3.水色と白のシマシマ
「いつ寝てしまったのだろう……はっ時間!」
時刻は既に9:30、急いで着替え家から飛び出た。
家から最寄りの駅までは歩きで5分、駅からは3駅程なので15分くらい、駅からは歩きで5分程、契約時に1度だけ行ったので道のりは覚えている。
それにしてもギリギリになってしまった。
とにかく急いで会社に向かった。
家から駅、駅から会社まで走ったので
時刻は9:50に着いた。
フルダイブゲームのやりすぎか運動をあまりしてなかったせいで、少し走るだけでも息があがった。
会社の建物は大きく、俺の住んでいた県の県庁位の高さがある。崩れた服装を整え、正面入口から入る。
「すみません、昨日社長から連絡を頂いた大山 璃音というものなのですが」
とフロントの案内係のお姉さんに、そう言った。
「はい、大山さんですね
突き当たりに更衣室がございますので
こちらに着替えてから、
1番右の最上階直通エレベーターに乗り社長室へ
お向かい下さい。」
そう言って渡されたのは、白装束だった。
はいとだけ返事して白装束を受け取った。
「はい?」
え?何?俺リアル首チョンパされんの?そして証拠も消されコンクリと一緒に海の中なのか?
と思わず言いそうになるのを堪えて
更衣室にて着替える。
いや流石に消されはしないか。
ヤクザでもあるまいし。
何も特にないだろうし。
そしてエレベーターに向かう。
エレベーターに向かう途中、変な目で見られたが頭の中はリアル首チョンパでいっぱいであまり気にならなかった。
言われた通り1番右のエレベーターに乗り込み
天とだけ書かれたボタンを押す。
てか「天」ってなんだ。見たことないぞ。
社長室の50階までの時間は約1分30秒程。
だがこの時は10分以上乗っているんじゃないかと思ううくらい長く感じた。
「チーン」
と音と共に開くエレベーターの扉。
そして真っ直ぐ先には社長室の文字があった。
エレベーターから降りて社長室の扉の前で止まる。
服装を整えて、深呼吸をしてから、扉へ2回のノックをする。
「入りたまえ…」
社長の姿は見たことがない。
契約時は社長は出張で代理の人だった。
低音ボイスが重々しい扉の奥から響く。
俺は恐る恐る扉を開けた。
そこには、会社内の洋風っぽさは微塵もなく、
まさに和!
そしてスキンヘッドにサングラスそして両肘を机に立て、両手を口元で組み、門付袴に身をまとった社長が椅子にいた。
ついでにその横に若頭っぽい見た目の人がいた。
部屋の中央には畳が1畳置かれていた。
「まぁそこに座りたまえ」
と社長が言い、若頭らしき人が畳を手で指す。
終わったー社長ガッツリヤクザやん。
そんな会社に見えなかったんですけど…
俺は、恐る恐る歩きながら畳の横に立ち、
靴を脱ぎ靴と共にテグニスが入った鞄を置いた。
そして畳の上に正座する。
下から見上げる社長はまるで漫画にでてくる極道の親分そのものだった。
俺は、気を失いそうになりながらもギリギリ意識を保っていた。
「外せ」
そう一言 社長が言うと若頭は部屋から出て行った。
「CTC来シーズンのアプデ情報をみたか」
俺は、声がでず、とにか首を上下に振った。
「そうか
なら分かっているだろう
お前はクビだ」
やはりクビだった。
クビ...クビ...クビ...頭の中でクビという言葉がゲシュタルト崩壊を起こしていた。
これで終わりだ。
もう帰ろう。
そう思い立ち上がろうとすると。
社長が急に立ち上がり、壁にかけてあった模造刀か真剣か分からないが刀を持ち、俺の目の前まで歩いてきた。
あっまじで死ぬ。
そう思って目を固くつぶった。
「だが、いきなりクビにするのも、
勿体ないくらいお前は強い。」
「大会の運営から昨日メッセージが入った。
どうやら2周年記念大会からシングル戦
は廃止されるの事だ。
大会内容は、ダブル戦が2トリプル戦が3
という形になるそうだ」
「そこでだ、もしソロプレイヤーをやめ、
ダブルプレイヤーとして続けると言うならば
クビは取り消しにしよう」
「トリプルは既にスカウトしてしまってな、そしてダブルの際のパートナーは既に決まっている。それでも良いか?」
クビを取り消しにしてもらえる...
考える必要なんてなかった。
もしクビになれば地元の男子高校に逆戻り
せっかく手に入れた共学を手放す訳には
行かなかった!!
俺は、正座のまま前に立つ社長を見つめ…
「はい!!」
と答えた。
「素晴らしい意気込みだ、それでは、今パートナーを呼んでくる3分程待ちたまえ」
社長はそう一言いい、隣の部屋へ入っていった。
一気に気が緩み足が痺れていることにきづく。
リアル首チョンパされるかと思った
と自分の首があることに安心し、大きく息を吐き
手を伸ばす。
痺れていた足を直そうと手を使いどうにか立ち上がろうとした...
その時、社長が入っていった扉が開いた。
そしてそこから出てきたのは
スキンヘッドにサングラスの社長ではなく、
真っ赤な着物を身にまとい
肩まで伸びる美しい黒髪の女性だった。
...が上手く立てず派手に転げ
開いた扉の方へと派手に倒れてしまった……
「いててて」
見上げた天井は、水色と白のシマシマだった。
どうやら仰向けに倒れてしまったらしい。
そして今見えてる天井は……
天井ではなく、パンツだった。
「きゃああああああああああああ」
甲高い声が社長室内に響いた




