転生は~したけれど、
その日、外からの喧騒で目を覚ます。まだ夜が明けきってないのか、まだ暗いみたい。
昨日までの収穫作業で、夢も見ずに、ぐっすり寝むっていた僕は、ベッド替わりの寝藁から起き出して、
すぐに仕事をできるように用意して物置小屋から出ると息を飲む。
そこには、盗賊に襲われている村人たちがいた。
訳もわからず、立ちつくしていると、どこからか「逃げろ!」と、声がかかった。あわてて逃げようと駆け出してすぐに、なにかに当たって吹き飛ばされ気を失ってしまった。
‥‥‥車窓の向こうにビル群が見える
車を運転しながら、街並みを眺める
遠い昔の懐かしさを感じる。いつの間にかテレビを見ている‥‥クイズ、歴史探訪、動物ドキュメント、ニュース‥‥‥
「オラ!起きやがれ!」
僕の名前は、クルト、山間の小さな村に住む8歳になったばかりの男の子だ。
先ほど、前世の記憶を思いだした。まさか自分が転生者だとは、考えもしなかった、当たり前か‥‥
前世では、50代ぐらいだったのだろうか、自分のことは思い出せないが、ちょっとしたことは、しっかり思い出せる。
普通なら、異世界転生にワクワクするはずなんだけど。
現在、僕は、盗賊に脅されながら荷物を担いで山の中を歩いている。ワクワクどころか、びくびくしながら。
前世の記憶を思い出しながら盗賊に捕まっては、もう、人生詰んだようなものだ。
しかし、不幸中の幸いと言うか、僕は魔力に目覚めることができた。
逃げようとした僕は、盗賊の魔法使いに魔力弾を打ち込まれ無理やり魔力に目覚めさせられたと言っていいだろう。そんなことで、よくさ魔力に目覚めることができたのか、不思議でならない。
それでも僕には、幸運なのだろう、気功術や禅門、マンガやアニメの知識を動員して魔力を身体中に纏わせる、具体的には超有名なハンターなマンガをイメージして魔力を身体に止めていく、歩きながら身体の中で魔力を操作して力と持久力を増して行く。僕は、チビで、痩せっぽちだし荷物を運ぶにもふらふらしてしまう、実際、魔力を使って、やっと歩いていけている状態だ。
周りには、村の若い女の人や子供たちも何人かいて、泣きながら荷物、収穫した食べ物を運びながら歩いている。
盗賊たちは、イヤらしい笑いを浮かべて女の人見ているやつもいれば、村でも数少ない金目の物を見つけたやつは、仲間に自慢しているようだ。
先行きは、不安しかないが、せっかくの異世界転生なんだから、落ち着いてできることをしよう。
とりあえず、今は目立たず生き残ることを優先しよう。