episode1《転生悪役令嬢》
さて、本題に入る前に浚っておきたいのが、転生悪役令嬢である。
何事でもそうだが、幾つかあるパターンの中からある程度中心となっていそうな部位を見るに、この転生悪役令嬢の中身は善人であることが多い。
そして、転生された先の世界を熟知若しくはそれなりに把握しているというアドバンテージを持ち、且つ、悪役令嬢になったら破滅まっしぐらやっべぇぇとなり、物語りは進んでいく。
まぁ、転生先を知っているアドバンテージは大きい。何せ大袈裟にいえば未来を知っているのだ。
通常であれば未来など知らずに生き、未来など知らずに死ぬ。そんな中で確定した未来を変えようとするのだから、その努力は並ほどではないと理解もできる。
あくまでも『理解できる』だけだ。
この転生悪役令嬢は、チートと努力を積み重ねていくことによって、未来を変えるという偉業を成す。
加えて、何より作られた世界が現実世界だということも正しく認識できている。
え、聖人君子?
せっかくの悪役令嬢だというのに、転生してくる中身が善人とは。そのまま悪役令嬢でいいのではないだろうか。
あ、すまん。
煩かっ、…え?……、物語りの設定に文句つける前に転生悪役令嬢についてきちんと浚っとけと? あ、はい、すみません。
と、何処までいってたっけか。
悪役令嬢転生だヒャッハーにはならないってところまでだったか。
基本的に転生悪役令嬢が無双して未来を改変していく物語なわけで、転生悪役令嬢がそこではヒロインなわけだな。
世界観が始まる時期までに改変していくか、世界観が始まる直前くらいから改変していくか、大体その二パターンが多く、世界観が始まってようやくヒロインと対峙する。
この時のヒロインが転生ヒロインであれば、転生悪役令嬢VS転生ヒロインとなる。ヒロインと悪役令嬢が入れ替わるわけだ。
結果としては、ヒロインと悪役令嬢という立場は守られるということでもある。
成程、元悪役令嬢という立場が、ヒロインとしてより華を咲かせるようになり、読者はさらに世界観へ惹き込まれていくわけだな。
人間の心理ってやつは、ダメだと言われてしまえば余計それを追求したくなってしまうのと同じで、被害者に加害者と現実ではイジメとされるモノで善悪を判断する。
共感できるからこその被害者と加害者。
ん? あぁ、また論点からズレてるって?
そうでもないと思うが。浚ってみると言いつつも結局転生悪役令嬢は、その世界観を知っている者がその世界観をひっくり返すための存在、と一言で言えてしまうだろう?
いたたたっ、物を投げるのは止めたまえ。
止めてください。
マジで痛いんで。




