表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

 盗賊討伐

 どうも、クルトです。少し寝ていたみたいです。


 どのくらい寝ていたのか、わからないけど、盗賊たちは、まだ騒いでいるようです。


 幾分、ダルさが抜けたようだし、本格的に、どうしようか考えなければ不味いでしょう。

 暗い中、いつまでも寝たふりもできない、とりあえず周りの様子が、わからないとどうしようもない。


 うん、こういう時こそ魔力を目に集中して、デビルアイなら透視力~♪‥‥思わず歌ってしまったが、そんな歌、知らないはずなのに、前世の記憶に引っ張っられてるのかな?

 まぁ、切り替えて行こう、いま大事なのは、ここを切り抜けることだ。


 薄ぼんやりとだが、見ることができた。

部屋の端に子供たちが、固まっている。その反対側に箱や樽が置いてある。


 僕は頭を部屋の奥側で、足の方向に入口があるのだろう。首を動かしてわかるのは、これくらいか。


 僕はまだ寝た振りをしている。ダルいからではない、お腹が空いてるからだ。昨夜、薄い麦粥を食べてから、何も口にしていない。

 それに洞穴のためか、息がしずらい、酸素が足りない。

 空気に名前があるなんて思いもしなかったよ。

酸素に、窒素、二酸化炭素、と考えていると、視界に、うっすら色が付き動きを見せて、ゆらゆらしてる。


 直感的に空気が見えてると思った。


 確か普通は、八割近くが窒素で、酸素が二割弱のはずなんだけど、狭い部屋に閉じ込められてるからなのか、二酸化炭素らしいのも少し多いな、酸素らしきものを吸ってみる、少し落ち着いた。 


 こんなのも見えるんだと感心した、子供たちにも酸素を流してやろう。


 だけど、やっぱりお腹が空いてる。何か口にしたいと思っていると、キラキラ見えるものがある。


 まるで、太陽の光の中に、細かい埃が舞っているようだ。表現は、ちょっとアレだが正にそんな感じで漂っている。

 魔力を切ってみると暗がりが見えるだけだ。

 もう一度キラキラに注意して見てみると、頭の方向にある土の壁の亀裂から出ている。


 触ろうと、静かに手を出した、するとキラキラは手についた。

 これは魔力か?それも飛びきりの濃厚な!


 なんで、こんなところにと考えていると、 外からさっきまでと違う騒ぎ声が聞こえてきた。


 これは、デビルイヤ~は地獄耳~♪と言うことで、耳に魔力を集中してみると、

 ヴっ、凄い雑音と罵声に悲鳴、ヤバい良く聞こえるけど意味わからん、どうにもならんか。


 そういえば、デビルアロ~は超音波~♪ってアニメでは武器の能力だったけど、超音波は周りの様子を、跳ね返りで感知することができたはずだよね。

 それなら魔力を乗せたら知りたいことが聴けるかも‥‥ドアもボロいし上も下も隙間が空いてるしやってみよう。


 ドサッ、ぐぇっ、やっちメェー、ギャー


 明らかに争ってるな、助けか?


 子供たちも気がついたらしい、ざわついてる。

 そこで、超音波で囁いてみる。デビルボイスかな?アニメにはなかったけど、

 << 扉が開いたら、隙をついて逃げろ >>


 うまく聞こえたのか、さらにざついている。



 蹴やぶるような勢いでドアが開かれる。

 

 剣を手にした盗賊が一人、飛び込んで来た。


 すぐに << 目の前の子供を人質にしろ  >> と、囁いてやった。


 盗賊が、かがんで僕に手を伸ばした隙に、子供たちへ

 

 << 今だ、逃げろ >> 囁いたとたんに


 「逃げろ!」 「助けてー!」と、子供たちが、入口から出て行く、

 「どわっ?」 「子供!」 「おい!そこの二人、子供を連れていけ!」



 入口に、領兵らしい軽鎧を着けた男があらわれた。


 盗賊は、僕を引き寄せ、剣を突き付けながら

 「てめえ!やりすぎだぞ!どういうつもりだ!」


 「領兵が盗賊を討伐するのは、当たり前だろう」


 「てめえ、騙しやがったな!」 


 領兵は、ニヤリと笑い脇に避ける。


 「ファイアボール」後ろにいたローブの男が魔法を放つ。


 炎が部屋の中で炸裂する。


 ボワッ、ドガガン! がらがら


 「こら!ちったあ、加減しろ!」

 

 「ゴホッゴホッ、張りきり過ぎたぜ」


 「たくっ、だが、上手くいったな」


 

 部屋の中には、焼け焦げた死体の上半身が崩れた瓦礫に潰されていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ