ゲームって何でもあり
「あれ?師匠じゃん!」
知らないおっさんと称したがよく見れば師匠だった。初見でわからなかったのは髭がもっさり生えていたからだ。
元々老け顔だった師匠に髭なんかつけたらもうサンタさんじゃん!
ああ今年のサンタは何くれるんだろ?
「やあ久しぶりだねメモ」
師匠は片手を上げやあ、と言ったがどうもぎこちない。
「久しぶりっす。・・・で?師匠此処どこなの?」
「此処は場所ではなく意識の中だ。君はヘッドホンから流れる音波で催眠術をかけてみたが・・・成功したようだな」
「本当師匠は無茶苦茶だな」
催眠術ってついに師匠はそこまで手を出したのか…相変わらずやる事は無茶苦茶だな。
「これに驚かない君は充分に無茶苦茶だ。
さすがぁ我が弟子」
「ははは。ありがとうございます。
…で?師匠の本体はどこに居るの?」
「すまない。質問を選んで言いたまえ」
「…」
やっぱりか僕が見て居るのは師匠であって師匠じゃない…
「なら。師匠の隣に居る子は誰?僕が作ったアバターに似てるけど」
師匠の隣には真紅の目をした先ほど僕が作った者とそっくりだ。
「質問を選んで言いたまえ」
やっぱりか…これはゲームを作ったと同時に作ったプログラムか・・な?。
「じゃ師匠。あのゲームは何?貴方がくれたの?」
家に帰ったら置いてあったあのゲーム会社名も書いてなかった。今時ありえないよ・・
「そうだ。あれは私と信用できる、数人のゲームクリエイターで手がけた自信作だ」
信用できる…ねえ。
「何であのゲームを僕に?」
「信用できる数人の内の一人だからだ。まだあのゲームは完成はしていない。テストプレイをまだ行っていない。それで私が見込んだゲーマーの君に最後を託したのだ」
テストプレイしてないゲームをよこすなよ!
クソゲーかもしれないじゃん⁉・・・まぁ・・最高のプレイヤーってのは褒めすぎ褒めすぎ・・・そんなこと言ってないか。
「そろそろ時間だ。最後に何かあるか?」
「…攻略本に書いてあった『大切な物を失う』って何の事?」
これが1番聞きたかった事だった。大切な物って…
「それは君の……せ……もの……げ……」
何言って?やばい目の前が……
「だぁハァハァ…何だったんだよ」
気がつけば自分の部屋だ。あっついクーラーつけよ。
「そんじゃあスタートっと」
テレビ画面はNOW LOADINGからスタートの文字が画面に見えた。