これから
ドサッ 「チッ、いいか!テメーら、おとなしくしてろよ!」
バタン!
クルトです。いつの間にか気絶していたのか乱暴に投げ出されていました。
周りから、すすり泣く声が聞こえてくる。
薄目で周りをうかがうと暗い土の床の部屋みたいです。
なんか凄くダルい、これって魔力切れというやつですか?8歳にして倦怠感を味わうことになろうとは‥‥‥ぁっ、女の人の悲鳴が聞こえる。
ごめんなさい、今の僕にできることはありません。
残酷なようだけど、どうしようもないと切り替えるしかない。弱肉強食の異世界なのだと思うしか‥‥
僕に、とっても人ごとではない。この前の夏に両親を亡くして孤児になってしまった。
僕の住んでいる村は、8の村と言う。領主の住む街を中心に、良い土地順に東西南北に村を造り、その間に村を造っていき最後に造る8番目の村が8の村だ。
僕たちの家族は、僕が3つのときに、村に来た。父さんと母さんは元冒険者で、母さんと結婚して僕ができてから、父さんと一緒に住むために村に来たらしい。
村に慣れてきた、この夏、村がゴブリンやウルフのような魔物に襲われた。
父さんは、村人の先頭に立って戦った。戦えない年寄りや女子供は、村長の家に集まっていた。
だけど、なぜか村長の家が魔物に襲われた、母さんは僕や子供たちを守るために魔物の気を引くおとりになった、普段の母さんなら何とかなったかも知れないが、母さんのお腹には弟か妹がいて、大きなお腹をしていた。
母さんが魔物中に倒れ僕は気を失った。
僕が目を覚したのは、魔物が村を去ってからだった。
父さんもまた、魔物との戦いで、大きな傷おって数日後、亡くなった。
僕の両親だけでなく村人たちも、多数の死傷者を出した。そして村も大きな傷をおった。
魔物のために、豊作の見込めた畑の作物にも大きなダメージを受けて、村人たちの心も変わっていった。
両親が亡くなった僕の扱いも少しずつ変わっていった。食べ物を得るために物置小屋に住み、朝から晩まで、働くようになった。
村の子供たちとも遊ぶこともなくなった。
僕の家も、魔物の襲撃で家を失った村人に与えられ、蓄えも、いつの間にか両親がした村への借財として、取り上げられた。
僕は子供で、田舎の小さな村しか知らないから、疑問に思いながら騙されていたかも知れない、でも、あの頃と違い、前世の記憶思い出した今では、失望しかなくなった。
今では、僕は僕で、生きて行くことを考えている。