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灯の在り処。  作者: 咲留
目を閉じたらあら不思議!
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6

「もしもさ、もしもだけど‥」



私は直哉に話しかけるというより、自分自身に話しかけるように言い始める。



「タイムスリップが出来るとしたらさ」



隣を歩く直哉が、不思議そうに私を見る。不思議そうというか、呆れ顔というか‥。

だけど、私は構わず続ける。



「私、安藤早太郎に会ってみたい」



興味と少しの好奇心。

それは叶うはずのない欲を生み出した。


直哉は盛大にため息を吐いた。



「はあ?アホか。姉貴‥いくら彼氏出来ないからって、現実逃避は止めてくれよ」


「げっ!?現実逃避してるのかな私‥‥」


「お、もう花火上がってんじゃん。もう八時なのか」



私の事を無視して、直哉は空を見上げた。

そんな直哉につられて、私も空を見上げる。


まだ始まったばかりなので、小さな色とりどりの花火が上がっている。

歩いていた人たちも立ち止まって見上げていた。



「…は~~綺麗…」



ボソッと呟くと、ヒュルル‥と一つ花火が上がる。

次はどんな花火だろう?と期待していると、パッと闇に光が――‥。


ん?あれ?なんか眩しすぎるような気がするんだけど。まだメインの花火にしては、時間的に早いはず‥。

ていうか、一面真っ暗だったのに真っ白なんだけど!?


賑やかだった空気も、花火に感動する声も、何もかも聞こえない。


そうだ!直哉、直哉は?

辺りを見回しても、隣にいたはずの直哉の姿はどこにもない。

というか、人の姿がない…眩しすぎて見えなくなった?


目を開いているのが辛く、私は固く閉じて光が収まるのを待つことにした。

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