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灯の在り処。  作者: 咲留
紅一点だからって逆ハーレムになるとは限らない
11/19

2

スパーンッと勢いよく障子が開くと、見覚えのある顔が一つ。

それからもう二つの顔は、多分沖田さんが言っていた島田って人と平助って人だ。



「目覚めの気分はどうだ?」



一番に土方さんが私の前に座り、私をじっと見る。

鬼の副長と呼ばれ恐れられていたということを知っていた私は、畏怖した。

なんせ刀を所持しているから。


でも助けられたのも事実。

緊張しながらも、私は口を開いた。



「目覚めはよくないですけど、ありがとうございまぁぁぁ!?」



ありがとうございましたと言い終える前に、土方さんの手が私の頭をわしゃわしゃ!

目の前にはとんでもない笑顔な土方さんんん!?



「素直じゃねえな!あんだけ寝てたんだからいいに決まってんだろ?

ああ野良猫だから警戒してんだなあ」



だっ誰ぇぇぇぇぇぇ!?

私の目の前にいるこの人は一体誰なんだぁぁ!?


しかも猫?私猫に化けてんの?

‥いやいや、しっかり人間の姿をしている。



「ちょっと土方さん。土方さんのせいで固まってますよ?」


「ああ?こうやって頭撫でてりゃそのうち警戒しなくなるんだよ」


「ちょっ野良猫じゃねぇぇぇ!!」



髪がボサボサになりすぎて前が見えなくなり、ついに私はツッコミを入れてしまった。



「ほら、警戒心なくなっただろ?」



なんたるポジティブシンキング!

土方さんはけらけら笑って、私の頭から手を離す。


他の三人は苦笑している。

そりゃあこんな土方さんには誰だって引くだろう。本当に鬼の副長なんて呼ばれていたんだろうかと疑問に感じる。



「それにしても不思議な格好してますよね。女子がそんなに露出していては、危ないですよ」



体が大きく、がっしりした体格の人が言う。

‥そんなに露出しているつもりはない。でも、この時代からしたらそう思われるんだ。


って、この人は誰だろう?島田?平助?



「忘れていた。島田、八木さんにこいつの着物頼んでおいたから、貰ってきてくれ」


「あ、そうなんですか。わかりました」



がっしりした体格は島田さんか。


じゃあもう一人、沖田さんと同い年くらいに見えるのが平助さんか。

少しつりあがっている目が、何となく悪戯が好きそうな感じに見える。



「平助、安藤はどこにいる?」


「へ?知らないっすよー。朝餉以降見てないっすから」



ん?あ、安藤…?

安藤というのはもしかしてもしかしなくても…安藤早太郎?



「あっ私見ましたよ。佐々木さんに連れられてどこかへ行きました」



穏やかというか…今とてものほほんとした雰囲気に感じられる。

たくさん聞きたいことはあるけれど、油断しちゃいけない。

殺される可能性だってきっとある。

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