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【10万pv完結感謝】念動魔術の魔剣使い -大切な人を護り続けたら、いつの間にか世界を救う旅になりました-  作者: 雪白ましろ
第六部 妖魔大戦編

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11話 東京へ行こう

「やぁ、おかえり。その顔を見るに上手く行ったようだね。おや? 何か良いことでもあったかい?」


「いいえ、何でもありません。こちらを」


無骨な形の魔石が二つ机の上に置かれると、周囲から「おお……」と驚いた声が聞こえる。


離帝は満足そうに頷き、三人に言葉をかける。


「ここら辺で1番強いクラスの魔物をその日のうちに討伐して帰ってくるとは。

これでもう君達が異世界からやって来たことを疑う者はいないだろう」


離帝は畳から立ち上がり、「よし!」と気合をつけて周りに控えていた付き人を手招きする。


「これから私は東京へ行く!」


「え、ええと……離帝様。今なんと?」


「なんだ? もうボケたのか? 

東京に行くと言ったのだよ」


「なりません!」


叱りつけるように付き人が離帝を諌めたが、それでも決意は固いようでガンとして譲ろうとしなかった。


「うるさい! 今行かねば日本は近い内に終わる! ここで行かねば奴を止められんのだ!


もし行かねば今まで築き上げて来られた英霊様方に顔向けができん!」


「この者達がいくら強くても、あの化け物を止めることは難しく……


離帝様のお力であれば可能ですが、

それは奴と対等に渡り合うことが出来ることが前提になります。

命をお捨てになるのは早いと愚考致します」


「本当にこれは愚行かもしれない。

しかし、これ以上の戦況が悪くなるのは看過できない。


この者達以外にこの国を、今の日本を助けられる人物はいないのだ。

大天使殿。そちらは何人でこちらの世界へ参った?」


「散り散りにはなりましたが、九名です」


「ならば一切問題なし! すぐに出立の準備を!

いざ行かん! 戦の中心地である東京へ!」


指を東京の方角へ向けて指した離帝は、まるでこれから遊びに行くのではないかと錯覚する程に声が上擦っていた。


付き人は頭を抱えて天を仰ぎ、自由奔放な離帝を止めることは出来ずに諦めムードになっている。


すぐにでも出発しそうな離帝にセレスティアが待ったをかけて、レルゲン達の居場所に心当たりが無いか尋ねると


「彼なら恐らくだが私がこれから行こうとしている東京に向かうだろう。

火中の栗を拾いに行くように、困っている人をほっとけない性格に見えるが、どう思う?」


三人が考えること、約十秒。


「自分から入っていきそうですね」


「ええ、間違いなく」


「彼はそういうのと縁があるようだからね」


四人の笑い声が少しの間居室に響く。

離帝は自らの膝を叩いて、ある話しを始める。


「せっかくだ。出発前にこの龍安寺の話をいくつかしよう。


ここは代々秘密の隠れ家として帝家が使っていた場所でもあってね。


ここから見える廊下、木の板に座るとどの角度からも庭に飾ってある石を全て見ることは出来ないといったものだ。


規則的な配置には見えなくても、視点を変えれば規則性を持った意味のある物になる」


三人はどういう意味か分からないといった表情をしたが、離帝は尚も続ける。


「おや、伝わらなかったかな。

ではもう少し噛み砕いて。

君達の世界にもこうした規則性を持った陣があるのではないかね?」


「魔法陣」


「そうそう。だからこそ、一見意味のない物でも、意味を持たせるのが私達知性ある人間だというわけさ。


きっとこの庭を作ったかの御人は、そんなことを伝えたかったんじゃないかな」


「要はよく観て、そして思考を止めるな。といったメッセージということですね」


「うむ。だからこそ、私達はこれを受け継いで行かなきゃならない。日本の歴史を。


今は躓いているところだが、やがて転んだ分だけ何度でも立ち上がり、そして未来ある子供達に繋いでいかねばならないと強く感じるよ」


だれも離帝がまだ年端もいかない子供の容姿であることは気にせず、全員の目に覚悟の光が宿るようだった。


「結構な講釈だが、そんな心持ちだけでこの腐った世界を救うなんて、甘い考えは止してほしいねぇ」


「「っ……!!」」


「やぁ、数日ぶりだ。君が離帝だね?


どうやら俺の契約主は魔力の存在を最初から知っている帝家も排除して欲しいと言っていてね。恨みはないが死んでもらうよ」


マークスが片手で扱えるほど小型のマシンガンを手に銃口を離帝に向ける。

付き人が衛兵を大声で呼ぶが、誰一人としてマークスに襲いかかる者はいなかった。


衛兵は既に音もなくマークスに暗殺されており、警備の人員は全く機能していない。

離帝を急いで担ぎ逃げ出そうとした付き人の男は、焦ったばかりに少し転びながら走り出す。


幸いにも転んだことでマークスの銃撃を運良く躱し、見えない裏へと移動する。


追いかけようとしたマークスの足が離帝へと向かうが、ロンギヌスの槍を壁に投げて突き刺したミカエラがゆっくりと立ち上がった。


「それ以上の狼藉は許しません。

大方、卑怯な手を好む貴方のことです。

レルゲンやレイノールがいない私達が一番始末するに容易いと判断したのでしょうが、残念でしたね」


「何がだい?」


「レルゲンが見ていないこの状況で、私達は貴方に対してどんな手を使っても問題ないということです」


「そうかい。いやぁ参ったね、どうも」

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