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灯の在り処。  作者: 咲留
紅一点だからって逆ハーレムになるとは限らない
18/19

9

爆笑する永倉さんを、原田さんは叫びながら追いかけた。

そして二人は屋敷に入り、姿を消していったとさ。


ふう、私は助かったぜ。



「人を盾にするの、止めてもらえないっすかね?」



そう平助さんが呆れ気味に言う。


はっはっは!

実は私が原田さんに追いかけられなかった理由。

それは原田さんが開眼した瞬間、平助さんの後ろに隠れたからさ!



「行っちゃったっすね、あの二人」


「まあいいんじゃない?さ、猫さん続きやろ」



勝負する空気じゃなくなったから、こっそりと平助さんに竹刀返そうと思ったら…まだやるの!?

さっき着物のせいでこけそうになったの見てたよね?それでもやるの!?



「行くよーっそーれ!」


「そーれ!じゃなぁぁぁい!!」



にこにこ笑顔の沖田さんからは、何も読み取れない。

なんで私に突然勝負を挑むのか、なんで止めてくれないのか。


……そういえばさっき、原田さんに変なこと言ったよね?


“僕の猫にするんですから”


つまりそれって…。



「躾ぇぇぇぇ!?」



沖田さんの竹刀を避けて避けて避けては考え、辿り着いた結論が躾。

野良猫…猫は警戒心が強くて自由奔放で、中々人に懐かない。


もしも沖田さんが本当に私を猫だと思い込んでいるのなら、この意味のわからない勝負は躾。

自分は私よりも強いんだってことを示すつもりなんだ!



「誰かの下になんてつきたくなぃぃぃ!!!」



安藤結菜、反撃開始!女がなんだ、着物がなんだ!

動きにくいからめくっちゃうぞ!


着物をめくれば、平助さんが慌てて目を隠して私に注意してくる。


でもそんなの関係ねぇ!

と一昔流行った、水着一丁でいつも寒そうだなーと思っていた芸人さんの台詞が頭に浮かび…。


沖田さんに攻撃されまいと、とにかく竹刀をめちゃくちゃに振りまくる。



「もー猫さんは本当に懐いてくれないんだから、やだなあ」



めちゃくちゃに振るう私の竹刀を、沖田さんは簡単に避けてしまう。

おお…?何だかまた沖田さんの目がマジになってるぞ?

ブラック沖田再び降臨んん!?


竹刀を振るうのを止め、じりじりと沖田さんとの間を広げる。

だって私の目がおかしいのか、沖田さんから黒いオーラみたいなのが見えてるんだけどぉぉぉ!?


へっ平助さんは何処だ!

また平助さんに盾になってもらおう…って平助さぁぁぁん!?


なんで私から遠ざかってんの!?



「ほーらよそ見してたら当たるよー!」


「のぉぉぉぉう!?」



沖田さんの容赦ない一振りが私を襲うぅぅ!!

もう勝負とかそういう問題じゃなくね!?ただ私を玩具にしてるだけだよね!?


にこにこ笑顔がまた怖いんだけどぉぉぉ!!

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