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17話 四神の一柱

晴れて召子がレベル100になったことで女王は深域でのダンジョン挑戦を認めてくれた。


人生初の高難易度、それも深域でのダンジョンの挑戦となれば、


それはもう世界中探しても召子しかいないだろう。


いざ出発する前に女王とカノン、ディシア、ミリィが見送りに来てくれており

出発前に皆が挨拶を済ませる。


「では騎士レルゲン。再三にはなりますが、どうか皆をよろしくお願いします。


貴方の使命は、全員でここにまた帰ってくること。その中にはもちろんあなた自身も含まれていることをどうかお忘れなきよう」


ここでフェン君が鳴き声を上げると、女王は


「もちろん、あなたもですよ?」


とフェン君のあごの下を優しく撫でると、気持ちよさそうに目を閉じていた。


レルゲンが再度出発するメンバーを見て、表情が引き締まっていることを確認し、女王と他の皆に挨拶をする。


「それでは女王陛下、みんな。行ってきます」


声を揃えて、待機する全員が見送ってくれた。


「いってらっしゃい!」


青い光に包まれてレルゲン達は、深域に転移して消え去るのだった。


深域に到着し、魔力で打っておいた印に向けて飛んでいくと、

上空からでも転移魔方陣の赤い光が見て取れるほど眩い光を放っていた。


近くに降り立ち、レルゲンがセレスにバフを頼み、全員分のバフが掛け終わる。

バラバラに転移しないように全員が手を繋ぎ


「せーの!」


という掛け声と共に転移魔方陣に足を踏み入れる。

すると転移した先が既にボス部屋に直結しているタイプのダンジョンのようで


白い円形の明るい部屋、中心には古代の紋章と推測できる魔方陣が光を失った状態で描かれている。


周囲は白い光の照明がいくつも並んでおり、広さも動く分には問題ない広さを誇っている。


玉座に身を丸めて眠っているのは朱色の大きな、とても巨大な鳥型の魔物だった。


ヒュージ・スワンですら大きいと感じたのに対し、

この朱色の魔物は更にその五倍の大きさは下らないであろう大きさで


魔力もさることながら存在感だけでレルゲン達を圧倒していた。


レルゲンが一歩前に足を踏み入れると、そこはもう魔物の領域。

魔物が目を見開き、ゆっくりと身体を起こしてゆく。


全容を見たセレスティアが一言。


「伝承の、朱雀ですか…?」


と呟き、全員がその名前を聞いたことがあったために驚愕の表情をしている。


あくまで便宜上は特別な六段階目という括りではあるが、いざ実際に戦闘したときの記録が過去に全くないため


本来の実力はテクトが自称していた七段階目のモンストルム・ファブリカよりも厄介な敵の可能性があった。


例に漏れず帰りの魔方陣は光を失っており、撤退も許されない。


レルゲンがまずは高い知性を持っていると考えられる朱雀へ挨拶を図ってみることに。


「お初にお目にかかる。朱雀殿とお見受けするが私はレルゲン。レルゲン・シュトーゲンと申す者。

御身の胸をお借りし、いざ尋常に勝負願いたい!」


朱雀はこれに応えることはなく、青い炎を口元に集中し薙ぎ払う形で放ってくる。

火炎の線がレルゲン達を全て包み込むが


セレスティアが瞬間的に状態異常無効化の魔術である

「ノーマリィ・コンディション」を発動して火炎から火傷状態にならないように皮膚を保護し


それに加えてレルゲンが矢避けの念動魔術で火炎の軌道を無理矢理曲げることで技の完全回避に成功する。


少し、目を見開いて驚いたような表情になった気がするが、気のせいの可能性もある。


朱雀の挨拶にレルゲンも応えようとレルゲンも魔力を解放し、黒龍の剣が赤い刀身となって朱雀に襲い掛かる。

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