第一章:テンプレートは存在しない。
そこは薄暗く、不気味な空間であった。
国王との謁見の間を悪に染めるとこのような見た目になるのだろうか。
長く広い一本道の一番奥に背もたれの長い大きな椅子に黒く大きな人形のナニかが堂々たる姿で座っていた。
あれこそが僕が勇者として討伐すべき世界の"闇"だ。
そしてこの僕が奴を倒し、世界に"光"をもたらし、この世を平和な、安全にする。それがぼくの義務であり、存在意義だ。
僕の存在に気づき、魔王はスッと立ち上がり、
「勇者ハジメよよくぞここまでたどり着いたな。」
と僕に向かって言った。
僕はなぜか怒りも憎しみも何もなかった。
そこには単純に魔王と戦うことの好奇心だけだった。
これでは勇者失格だと思いながら、
「あぁ、魔王サタンよここで決着といこうか。」
と言い、僕とサタンの戦いが始まった。
僕の仲間たちはここへ来る途中幹部たちの足止めを引き受けてくれ、今ここには僕しかいない。
僕がここで勝てば幹部たちも消滅する。
なんとしても勝たなくてはならない。
と頭ではわかっていても、魔王との戦いが楽しくて楽しくて仕方がない。
もっと長く戦っていたい、そう思っていたのが一番の敗因だった。
僕は戦いを楽しむことに夢中で魔王が密かに準備していた術式に対応できなかった。
右腕の感覚がなくなった。目線を下げると地面に落ちている僕の右手。
ああ、僕は負けたのか。
そう思ったその瞬間僕の手足の力が抜け、ガクンと地面に膝をついた。
そんな僕のところへゆっくりと魔王は歩んできて、
「なにか言い残すことはあるか」
そういった。
「貴様との戦いは余にとっても楽しいものであった。貴様の存在は余が後世に語り継いでいこう。」
そう言われ、僕は自身の過去に思いを馳せた。
思えば何もない人生だった。
勇者であることがわかったのは僕がわずか8歳の時だった。その頃から僕は魔王討伐のために国全体からプレッシャーを与えられていた。毎日毎日来る日も来る日も、鍛錬、鍛錬、鍛錬、僕はこの毎日がこの上なく嫌いだった。
パーティーを組んだ仲間も僕のことは信用せず、畏怖の目で見られる。
僕には対等な人間。そう、"友達"がいなかったのだ。
情けない話だ。国から注目されていたからこれまでの鍛錬を我慢して乗り越えることができたのだ。にも関わらず、この強大な力のせいで、期待されているその裏に、恐怖があった。
僕は魔王にこう言った。
「友達...友達が欲しかったんだ。
僕のことを恐怖の目で見るのではなく、信用の目で見てくれる本当の仲間が欲しかったんだ。
だから魔王、いやサタン、僕と唯一対等に渡り合った君となら良い友好関係が築けると思ったんだ。
だから僕のことは君の最大の敵、そして最高の友として僕のことを脳の片隅に留めておいてくれないだろ うか。」
僕は弱々しい声でそう言うと魔王は
「心得た。」
そう一言言って、破滅の術式を構築し始めた。
あぁ、お別れだ。この世界とも、最高の友とも。
これからこの世界はどうなっていくのだろうか。
まぁ、もう死ぬ僕にはどうだっていい話だ。
「サタン!」
僕は最後の力を振り絞り、
「ありがとう。」
そう一言言った。
術式が完成した。僕はあと1秒と生きれないだろう。
ふと魔王の顔を見ると頬には涙が伝っていた。
「こちらこそだ」
こうして僕が勇者として生きた18年に幕が下りた。。
はじめましてなまず。申します!
僕は現在高校生2年生で、そろそろ受験を視野に勉強を始めないといけない季節なのですが、そんな理論値、僕にできるはずがなーーーーーーい!
と、いうことで趣味へ逃げてきました(笑)
今言ったようにこの小説の制作は完全に僕の趣味なので、クオリティーや誤字脱字、投稿頻度などがおそらくというかほぼ確でクソです。
そんなんでもいいよ!っていう人は僕のことを応援していただけるともう舞い上がります(笑)
さて、最初なのであまり長々しく語っていても飽きてしまうと思いますので、今回はここで終わります。
Twitter(Namazu__99)もやっていますので、フォローやDMで感想やアドバイス等があれば是非是非してください!!
ではまた次回の章でお会いしまSHOW!!