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【11万pv完結感謝】念動魔術の魔剣使い -大切な人を護り続けたら、いつの間にか世界を救う旅になりました-  作者: 雪白ましろ
第六部 妖魔大戦編

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23話 探知

レルゲン達が臨戦体制に入り天叢雲剣を浮遊剣にして帯同させると、マークスは少しだけ苦い表情をするが、


すぐにレルゲンの背後から心念による魔法陣無しで、呪いの弾丸が込められた古式銃出現させて発射した。


乾いた音が一発だけ響く。

レルゲン達の視覚外からの一発を天叢雲剣で弾いた。


刀身に呪いの効力が発揮し魔剣を蝕もうと網目状に這い回るが、すぐにバラバラと呪いが空中に消えていく。


予感がしたのだ。

この魔剣は、きっと不浄を祓う力を持っていると。予想は当たっていた。

何事もなかったように刃が欠けることなく、依然として魔剣特有の魔力が満ち満ちている。


「参ったねぇ、どうも。

初撃を防がれるとは思わなかったよ。

このやり方は魔王にも通じたんだがね」


「……! アメリアに何したの!」


召子が聖剣を下段に構えながら空中に浮いているマークスに斬りかかる。


「やぁぁああ!!」


斬り上げてから身体を回転させるように横に薙ぎ払うが、マークスは一連の動きが全て見えているかのように最小の動きで上体をコントロールして躱す。


完璧に見切られている太刀筋を召子もすぐに理解して、フェンとアビィに〈使い魔との思念伝達〉に進化したスキルを駆使して無言で指示を出す。


同時に動いた一匹一羽を一瞥するように視界の端で捉えたマークスは、


左手に心念で召喚した小型のマシンガンでフェンに向けて威嚇射撃をしたが、素早く空を駆けながら左右にステップを踏み近づくのを見て軽く舌打ちをする。


マークスの斜め後ろから、アビィがダイヤモンドダストで手の動きを凍らせて止めたが、全く意に返さずに目線のみでハンドガンを心念で召喚して一斉に放ち迎撃。


回避する場所が全く無いと本能で察したアビィは、全身を硬い氷で球体状に覆われた盾を展開して弾丸を受け止めて弾き飛ばした。


「アメリアに何したかって聞いているの!」


「呪いの弾丸を肩に撃ち込んでやったのさ」


口をにやっとさせて召子を更に挑発する。

レルゲンはこのタイミングで介入しようと思ったが、召子が剣に無意識的に乗せている心念に変化があると気づいて、まだ静観することに。


念の為、いつでも呪いの弾丸を弾けるように天叢雲剣の準備はしているが、召子の速度も尻上がり的に上がっていっていると感じてジッと待つ。


連続で叩き込まれていく聖剣が少しずつ白い光りを放ち始め、聖剣が本来持っている聖属性の魔力が上乗せされる。


属性付与により剣の間合いに変化が生じたことにより、ギリギリで躱し続けていたマークスの皮膚を薄く斬り裂いた。


僅かな鮮血が奔り、バックステップで距離を取った先に、肉薄していたフェン自慢の前脚による鉤爪が襲いかかる。


今度は視界の端に捉えることもなく、更に消えるように隠蔽魔術を使用して事なきを得た。


レルゲンにとって、今までの一連の攻防の流れは、心念による銃の召喚と引き金を指にかけなくても撃てる自動発射を除いて今まで通り。


だが、やはりまだ強烈な違和感が残っていた。


(マークスの手札はあれだけか? 

いや、あの自信は絶対にまだ何かあるな。

狙いはこの天叢雲剣だ。


俺が念動魔術で浮遊剣にしている限り、奴はこの魔剣を回収できない。

ならば、この隠蔽魔術によって姿を暗ませた理由は召子よりもこちら側だな)


レルゲンが魔力感知を限界まで引き上げるが、隠蔽魔術によって魔力は完全に消されているため追尾は不可能。


なぜこのタイミングで魔力感知を最大限まで展開したのかはレルゲン本人も無自覚だった。


更に集中して感知範囲を研ぎ澄ますために視界を封じ、今度はマリーが良くやっている気配探知まで引き上げる。


空に浮かぶ召子の殺意にも似た気配が色濃く感じ取れるようになるが、敵は本来暗殺者。


殺気を他人の殺気に紛れ込ませて偽装するなど朝飯前だろう。


ここで納得がいった。召子をわざと煽ったのは、レルゲンが気配探知まで出来る可能性を考慮したマークスなりの予防策だったのだ。


つまり、予想通りマークスは今、レルゲンの持っている天叢雲剣を狙うために動いている。


更にもう一段階集中力を上げていき、一秒が数秒に、数秒が数十秒に感じられるほど頭が冷えると同時に思考スピードが上がっていく感覚。


捉えた。魔力でも気配でも無い強力な心念を発動するためのイメージ。


これは偽装することも隠すことも出来ない。

本来心念の盾が発動した時に感じる感覚をもっと鋭くした、心念の起こりを察知する感覚強化法は、マークスの心念を感じ取ることに成功する。

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