表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

グロリオサ 2

「ああ、行っておいで」


 軽っ!? とか思っちゃダメよ。花人はいずれ花園を旅立つもの。新天地で咲き誇るこそ花人の使命なのよ。


 ……まあ、ほぼ全滅しちゃうそうだけどね……。


 だいたいにして花人は弱い生命体(?)で、環境に適することが苦手と来てる。そんなハウス栽培された生命体(?)が厳しい環境で生きれる訳もなく、花園を創るなど滅多にないと、園長様が申されてました。ちなみに園長様は、初代様に聞いたそうですよ。


「んじゃ、いってきま~す」


 あんたも軽っ! とか言っちゃダメよ。地味な花は打たれ強く生命力に溢れて、どこにでも咲ける花なのよ。


 そこ、雑草って言ったらぶっ殺すわよ。花には花のプライドがあるんだからね。


 一旦、バンガローへと戻り、これまで出したアイテムをボックスへと仕舞い、最後にバンガローを仕舞った。


「カナコが戻って来るまで暇ね」


 花人にお茶やお菓子を飲んだり食べたりする機能はなく、タバコと言ったものも吸えないこの体が憎いわよね、まったく。


「ん~。新しい旅路だし、ニュー装備にしようかしら?」


 今は一五〇〇ゴールドで買える乙女の革鎧にレアアイテムの風のマント、最速の靴、魔防の首飾り、魔力上昇のティアラ、剛腕の腕輪×2、そして、課金アイテムのハヤフザの剣を両腰に差している。


 過剰と思わなくはないけど、なにが起こるかわからない世界。油断して死ぬなんて嫌だからね、念には念をで装備してるのよ。


「戦士系は充分楽しんだし、魔法使い系をやってみようかしら」


 この体は勇者系で魔法使い系ではないけど、魔法の杖は各種揃ってるし、魔法の指輪を嵌めたら戦術の幅は広がる。


「魔法少女とかもいいわね」


 精神年齢は……そんなに高くもありませんし、見た目も十五歳くらい。少女と明言しても誰からも石は投げられまい。


 うん。では、魔法少女系で行きましょう。


 と、言ってもフリルのドレスを着る勇気はないので、オーソドックスな魔女のドレスに魔女の帽子。魔女のマント。各種魔法の指輪を嵌め、氷系魔法の杖、白銀の杖を装備した。


「そして、魔法の箒で完了よ」


 ……と言うか、魔法って便利な言葉だな、おい……。


 魔法の箒に跨がり……うん、無理。バランス取れねーよ。よく乗れるわね、魔女って。


「魔法の箒、封印」


 冒険の序盤で空を飛ぶアイテムは邪道よね。まずは歩いて旅立ちましょう。


「ただいま……って、どうしたのよ、それ?」


 カナコさんがお戻りになり、あたしのニュー装備に目を丸くしていた。


「ちょっと気分転換にね、装備を変えたのよ。カナコも変える?」


 カナコの装備は竜騎士スタイル。この娘、意外と前衛タイプなのよね。あ、あたしは、オールマイティーです。


「そうね。それもいいかも」


 槍に拘りはないようで、あたしの提案に直ぐに乗って来た。


「なににする? 今度は剣にする?」


 前に二刀流もいいかもと言ってたし。


「ガンナーやってみたいかも。前にチャコがやってた連射できるやつがいいな」


 なんとも意表を突いてきたわね。


「制限ある武器だし、装備するとなると重いわよ」


 まあ、身体能力上昇のアイテムがあるから、そんなに支障はないと思うけど、槍のように切った張ったはできないよ。


「構わないわ。制限があるのも楽しそうだしね」


 ほ~。ゲーマー魂が生まれて来たじゃない。うん、任せなさい。いい感じにコーディネートしてあげるわ。


 まず、タクティカルセーラー(イベントアイテムです)にタクティカルベスト。スーツに腰にはガンベルト。タクティカルブーツ。主武装としてCⅡナイン(近未来小銃です)を渡した。


「まだ撃っちゃダメよ。花園を出てからだからね」


 さすがに花園に硝煙を撒き散らすのは気が引けるしね。


「わかってるわよ。で、もう行くの? わたしはいつでもいいわよ」


「なら、出発しましょうか。あたしもこの装備を慣らしたいからまずは狩場へ行きましょう」


 まあ、電気ネズミや岩トカゲしかいない、ショボい狩場だけど、慣らすにはちょうどいいところである。


 では、レッツゴー!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ