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三回も転生したらさすがに優雅に生きられると信じている  作者: 多趣味人間君
第二章 幼少の天才
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八話 魔術師の第一歩

結局俺の家庭教師には水魔術師のベルーナなんという人についてもらった。初日の顔合わせでは魔王の息子が三歳だと聞いて嫌な顔をしていたが、俺の中身は生きていたら28歳のおじさんだから話してる内容は全部わかるし文字もゼロ歳から自発的に勉強していたおかげでかなりスムーズに読めるため、かなり驚いていた。よく考えると三歳の子供が言葉を流暢にしゃべったり文字を読んだり書いたりしていたら気色悪いだろう。


今日は初日。まずは俺の属性を測らなくてはならない。


「ルディーさん、いえ、あなたの父親にはルディーと呼べと言われているのでルディーと呼ばせていただきます。この魔道具に手を乗せてください」


俺はまだ小さい手を魔道具に伸ばした。


「結果が出まし。。。ん!? え、ちょっと待って? ま、魔王様!? おーい魔王様~~~!!」


どうしたんだろう、ベルーナさんが異常に慌てている。まさか魔道具が壊れてたとか? 勘弁してよぉ、もう早く属性しりたいな。

ベルーナさんが俺の両親を連れて戻ってきた。


「見ていてくださいね? ほらルディー、もう一度手を乗せてください」


「な、なんと! これは!」


「まあ、これはなんという。。。」


「ルディー、落ち着いて聞いてください。あなたは。。。」




「すべての属性に互換性があるようです」


落ち着くも何も言っている意味が分からない。

俺がキョトンとしていると母親がこう告げた。


「いいルディー、属性というのはね、普通一人一つなの。私たちの体の中にはマナが流れている導線があってね、その形や構成によって属性が決まるの。でもあなたの体はすべての属性を受け入れることができるの。これはとても珍しい、いや、今私の目の前で起きるまで私も空想のことだと思っていました。あなたには魔術の才能があるのかもしれない。これは神様からの贈り物かもしれません。大事にしなさい」


「これは何かの間違いではないか? この結果は確かなのか?」


「この魔道具は神聖な力によって動いています。なので故障する原因は神の死のみ。ぶつけたり攻撃したりしたぐらいでは傷一つつきません。いいですかルディー、魔王様もお聞きください。この事実が世間に広がると反魔王勢力がどう動くかわかりません。私は絶対に外部に情報を漏らさないと誓います。ですから魔王様方もどうか極秘事項として取り扱ってください」


俺は未だこの事実のすごさに気づいていなかった。しかし、過去に全属性持ちの能力が確認されたのはただ一度。この世界を創造した神が持っていたとされるマルチ属性の魔法は森羅万象を作り出し、この世に物質とエネルギーという概念を形成した。その能力を俺が受け継いだとしたら、それは俺がこの世界の神と同等の能力を手に入れてしまったということなのか!?この難攻不落で歴史上一度も破られたことが無い(訂正、昨日の朝魔術師の群れに一度だけ破られた)軍隊を持つ魔王軍が国家機密に指定するほどのことだ。ただ事ではないことは確かだろう。


「ルディー、属性が多くともマナを扱う技術が無ければ魔法は成立しません。ぜひとも私にあなたが最強の魔術師になるための訓練をさせてください。」


その後ベルーナは魔王城に持ってきたものだけでは訓練にならないから、一度里に帰って上位マナストーンや上位マジックアイテムを調達し、一週間で戻ると告げ魔王城を去っていった。







一週間後、ベルーナさんが里から手ぶらで帰ってきた。どうやら虚無空間に物質の概念を押し込むことで現実空間での質量が無のじょうたいで物を運べるそうだ。いわゆる四次元ポ〇ットってところか。彼女が虚無空間から取り出したものはすべてマナストーンやマジックアイテムだった。


「さあルディー、再開を喜ぶ暇もありません。特訓を始めましょう!」


別に初対面だった人と一週間ぶりにあってもうれしくねえよ!

というわけで、最初は魔法が遊び程度に使えたらいいなという軽薄な考えで父親に頼んだ家庭教師が、俺がとんだチート属性だったせいでガチ特訓になってしまった。


「まずは体内マナを増やすことからやってみましょう。マナはいつでも大気中から回収できますが、魔法を一発撃つために使えるマナは体内にすでにある量のみです。つまり体内マナ量を上げないと上位魔法は打つことすらできないということです。どこぞやの中二病アークウィザードは体内マナを限界突破して爆裂魔法を打っていましたが、あれができるのは一部の者のみです。」


「ちょっと待って、なんか違う作品の話してない?」


「してませんけど?」


「では最初は初等魔法の中で一番安全なウォーターボールから覚えましょう。はじめのうちは体内にマナが流れる感覚をつかむために杖を使って強制発動しましょう。詠唱はウォーターボールでOKです。」


「わかった。やってみる」


俺はベルーナさんから杖を受け取り、

「ウォーターボール!」


体に小さなエネルギーが動く感覚が走り、直後小さな水の塊が杖の先にまとわりついた。


「おお!最初にしては上出来です!では今度はさらにマナを込めるようにして杖を突きだしてください」


マナを込めるようにしてってなんだよ!それが初心者に教えるやり方かよ!!と思ったが、案外簡単にできるもんで、意識を杖に向けてエイ!っとばかりに杖を押し出したら水玉が十メートルほど飛んだ。


「素晴らしい!あなたは属性だけでなく才能もあるようですね!」


お世辞でも社交辞令でも父親の命令でも褒められるのはうれしい。なんせ、前世ではどれだけ頑張っても。。。

わざわざ考えるのはやめよう。


「では最後の基本、マナの回復をやってみましょう。これはまず感覚で覚えるしかないので最初は詠唱によりゆっくりつかんでいきましょう。マナチャージ!」


「マナチャージ!」

おおすごい!体力は何ともないし精神もなんともないのだが何か今まで感じたことのない何かが俺の体にみwなwぎwっwてwきwたwwwww感じになっている!これは前世にはマナが存在しなかったがために感じなかった、食欲、睡眠欲、性欲以外の何かが満たされた感覚と表現するべきだろうか!




それから数日間同じような練習を繰り返した。一日3時間魔法をぶっ通しで撃ったら1時間の座学だ。それにより今までわからなかったことがかなりクリアになった。まずこの世界には二種類の魔法がある。召喚魔法と物理魔法である。召喚魔法は精霊魔法などにつながってくる、精霊や悪魔や魔獣の力を借りて戦う魔法。戦闘以外には観賞用やペットとしても有効。でも相手は自我を持った存在だから怒らせたり敵にすると自滅することになるため取扱注意。対して物理魔法は水、火、土、風、電気、空間、光、闇、時間の属性を使って物理法則にマナで抵抗する魔法だ。こちらに関しては戦闘に限らず、便利なことがいろいろできる。水や土属性は物質を動かす能力にたけているためモノづくりに応用できたり、火属性は料理、風属性は弓エイム補正、電気属性は無尽蔵エネルギー源、空間属性はシェルター、光属性は光源、闇属性はマンパワー補填(アンデッドを召喚する)など、使い方によっては無限の可能性があるわけだが、俺は何せこれらの属性すべてを保有している。今の俺に恐れなど無い!!

「わ~っはっは!! わ~っはっはっはっはっはっはっは!!」


「ルディー!やかましいぞ!何時だ思ってるんだ!!」


ヒィッ!!やっぱり父親の威圧は恐ろしい。。。

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