第四話 時の悪魔
【登場人物】
長男 キル・タイム
次男 キル・ブラック
三男 キル・パニック
四男 キル・ニャン太
五男 キル・デルム
六男 キル・ライル
七男 キル・パワー
八男 キル・デンジャ
九男 キル・アストラ
長女 キル・ハート
次女 キル・スター
三女 キル・ツバキ
四女 キル・アイナ
あらすじ
とある事件がきっかけで離れ離れになったキル家。十年が経った今、タイムに会うため十人は集まり、真の敵を知ることとなる…
タイム、デルム、デンジャを除いたキル家は一旦家に集まり、長男のブラックを中心に作戦会議をした。
「キル・タイム、別名『時の悪魔』。ゼロは時間停止、内容は主に二つに分かれる。『時間停止』は停止した時間の中で移動が出来る。『巻き戻し』は物体のみに限るが、時間を巻き戻すことが出来る」
ブラックの説明を遮るようにライルが話した。
「その二つを利用して確実に敵を巻き戻すことが可能なのが『時の悪魔』と言われる所以だな」
「ニャハハッ。とはいえアストラの作戦もシンプルにゃが効果的にゃ。一人一人が距離をとって戦えば余ゆ…」
誰もが声を出せなかった。突然ニャン太が縮んだ。タイムの仕業のはず。だが、タイムの姿はどこにも見えない。
「全員離れろ!タイムの仕業なのは確実!ここの近くにいるはずだ!」
数分間、誰も動けない状況でニャン太が踏ん張っているように口を開いた。
「っ…ハァハァ…安心しろ…!幼児化して縮んだんじゃない…!これは『重力』…!タイムの仕業じゃない!」
話終わる前にニャン太は天井に飛び交かった。全員が一斉に天井を見ると「何!?」という声が聞こえた。黒いパーカーを来た人型の猫のような生物が天井に張り付いていた。
「待っ…待て!私は敵ではない!悪かった、試したんだ!」
「ハァ?試しただと?…!試したにゃと?」
「私はタイム様の部下なのだ。扱うゼロは『重力』、今は天井に向かって反重力をかけていた。…ここまで言えば信じてくれるか?」
説明を聞いてパワーは訝しむように質問した。
「おめぇに敵意がねぇのはよぉく分かった。だがよぉ、何でタイムを裏切るようなことしてんだ?」
「裏切る?それは違うな。私はあの方を尊敬しているからこそ止めたいのだ。あの方は自身の体を壊すような手を使ってでも敵を倒そうとしているんだ」
「敵…だと!?」
「そう、その正体はあまり分かっていない。リーダー『ガストロ』を筆頭に十名足らずの人間が世界…この地球を破壊しようとしているのだ!」
「は!?地球を!?」
キル家はキルデビルを所持していることなどから軍事兵器的一家として様々な敵に狙われることが多い。その為数多くの敵と対峙してきたが、地球を破壊するほどの力を持った組織など見たことがない。というかそんなはずがない。
驚きつつもライルが質問をした。
「どうやってその情報を掴んだ?そんな危険思想を持っているなら堂々となんて出来ないはずだ。」
「ある人物…というか組織が協力してくれたのだ。お前らも知っているはず、そう『隼組』だ」
「にゃ!?おいおい、待てにゃ!逆に考えれば『隼組』が総力を募って探したのにそんなノミ程の情報しか手に入れてないのかにゃ!?」
“ノミ程”、言い過ぎとも思うかもしれないがそんなことは全くなかった。秘密裏に動いている組織を調べる上で名前など確実に仮名、価値などない。メンバーの一人も分かっていないなんて異様な事態なのだ。
「とにかく、タイム様にあって止めて欲しいのだ。そして止めてくれ!このままではあの方は自分自身の体すらも傷つけることになってしまう!」
こうして俺たちは意志を固めた。キル・タイムに会うと。
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