだけで、花火なんて上がってない。


ていうかここどこ!!

全然知らないところなんだけど。…いや、私の記憶がおかしくなったのかな?


誰もいない。光もない。月明かりと星で、少し周りが見えるだけ。


ま、まじでどうなってるの…?



「誰だ、そこにいるのは」



後ろから天の声聞こえたぁぁぁぁぁあ!!

よかった、ちゃんと人いたんだ。


私は泣きそうになりながら振り返ると、見えたのはゆらゆらと宙を舞う二つの明かり。


あれはもしや‥俗に言う

ひ と だ ま ! ?



「ぎっぎぃやぁぁぁぁぁぁ!!幽霊ぃぃぃ!?悪霊退散悪霊退散悪霊退散成仏しろやぁぁきぃえええい!!」



別に幽霊は怖くない。ホラー映画だって好き。

でも‥でも今のこの状況においては、恐すぎるんだよぉぉ!!!


手を合わせ成仏してくれと必死に願うが、ひとだまは消えるどころか近づいてくる。


え、終了?私の人生これにて終了ってか?

昔喧嘩で負かした奴らの生き霊ってやつが迎えにきたの?



「いやぁぁぁぁ!来ないで助けてぇぇぇ!!」


「叫ばないでよ。近所迷惑だから」


「ひとだま殺すぅぅぅ!‥‥って、あれ?」



誰かに肩を叩かれ上を見上げれば、そこにはひとだまを連れた人間がいた。

よく見るとそれはひとだまではなく、提灯だった。


その明かりのおかげで、私の肩を叩いた人の姿を確認できた。


‥‥‥‥が、



「着物、侍‥?おっ落ち武者の幽霊ぃぃぃ!?南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏‥‥‥ひぃい!?」



ギラリと怪しく光るのは‥落ち武者の刀ぁぁぁ!?

その刀は私に向けられていて、もう気絶寸前。


目を開けば意味のわからない場所にいて、やっと人に出会えたと思ったら落ち武者の幽霊で‥。



「刀を向けるな。そいつはどう見ても女だろう」


「わかってます。でも人を幽霊扱いしたから思わず」



あらもう一人いらっしゃるのね。もう驚きすぎて、何にも驚かないよ‥。


刀を向けた幽霊を落ち武者Aとしよう。

で、止めに入ってくれた幽霊を落ち武者Bとしよう。

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